2025年01月17日更新

監修記事

家の建て替え費用を解説!土地ありの場合の費用内訳や注意点を紹介

家の建て替え費用の相場は3,000万円〜5,000万円台です。
この記事では、建て替えにかかる費用の種類や内訳のほか、30坪の費用シミュレーション、1,000万円〜2,000万円の予算での可能性も解説します。さらに、費用を抑えるコツやリフォームとの比較、利用可能な補助金・減税制度まで幅広く紹介します。

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家の建て替えにかかる費用の相場は?

家の建て替え費用相場は、3,000万円〜5,000万円台です。

近年家を建て替える際の費用相場は、大幅に高騰しています。

国土交通省のデータによれば、令和3年の建て替え費用の平均は3,299万円でしたが、令和4年に 4,487 万円(自己資金比率:46.7%)、令和5年には5,745万円(自己資金比率:42.5%)まで上昇しています。(参考:国土交通省-令和5年度 住宅市場動向調査報告書

この平均値が必ずしも実態に合っているとは限りませんが、材料費や人件費の高騰などの要因により、建て替え費用は急激な増加傾向にあるといえるでしょう。

ローンの活用も視野に入れ、予算の確保をしましょう。

予算1000万・1500万円・2000万円で建て替えはできる?

近年の建築資材の高騰や人件費の上昇により、低予算での建て替えはかなり困難になっています。それぞれの予算で可能かどうかを見ていきましょう。

建て替え費用1000万円

残念ながら、現在の相場では1,000万円での建て替えはほぼ不可能です。

付帯工事・解体工事その他の諸費用を除くと、本体工事費は500万〜600万円程度しか残りません。

仮に坪単価が50万~60万円としても、10坪以下の家になってしまいます。

実際には、小規模な家ほど坪単価は上がる傾向があり、この予算で家を建てることは難しいでしょう。

既存の家の部分的なリフォームを検討することをおすすめします。

>>リノベーション費用はこちらの記事で紹介!

建て替え費用1500万円

1,500万円でも、建て替えはきわめて困難であるといえます。

付帯工事・解体工事その他の諸費用を除くと、本体工事費は1,000万円程度となります。

15坪程度の小規模な住宅としても、設備や内装は最低限のグレードに抑える必要があります。

快適な住環境を求めるなら、もう少し予算を増やすか、リフォームを検討する方がよいでしょう。

>>ローコスト住宅の建て替え費用はこの記事で紹介!

建て替え費用2000万円

2,000万円あれば、建て替えは必ずしも不可能ではありません。

付帯工事・解体工事その他の諸費用を除くと、本体工事費は1,300〜1,500万円程度となり、20〜25坪程度の小規模な住宅を建てられる可能性があります。

ただし、ローコスト住宅メーカーを選んで設備や内装のグレードを落とし、付帯工事を最小限に抑える必要があるでしょう。

長期ローンで負担を軽くする方法

フラット35などの長期ローン商品を利用すれば、毎年の返済額を抑えられます。

たとえば、年収が約300万円程度でも、2,000万円のローンを組める可能性があるでしょう。

ただし、他の借入金の状況や将来の収入見込みなども考慮に入れ、慎重に計画を立てることが大切です。

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【土地ありの場合】家の建て替えにかかる費用の種類とは?

建て替えに必要な費用は多岐にわたります。以下の表に代表的な費用の種類と相場のめやすをまとめていますので、参考にしてください。

費用の種類費用の相場
本体工事費3,000万〜5,000万円
付帯工事費
(外構工事や上下水道の引込み費用など)
200万〜600万円
設計監理費100万〜300万円
地盤調査費5万〜20万円
地盤改良工事費50万〜200万円
解体工事費120万〜300万円
測量費10万〜30万円
税金
(印紙税、登録免許税、不動産取得税など)
10万〜80万円
登記費用15万〜30万円
引越し・仮住まい費用100万〜150万円
家具・備品の購入費用100万〜300万円
家の建て替えにかかる費用の種類と相場のめやす

この表に示すように、建て替えには本体工事費の他にも、さまざまな付帯費用が必要です。以下で詳しく解説していきます。

>>住宅の着工から完成までの流れはこの記事で紹介!

