2024年12月24日更新

監修記事

木造二階建ての費用は?工期や耐用年数、間取りの例を紹介!

30坪の木造二階建てにおける建築費用相場は約2,200万円程です。

日本で古くから用いられている建築方法である木造の工期や耐用年数を理解して、木造二階建ての全体像を把握しましょう。

二階建て住宅における間取りプランや耐震性についても詳しく触れています。

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木造二階建ての建築費用相場

30坪の木造二階建てにおける建築費用相場は、約2,200万円程度です。

国土交通省が2023年に発表した「建築着工統計調査」によると、木造一戸建てにおける建築費用相場は1㎡あたり約22万円となっています。

(出典:国土交通省|建築着工統計調査(建築主別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額 )

1坪は3.3㎡であるため、坪単価に換算すると約72万円、30坪の建築費用相場は2,180万円程度と計算できるのです。

上記は平均値であるため、設備や仕様により建築費用は前後します。

工法別の費用相場

木造二階建ての費用相場は工法によって異なります。

建物物価調査会が発表した「2022年度個人住宅工事費の価格傾向に関する研究報告書」にある工法別費用単価は下記のとおりです。(※総工事費は中央値から算出しています。)

工法総工事費(円/坪)30坪あたりの建築費用
木材在来工法
(※軸組工法)
690,621円約2,071万円
2×4工法
(※2×6含む)
684,234円約2,052万円
プレハブ工法
(木質系・鉄骨系)
954,601円約2,863万円
出典: 建物物価調査会|2022年度個人住宅工事費の価格傾向に関する研究報告書

上記の資料を参考にすると、1坪あたりの建築費用単価が最も安いのは2×4工法や2×6工法の68万4,234円、次いで木材在来(軸組)工法の69万621円、最も高いのはプレハブ工法の95万4,601円となりました。

上記の単価はあくまで目安となっており、使用する部材や建物、土地の状況によって費用は変動します。

工法は費用のみで選ばない

工法は費用のみではなく、リフォームのしやすさや耐震性などを加味して決めましょう。

木造住宅における「4号特例」とは?

4号特例とは、一定の条件を満たした木造住宅が構造審査を省略できる制度のことです。

鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合、建築確認の際に必ず構造審査を行わなければなりません。

しかし、以下の条件を満たした木造住宅では4号特例により審査を免除されます。

4号特例の条件
・二階建て以下の建物
・不特定多数が利用しない建物
・延床面積が500㎡以下
・高さ13m以下
・軒の高さ9m以下
出典:建築基準法|第三節建築物の建築に関する確認の特例第十条

いつから木造二階建ては4号特例の適用外になる?

元々、小規模建築事業者の保護や建築物供給の円滑化を目的として始まった4号特例制度ですが、2025年4月以降制度は縮小されます。

現行法で4号の条件に適合する住宅は、2号や3号に区分される見込みです。

参考:国土交通省|2025年4月(予定)から4号特例が変わります

これまでと変更があるポイント

4号特例の縮小により、一般的な2階建て戸建てでも許容応力度計算が義務化されます。

建築費用上昇や工期の長期化が問題視される一方で、構造計算が義務化されるため耐震性の向上も期待できます。

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木造二階建て住宅の工事期間

木造二階建て住宅における工法別の工事期間は以下のとおりです。

工法工事期間
木造軸組工法3か月〜6か月
ツーバイフォー工法2か月〜5か月
木造ラーメン工法3か月〜6か月
木造プレハブ工法2か月〜4か月

上記のとおり、木造二階建ての工事期間は平均して3〜6か月程度です。

しかし、あくまでも平均値であるため、建物や地盤の状況によって工事期間は大きく変動します。

構造計算が必要な場合、工期は長くなる

鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較すると後期の短い木造住宅ですが、構造計算などが必要な木造ラーメン工法などは工期が延びてしまう可能性もあります。

>>家の着工から完成(竣工)までの流れはこの記事で紹介!

木造二階建て住宅の耐用年数

木造住宅の法定耐用年数は22年と定められています。(出典:国税庁|耐用年数(建物/建物附属設備)

建物を使用可能な耐用年数は建築する際の施工技術や気候、メンテナンス状況によって実状は異なります。

一般的に木造住宅のは30年程度と言われていますが、築30年を超えている物件も利用されています。

長期的に住宅に居住することを検討している方は、定期的なメンテナンスが大切です。

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木造二階建てにおける間取りの例

木造二階建てには、どのような間取りがあるでしょうか。

この項では、実際の施工会社のプランを参考に間取りの例を解説します。

家事動線を重視した3LDK

出典:ハイパーハウス|家事動線を考え抜いた2階建(外観)
出典:ハイパーハウス|家事動線を考え抜いた2階建(間取り)
参考価格1,652万円
延床面積92.32m2(27.92坪)
間取り3LDK
居住人数の目安5人