家を新築する費用

家を新築する際には、建物本体工事だけでなく、付帯工事費、設計監理費、地盤調査費、地盤改良工事費などがかかります。

これらの費用は、家の規模や仕様、地域の特性などによって大きく変動する可能性があります。それぞれの項目について理解しておきましょう。

本体工事費

本体工事費は「延べ面積×坪単価」で概算できます。一般的な木造住宅の場合、坪単価は60〜100万円がめやすです。

使用する工法により坪単価は大きく変わり、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)はさらに高額になることが一般的です。

建物の面積が小さい場合や平屋建ての場合、坪単価は高くなる傾向があります。

もちろん、間取りや使用する建材、設備機器などの種類やグレードによって坪単価は大きく変動します。予算に合わせて詳しく見積もりを取りながら、無駄のない設計を心がけましょう。

工法の種類坪単価相場
木造60万〜100万円
鉄骨造(軽量鉄骨造)80万〜100万円
鉄骨造(重量鉄骨造)100万〜120万円
鉄筋コンクリート造(RC造)100万〜150万円
工法別の坪単価相場のめやす

付帯工事費

建物の本体工事費とは別に発生する付帯工事費の相場は、200万〜500万円です。

付帯工事費には、外構工事や上下水道の引込み工事、エアコンや照明器具、カーテン工事などが含まれます。

外構工事は、門扉や塀、駐車場、庭の造成などが主な内容です。上下水道は、既存の管から新しい家までの接続や改修工事や、新たに引込みが必要になるケースもあります。

項目費用相場
外構工事費(門、塀、庭、アプローチ、駐車場など)100万〜300万円
上下水道・ガス引込み工事費50万〜100万円
空調設備工事費30万〜100万円
照明器具工事費20万〜50万円
カーテン工事費10万〜40万円

設計監理費

設計監理費は、本体工事費の5〜10%程度が相場です。

設計監理費とは、設計事務所や工務店が設計・監理を行う際にかかる費用です。

ハウスメーカーや住宅会社では本体工事費の見積もりに含まれることが多く、設計事務所に依頼する場合は別途必要になります。複雑な設計や高度な監理が必要な場合はさらに高額になることがあります。

設計の質は家の完成度に大きく影響するため、予算に余裕があれば設計事務所などの専門家に依頼することもよい方法です。

地盤調査費

地盤調査費の相場は5万~20万円です。

地盤調査(地質調査)は、家を建てる地盤の強度や安全性を確認し、瑕疵(かし)保証を受けるためにも必須となっています。

調査方法は建物の構造や地盤の状態によって異なります。一般的な木造住宅の場合、スウェーデン式サウンディング試験(スクリューウエイト貫入試験)が行われており、5万円から10万円程度が相場です。

鉄骨造や鉄筋コンクリート造はさらに荷重が大きいため、ボーリング調査などの詳細な調査を必要とすることがあり、20万円以上かかるケースもあります。

地盤改良工事費

地盤改良工事費の相場は50万~200万円です。

地盤調査の結果、建物の構造に対して地盤が軟弱だと判明した場合は、地盤改良工事が必要です。

改良工法は地盤の状態や建物の構造に応じて選択され、「表層改良工法」「柱状改良工法」「小口径鋼管杭工法」などがあります。

改良工事の費用は工法や範囲によって大きく異なり、地盤が良好で改良工事が不要なケースもあります。軽微な表層改良であれば50万円程度で済み、大規模な改良が必要な場合は200万円以上かかることもあるでしょう。

解体工事費

解体工事費の相場は120万~300万円です。

解体費用は「坪単価×延べ床面積」で概算できます。解体工事の坪単価は建物の構造によって大きく変わり、それぞれの工法における坪単価のめやすは以下の表の通りです。

標準的な30坪程度の一軒家の解体費用は、木造なら120万円~180万円、鉄骨造なら150万円~240万円、鉄筋コンクリート造なら240万円~300万円が相場となるでしょう。

構造坪単価相場
木造4万〜6万円
鉄骨造5万〜8万円
鉄筋コンクリート造8万〜10万円
解体工事費用の相場のめやす

解体費用には建物本体の廃棄物処理費用や解体後の整地費用が含まれますが、アスベストの撤去処分など、特別な工事が発生すると追加の費用がかかります。

敷地内に門や塀、駐車場、庭木や盛り土などがある場合には、それらの取り壊し費用も必要です。

諸費用

家の建て替えでは、新築工事や解体工事以外にも様々な費用が発生します。以下に主要な諸費用をまとめました。

測量費

測量費の相場は、10万〜30万円です。

建て替えにあたり、既存の測量図が古い場合や境界が不明確な場合には、あらためて正確な測量が必要になります。測量の費用は測量すべき内容や敷地の形状などによって変わります。

>>建て替えの際の測量についてはこの記事を確認!

税金

家の建て替えにかかる税金の合計額のめやすは10万~80万円です。

印紙税は工事や住宅ローンの契約書に貼付する印紙代で、契約金額に応じて変わります。不動産取得税は新築家屋に課税され、住宅の場合は軽減措置があります。登録免許税は新しい建物の登記時に必要な税金です。

このほかに、家を建てた翌年から毎年、固定資産税と都市計画税がかかることも覚えておきましょう。

税金の種類概算
印紙税(工事請負契約・住宅ローン契約)3万〜9万円
不動産取得税 (評価額-控除1200万円)×3%0〜60万円
登録免許税5万〜10万円
家を建て替える際に必要な税金

登記費用

登記費用の相場は約20万円です。

住宅の建て替えには以下の登記が必要です。

  • 建物滅失登記(既存建物を解体した際に必要な登記)
  • 建物表題登記(新築建物の内容を示す登記)
  • 所有権保存登記(建物の所有権を確定する登記)
  • 抵当権設定登記(住宅ローンの担保設定に必要な登記)

建物の登記は土地家屋調査士や司法書士に依頼しますが、多くの場合、金融機関や工務店がこれらの手続きを代行してくれます。

引越し・仮住まい費用

引越し・仮住まい費用のめやすは100万~150万円です。

家を建て替える際には、解体から工事完成まで6〜8か月程度の仮住まいが必要です。

仮住まいの家賃や引越し費用は、地域や家族構成によって大きく異なります。たとえば、月10万円の賃貸物件に8ヶ月住む場合、家賃だけで80万円かかります。これに敷金・礼金や手数料、2回分の引越し費用を加えると、150万円以上の費用が必要になることも珍しくありません。

家具・備品の購入費用

家の建て替えにともなう家具・備品の購入費用のめやすは100万~300万円です。

新築の家に合わせて、新しい家具や電化製品を購入することも多いでしょう。必要な家具や電化製品は家族構成や生活スタイルによって異なりますが、既存の家具や電化製品を活用することで、これらの費用を抑えることもできます。

30坪の建て替え費用シミュレーション

30坪(約100㎡)の住宅は、4人家族が快適に暮らせる一般的な広さです。この規模の住宅を建て替える場合の費用シミュレーションを見てみましょう。

項目費用
本体工事費
(坪単価 約80万円+消費税)
2700万円
付帯工事費
(外構工事・上下水道・エアコン・照明器具など)
300万円
設計監理費150万円
地盤調査・改良費100万円
解体工事費150万円
諸費用
(税金・登記・仮住まい・備品など)
400万円
合計3800万円
30坪の建て替え費用例

これはあくまで標準的な例であり、高性能住宅や、デザイン性・自由度の高い注文住宅を選択すると、より高額になることもあります。

また、地域によっても費用は大きく異なります。都市部では各種工事の単価が高く、土地の形状や周辺環境による制約も多いため、工事費が割高になる傾向があります。

一方、地方では比較的安価に建てられることが多いでしょう。

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家の建て替えとリフォーム、どちらを選ぶべき?