ハイパーハウスでは、家事動線を重視した3LDKの木造二階建てプランを提案しています。

浴室・洗面台・キッチンなどの水回りを1か所にまとめることで、家事動作が確保できるだけでなく、建築コストも削減可能です。

大家族がゆったりと暮らせる4LDK

出典:ジャストホーム|二階建て 31坪4LDK(外観)
出典:ジャストホーム|二階建て 31坪4LDK(間取り1F)
出典:ジャストホーム|二階建て 31坪4LDK(間取り2F)
参考価格1,866.5万円〜
延床面積97.00m2(31.15坪)
1階面積49.00m2(14.82坪)
2階面積48.00m2(14.52坪)
間取り4LDK
居住人数の目安4〜5人

ジャストホームの木造二階建てでは、31坪の施工面積で広々と暮らせるプランを提案しています。

15.2畳のリビングの横には廊下を挟まず4.2畳の畳スペースがあるため、合計19.4畳の空間となり広々と暮らせるでしょう。

2階の居室にはそれぞれ収納を備え付けてあり、子供が大きくなっても安心して暮らせる間取りプランとなっています。

リビング横に和室がある4LDK

出典:わくわくハウジング|木造二階建てプラン(外観)
出典:わくわくハウジング|木造二階建てプラン(間取り1F)
出典:わくわくハウジング|木造二階建てプラン(間取り2F)
延床面積99.78m2(30.18坪)
1階面積57.55m2(17.41坪)
2階面積42.23m2(12.77坪)
間取り4LDK
居住人数の目安4人

わくわくハウジングでは、使いやすい30坪の木造二階建てプランを提案しています。

リビング横に4.5畳の和室を備えているため、寝室や客間、勉強スペースなどさまざまな活用を可能としています。

狭小地でもゆとりの暮らしが叶う4LDK

出典:一級建築事務所枚方スタジオ|くつろぎを大切にする空間(外観)
出典:一級建築事務所枚方スタジオ|くつろぎを大切にする空間(間取り1F)
出典:一級建築事務所枚方スタジオ|くつろぎを大切にする空間(間取り2F)
間取り4LDK
居住人数の目安3〜4人
出典:一級建築事務所枚方スタジオ|くつろぎを大切にする空間

一級建築事務所枚方スタジオでは、狭小地ながらも吹き抜けを実現した二階建てプランを提案しています。

縦に長い18畳のリビングに吹き抜けを設けることにより圧迫感を抑え、広々とした空間でゆとりを持った生活が可能です。

木造二階建て住宅の平均的な高さ

第1種低層住居専用地域や第2種低層住居専用地域における土地は、高さ制限が設けられており10mもしくは12mを超えた住宅は建てられません。

一般的に、30〜40坪の敷地における木造二階建て住宅の高さは7〜9mと言われており、ほとんどの住宅が高さ制限をクリアします。

高さ制限のほかにも、住宅を建てる際には建蔽率(けんぺいりつ)などの制限が設けられています。

住宅の建て替えに関わる法律は下記の記事でご紹介しています。

>>建て替えに関わる建築基準法のルールはこの記事で紹介!

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木造二階建てのメリット

木造二階建てには以下のメリットがあります。

木造二階建てのメリット
  • 敷地を有効に使える
  • プライバシーを確保しやすい
  • 採光を得やすい
  • 建築費用を抑えやすい

一つひとつのメリットを確認します。

メリット1 敷地を有効に使える

木造二階建て住宅にとけるメリットの1つに、敷地を有効活用できる利点があります。

二階建て住宅は平屋と異なり、建物の2階部分に居住空間を作るため、建物面積を抑えて敷地を有効活用することが可能です。

固定資産税が抑えやすい利点もある

敷地面積を小さく抑えられる二階建ては、平屋と比較すると固定資産税を抑えやすい利点があります。

メリット2 プライバシーを確保しやすい

プライバシーの確保がしやすい点も二階建てのメリットです。

二階建て住宅は同規模の平屋と比較すると、延床面積が広く部屋数を確保しやすいため、家族個人の部屋が作りやすくなっています。

個人の空間と時間を大切にしたいと考えている方には二階建て住宅がおすすめです。

メリット3 採光を得やすい

木造二階建て住宅には、採光を得やすいメリットもあります。

平屋の場合には近隣住宅との距離を取らない限り、採光を得ることは難しいでしょう。

周囲の建物が二階建てであれば、採光が遮られる心配はほとんどないと言えます。

メリット4 建築費用を抑えやすい

平屋と二階建て同じ延床面積の住宅を建てる場合、一般的に二階建ての方が建築費用を抑えやすい傾向にあります。

これは、平屋よりも二階建ての方が基礎や屋根の面積が小さいからです。

もちろん、建築費用は建物の仕様や設備によって異なるため、一概には言えません。

しかし、建築費用を抑えたい人にとって二階建ては最適です。

二階建ては2世帯住宅にも向いている?