家の老朽化や生活スタイルの変化に伴い、住まいの改善を検討する際、「建て替え」か「リフォーム」かの選択に悩まれている方も多いでしょう。

両者にはそれぞれメリット・デメリットがあり、費用や工期、実現できる性能など、さまざまな観点から比較検討が必要です。ここでは、建て替えとリフォームの特徴を詳しく解説します。

建て替えが良いケースとは?

建て替えは、新しい家を一から作り上げるため制約が少なく、理想の住まいを実現しやすいというメリットがあります。以下に、建て替えが向いているケースについて解説します。

老朽化が激しいとき

築年数が50年を超えていたり、雨漏りや傾き、シロアリ被害が深刻な場合は建て替えが望ましいでしょう。

このような古い家を抜本的なリフォームで改善すると、新築に近い費用がかかってしまう場合もあります。

また、耐震基準を満たしていない古い家の場合、リフォームよりも建て替えの方が安全性を確保しやすいでしょう。

特に1981年以前に建てられた家は、現在の耐震基準を満たしていない可能性が高いため、建て替えを強くおすすめします。

間取りやデザインを一新したいとき

家族構成の変化や生活スタイルの変更に合わせて、間取りを大幅に変更したい場合は建て替えが適しています。

リフォームでも間取りの変更は可能ですが、構造上の制約があるため、自由度は建て替えの方がはるかに高くなります。

また、外観デザインを現代的なものに変更したい場合も、建て替えの方が理想を実現しやすいでしょう。

耐震性や断熱性にこだわりたいとき

最新の建築技術を活用して、高い性能を実現したい場合は、建て替えをおすすめします。

耐震等級2以上や、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のような高性能住宅を目指す場合は、リフォームでは技術的にも費用的にも難しいことが多いでしょう。

長く住み続けたいとき

若い世代や、次の世代に家を譲りたいと考えている場合は、建て替えの方がメリットが大きいでしょう。

古い家をリフォームしても基礎や構造部分の劣化は避けられないため、寿命を伸ばすには限界があります。新築であれば、最新の設備や性能を備えた家で、将来にわたり長く快適に暮らせるでしょう。

また、光熱費や将来のメンテナンス費用も新築の方が抑えられる傾向にあります。

リフォームが良いケースとは?

リフォームは、既存の家を活かしながら必要な部分だけを改修する方法です。

建て替えに比べて費用や工期を抑えられるのが大きなメリットです。ここでは、小規模な増築をともなうケースもリフォームの一種として解説します。

>>リフォーム・リノベーションはこちらの記事で紹介!

費用を抑えたいとき

建て替えの費用が捻出できない場合、リフォームは有効な選択肢です。

例えば、水回りの設備更新や内装の刷新だけでも、住み心地を大きく改善できます。

部分的なリフォームであれば、数百万円程度で実施可能です。床面積や部屋数が足りない場合には、小規模な増築を行う方法もあるでしょう。

ただし、大規模なリフォームの場合は建て替えに近い費用がかかることもあり、新築と費用対効果を比較して慎重に検討することが大切です。

工期を短くしたいとき

仕事の都合や家族の事情で、長期間の仮住まいが難しい場合はリフォームが適しています。

部分的なリフォームであれば、数週間から1〜2ヶ月程度で完了することも可能です。

また、リフォームの場合は居住しながらの工事も可能な場合があります。例えば、1階と2階を分けて順番にリフォームするなど、工夫次第で生活への影響を最小限に抑えられます。

法令により再建築できないとき

再建築不可物件や、建て替えると大幅に床面積が減少する場合には、リフォームが唯一の選択肢となることがあります。

たとえば、現在の建築基準法では必要な接道条件を満たしていない場合などが該当します。

このような場合にも、既存不適格建築物として現状の維持が認められるため、リフォームで住環境を改善することが最善の方法となります。

ただし、大規模な改修や増築は認められないケースもあるため注意が必要です。

思い入れのある家を残したいとき

古民家などの歴史的・文化的価値のある建物や、思い出が詰まった実家を残したい場合にも、リフォームが適しています。

建物の外観や骨組みを活かしながら、内部を現代的に改修することで、古き良き雰囲気と快適さを両立できます。

特に、伝統的な日本家屋や職人技が光る古い建物の場合、リフォームによって価値を高められる可能性があります。

ただし、古い建物のリフォームは工事の難易度が高いため、経験豊富な業者に依頼することが大切です。

家の建て替えの流れや費用を支払う時期とは?

家の建て替えは計画から完成まで長期間にわたり、さまざまな手続きが必要です。主な流れと費用の支払い時期を見ていきましょう。

段階主な内容と支払い時期
1 プラン作成・見積り・契約設計費の一部
2 詳細設計・建築確認申請設計費・工事費の一部(工事費の10%〜)
3 ローン申し込み・引っ越し・仮住まい引越し・仮住まい費
4 解体工事解体工事費
5 新築工事新築工事費(着工時・中間金の分割払い)
6 引き渡し・登記・引っ越し工事費の残金支払い・登記費・税金・引越し費

1 プラン作成・見積もり・契約

まず、複数の工務店やハウスメーカー、設計事務所などに相談し、プランや見積もりを比較検討します。

この段階では基本的に費用はかかりませんが、工務店とは別に設計事務所へ設計を依頼する場合は、設計費用の一部前払い金が発生します。

プランが決まり契約を交わす際に、契約金や設計費の名目で工事費の5〜10%程度を支払うことが一般的です。

2 詳細設計・建築確認申請

契約後、詳細な設計図面の作成や建築確認申請の手続きが行われます。

設計事務所に依頼している場合は、この段階で設計費用の残りを支払うことが多いです。

建築確認申請の手数料(納付金)は自治体によって異なりますが、一般的な住宅であれば2万円程度です。これは施主が直接支払うか、工事費用に含まれる場合もあります。

また敷地境界が不明確な場合には、詳細な設計を開始する前に測量が必要です。

3 ローン申し込み・引越し・仮住まい

建築確認申請と並行して、住宅ローンの申し込み手続きを進めます。ローンの審査には建築確認済証や工事請負契約書が必要になります。

また、解体工事が始まる前に引っ越しを済ませ、仮住まいに移る必要があります。仮住まいの家賃や引越し費用は、この時点で発生します。

4 解体工事

既存の建物を解体する工事が行われます。解体工事費は通常、工事完了後に支払います。

ただし、解体を別の業者に依頼する場合は、解体前に費用の一部を支払うこともあります。

5 新築工事

いよいよ新しい家の建築が始まります。工事費用は通常、工事の進捗に応じて分割で支払います。

一例としては、着工時20%、上棟時40%、完成時40%などです。

金融機関には、ローンの申し込みの段階で支払い時期と金額を確認しておく必要があります。

6 引き渡し・登記・引越し

工事が完了したら、完成検査を経て、家の引き渡しが行われます。

この時点で残りの工事費用を支払います。また、新しい建物の登記手続きも必要です。

登記は工事完了の1ヶ月程度前には手続きを依頼しましょう。引越し費用や税金、新しい家具・家電の購入費用もこの時点で発生します。

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家の建て替えで注意すべき確認ポイントとは?