限られた敷地面積を最大限活かせる二階建ては、2世帯住宅にも向いています。

延床面積を広く取れる二階建てでは、1階は家族の共有スペース、2階はそれぞれの家庭におけるプライベートゾーンとすることも可能です。

>>二世帯住宅の建築費用はこの記事で紹介!

木造二階建てのデメリット

木造二階建てには多くのメリットがある一方で、見逃せないデメリットもあります。

後悔のないよう、メリットとデメリットの双方を加味して木造二階建てを検討してください。

デメリット1 生活動線が複雑になる

二階建て住宅は、生活動線が複雑になるというデメリットがあります。

平屋の場合、延床面積の小ささから必然的に水回りが1か所に集まり生活動線が簡素化されます。

しかし、2つのフロアに分かれた二階建て住宅では、どうしても生活の動線が長くなり、結果的に家事効率が落ちてしまうでしょう。

水回りを1か所にまとめて生活動線を快適に!

二階建て住宅でも、水回りを1か所にまとめることで、家事動線や生活動線を効率化できます。

デメリット2 上下階の移動が必要となる

階段での移動が不可欠である点も、二階建て住宅におけるデメリットの1つです。

若く健康なうちは良いですが、将来歳をとったとき階段での移動を負担に感じる可能性も考得られます。

デメリット3 外壁のメンテナンス費用がかかりやすい

二階建て住宅は外壁工事の際に足場を組む必要があるため、メンテナンス費用がかかりやすい傾向にあります。

平屋の場合、足場を組む高さが低いためメンテナンス費用を抑えられます。

一方で、高さのある二階建てのメンテナンスは大規模な足場を組む必要があるため、費用が高額になる可能性があるでしょう。

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木造住宅に求められる耐震基準

木造住宅を建てるためには、2000年に大幅改訂した「新耐震基準」で定められた耐震基準を満たす必要があります。

新耐震基準は「建築基準法における現行の耐震基準では、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊するおそれのない建築物とすること」を定めています。(出典:林野庁|木造住宅の耐震性について

なお、新耐震基準の耐震性については下記のグラフを参考にしてみましょう。

出典:国土交通省|熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会報告書

上記のグラフは、平成28年度の熊本地震における木造住宅の被害状況を表しています。

1981年以前に建築された住宅の28.2%が倒壊・崩落している一方、2000年以降の新耐震基準で建てられた住宅の倒壊・崩落率は2.2%です。

新耐震基準で建てられた住宅の約6割が無被害であることから、新耐震基準の耐震性の高さを読み取れます。

新築の木造住宅では、震度7レベルの地震でも倒壊しにくい耐震性を兼ね備えていると言えるでしょう。

耐震性を高めるためには地盤も大切

耐震性能に優れた住宅であっても、地盤が弱ければ地震で損害を被ってしまいます。建設前には地盤調査を行い、必要に応じて地盤補強を行いましょう。

>>耐震等級や地震に強い家についてはこの記事で紹介!

【Q&A】木造二階建てにおけるよくある質問

木造二階建ての解体費用はいくら?

木造二階建ての解体費用は、30坪の建物の場合、90〜150万円が目安です。

解体費用は建物の立地条件や築年数、隣接する家との距離などによって変動します。

重機を使用できず、手作業で解体を行う必要のある立地では解体費用が高くなります。

解体工事の坪単価

解体工事にかかる坪単価は3〜5万円です。

>>木造2階建ての解体費用はこの記事で紹介!

木造二階建ての住宅に構造計算は必要ない?

2024年現在、木造二階建ての住宅に構造計算は義務化されておらず、必ずしも必要ではありません。

構造計算とは、建物の安全性を確認するための計算方法です。

重力や地震力などさまざまな力の作用を計算し、構造部材の安全性を計算しています。

2025年から構造計算は義務化される

2025年以降は4号特例の縮小により、木造二階建て住宅の構造計算は義務化されます。

木造二階建ての費用を抑える方法はありますか?

木造二階建ての費用を抑えるためには、下記の方法が有効です。

費用を抑える方法
  • 水回りをまとめる
  • 間取りをシンプルにする
  • 木造軸組工法を選ぶ
  • 総2階建ての作りにする

水回りの設備は給排水管が必要であり、これらを別々の個所に配置することで、その分の工事が増えてしまいます。

間取りをシンプルにすると費用を抑えることが可能です。

>>建築費用を抑えるポイントはこの記事で紹介!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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