家の建て替えを検討する際、費用面以外にも重要な確認ポイントがあります。見落としがちな点をいくつか紹介します。

再建築不可物件に注意する

建築基準法により、古い建物の中には現在の法律では建て替えができないものがあります。特に注意が必要なのは、道路に接していない土地(無接道地)です。

建築基準法では、建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上の長さで接していることが必要です。古い建物の中には、この条件を満たしていないものがあります。そのような場合、建て替えが認められず、増築や大規模な改修工事もできない可能性があります。

また、市街化調整区域内の古い建物も、建て替えに制限がかかることがあります。これらの地域では、農地の保全や無秩序な市街化を防ぐため、新築や建て替えに厳しい制限が設けられています。

建て替えを検討する前に、必ず土地の接道状況や用途地域を確認しましょう。不安な点があれば、地元の建築指導課に相談することをおすすめします。

容積率や建蔽率、高さ制限に注意する

建て替える際は、現在の建築基準法に基づくさまざまな制限を受けます。特に注意が必要なのは、容積率、建蔽率(けんぺいりつ)、高さ制限です。

容積率は、敷地面積に対する延べ床面積の割合を制限するものです。建蔽率は、敷地面積に対する建築面積の割合を制限します。法改正や都市計画の変更により、現在の家よりも小さな家しか建てられない可能性があるのです。

また、地域によっては厳しい高さ制限が設けられていることがあります。住環境を保護するための高度地区や日影規制が新たに設定された地域では、現在の家よりも低い建物しか建てられないケースもあるでしょう。

これらの制限は地域によって大きく異なり、複雑な法解釈と詳細な検討が必要です。建て替えを検討する際は必ず、建築士や工務店などの専門家に依頼して確認しましょう。

土地・建物の名義が誰になっているかを確認する

建て替えを行う際は、土地と建物の名義を確認することが重要です。特に親から相続した家の場合、名義変更が行われていないケースがあります。

解体工事を行う際は、建物の所有者の同意が必要です。建物の名義が故人のままだと、解体の手続きが複雑になる可能性があります。

また、住宅ローンを組む場合、土地の所有者がローンの借り主になるか、担保提供者や保証人になってもらうことが必要です。

名義の変更を行う場合には、手続きに時間がかかることがあるため、早めに対応を行いましょう。

無理のない資金計画を立てる

家の建て替えには多額の費用がかかるため、慎重な資金計画が必要です。一般的に、年収の5倍程度が住宅ローンの借入限度額のめやすとされています。

たとえば、年収600万円の場合、借入可能額のめやすは3,000万円程度です。ただし、これはあくまでめやすであり、他の借入金の有無や、将来の収入の見通しなども考慮する必要があります。

また、返済期間中の金利の変動や、予期せぬ収入の減少などのリスクも考慮しましょう。返済額が手取り収入の25%を超えないようにするのが一般的です。

無理のない返済計画を立てるためには、ファイナンシャルプランナーや住宅ローンの専門家に相談することをおすすめします。

家の建て替え費用を抑えるためのポイントとは?

家の建て替えは大きな出費をともない、近年の価格高騰の影響も大きく受けていますが、いくつかの工夫をすることで費用を抑えられます。ここでは、建て替え費用を抑えるための主なポイントを紹介します。

床面積を小さくする

家の建築費用は「床面積×坪単価」として概算できます。

費用は床面積に比例して増加するため、まずは床面積を小さくすることが最も効果的な費用削減方法です。例えば、30坪の家を25坪にすることで、数百万円の費用削減が可能です。

空間のつながりを重視したり、部屋の用途を兼用するなど、間取りの工夫によって床面積を減らすことはできます。

快適な生活に必要な最低限の広さは確保する必要があるため、将来の家族構成の変化も考慮しながら、適切な広さを検討しましょう。

シンプルな間取りやデザインにする

建築費用のもうひとつの要素である「坪単価」はさまざまな条件によって決まります。

複雑な間取りや凝ったデザインは、坪単価を押し上げる大きな要因です。例えば、複雑な屋根、凹凸の多い外壁や不規則な形状の部屋などは、材料費と工事費の両方を増加させます。

シンプルな箱型の家は、最も建築コストを抑えられます。また、ワンルームに近い間取りにすることで、内装工事の費用も抑えられるでしょう。デザイン性にこだわりたい場合は、欲張らずにワンポイントでアクセントを付けるのがよい方法です。

標準的な設備や建材を選ぶ

高級な設備や特注の建材は、坪単価を大きく押し上げます。標準的な規格品や量産品を選ぶことで、費用の削減が可能です。

たとえば、キッチンやバスルームは、メーカーで売れ筋の標準モデルを選択します。フローリングや壁紙などは一般的な製品を選び、収納や階段などの造作も特注を避けることが費用の削減につながります。

外構工事を最小限にする

外構工事は、予想以上に高額になることがあります。特に、広い駐車場や凝った門扉、本格的な庭園などは、数百万円の費用がかかることも珍しくありません。

費用を抑えるには、当初の生活に必要な最小限の外構にとどめるよう工夫しましょう。たとえば、駐車スペースは砂利敷きにする、塀や門扉を省略する、庭は自分で少しずつ整備していくなどの方法があります。

解体工事前に家財道具を処分しておく

解体工事の費用は、家の中に残っている家財道具の量によって大きく変わります。

解体業者に家財道具の処分を依頼すると、高額な追加費用がかかってしまうのです。

このため、解体工事の前に、家財道具をなるべく自分で処分しておきましょう。不要品は自治体の粗大ごみ収集を利用したり、リサイクルショップに持ち込むことで、解体費用を抑えられます。

建て替え時期は閑散期を選ぶ

建築業界にも繁忙期と閑散期があります。

一般的に3月や9月の完成予定では引越しや決算シーズンで建築需要が高まるため、工事費用が高くなる傾向があります。

一方、冬場や夏場は比較的需要が落ち着くため、工事費用を抑えられる可能性もあるでしょう。

また、年度末や年末など、工務店が受注を欲しがる時期をねらうのも一つの方法です。

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家の建て替えに使える補助金や減税はある?

家の建て替えには様々な補助金や減税制度があり、うまく活用することで費用負担を軽減できます。

これらの補助金や減税制度は、毎年のように内容が変更されるため、常に最新の情報を確認しましょう。以下に主な制度を紹介しますので、参考にしてください。

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に適用される所得税の控除制度です。

2024年時点では、住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除できます。

省エネ基準を満たしている新築住宅でローン残高の上限が4,000万円の場合、控除額の上限は年間最大28万円で、13年間で最大364万円の減税を受けられる可能性があります。

ただし、所得税額を上限とするため、所得が少ない場合は控除しきれない場合があることに注意してください。

ZEH補助金

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を満たす住宅を建てる場合、国や地方自治体から補助金が受けられる場合があります。

ZEHは、高断熱化と高効率設備により、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅です。

補助金額は年度や地域によって異なりますが、最大100万円の補助が受けられます。

ただし、ZEH基準を満たすためには追加の工事費用が必要なため、トータルでの費用対効果を考慮する必要があるでしょう。

地方自治体独自の助成制度

地方自治体によっては、住宅の建築について独自の助成制度を設けていることがあります。

たとえば、以下のような制度が挙げられます。

  • 移住支援:地方への移住を促進するための助成金
  • 子育て支援:子育て世帯向けの住宅建築助成
  • 省エネ住宅支援:省エネ性能の高い住宅への助成
  • 耐震化支援:耐震性能を向上させる建て替えへの助成
  • 緑化推進:庭や屋上緑化を行う場合の助成

これらの制度は地域によって異なるため、お住まいの自治体のホームページで確認するか、直接問い合わせることをおすすめします。

贈与税の非課税措置

親や祖父母からの住宅取得資金の贈与に対して、一定額まで贈与税が非課税となる制度があります。

2024年時点では、省エネ性能の高い住宅の場合、最大1,000万円まで非課税となります。

ただし、贈与者や受贈者の年齢制限があるなど細かな条件があるため、詳しくは自治体や税理士にご相談ください。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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