2023年12月15日更新

監修記事

木造二階建てを解体する際にかかる費用は?安く抑えるコツや補助金も解説

建て替えのために木造二階建ての家を解体したいが、費用について気になるという方もいるのではないでしょうか。国や自治体の補助金などを有効活用して解体費用を抑えましょう。ここでは補助金の事例や費用を抑えるコツなどについて解説していきます。

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木造二階建ての家を解体する際の費用相場

木造二階建ての家を解体する際の費用相場について見ていきます。

木造二階建ての解体にかかる費用の平均相場

家の解体費用は建物の構造によって変動します。

木造の解体にかかる1坪あたりの平均単価は約3万円〜約4万円です。

木造二階建ての家を解体する場合、大まかな解体費用は家の延べ床面積と上記の平均単価を掛け合わせることで求めることができます。

延べ床面積は家の床面積の合計のことで、例えば1階が20坪、2階が20坪の場合、延べ床面積は40坪です。

延べ床面積が40坪の解体費用は約120万円〜約160万円が費用相場です。

この費用は家自体の解体にかかる費用のため、家以外にもブロック塀やカーポートなども解体する場合には、追加で費用がかかってきます。

足場や産廃処理等の解体に伴う基本的な費用も必要になります。

地域や条件によって費用は変動する

建物の構造や広さ以外にも、地域によっても解体費用は変動します。

都心部と地方を比べると、物価の高い都心部の方が人件費が高く、工事中に利用する駐車場代などの維持費も費用が高めに設定されています。

そのため、解体費用自体も費用が高くなる傾向にあるのです。

また、解体工事を行うと、解体によって出た廃棄物を廃棄物処理場に運ぶ必要も出てきます。

都心部の処理費用は他地域に比べて高くなっています。

廃棄物処理場から遠い地域の場合にはその分運搬費用と人件費がかかるため、解体費用に影響してきます。

木造二階建ての家を解体する際の費用の内訳

解体費用の詳しい内訳について見ていきましょう。

本体工事費

本体工事費 約3万円〜約4万円/坪

建物本体を解体するための工事です。

主に、作業員の人件費になります。

本体工事費は、解体費用全体の約3割〜約4割を占めています。

工事内容は内装解体、屋根解体、外壁除去、基礎解体に大きく分けることができます。

本体工事費は建物の構造や広さ、地域や立地などによって変動してきます。

付帯工事費

樹木や庭木の撤去 約1万円〜約5万円/本
ブロック塀の撤去 約2000円〜約3000円/㎡
門扉や倉庫の撤去 約2万円/個
残置物の処分 約2万円/t

付帯工事費は、建物以外に解体や撤去が必要になる際にかかる費用です。

ブロック塀やカーポート、倉庫、井戸などが具体的な例として挙げられます。

家の中の残置物の撤去などもこの付帯工事費に含まれます。

費用をなるべく抑えたい場合は、家の家具・家電などはなるべく自分で処分しておくようにしましょう。

養生費

養生費 約500円〜約1000円/㎡

近隣へ迷惑をかけずに、安全に工事を行うために大切なのが養生作業です。

工事場所の周辺状況や業者によっても費用は変動しますが、解体費用全体の約1割〜約2割を占めています。

具体的な作業内容としては、解体現場周辺をシートで覆ったり、水や鉄板などを使用してホコリや粉塵が飛散するのを防ぎます。

養生作業に使われる養生シートは、解体時の作業音などを抑える効果もあり、解体工事には必要不可欠です。

廃棄物処分費

廃棄物処分費 約3000円〜約8000円/㎥

廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分けることができます。

解体工事にともなって排出される、木くず、金属くず、ガラス、コンクリート、石膏ボードなどには産業廃棄物として、処分費用がかかります。

廃棄物処分費用は、解体費用全体のうち約4割〜約5割と、本体工事費に次いで大きな割合を占めています。

廃棄物を運搬し、中間処理会社が処理し、最終処理場へ運搬するという多くの工程が必要なため費用が高くなるのです。

整地費

整地費 約1000円〜約2000円/㎡

整地費は解体費用全体のうち約1割を占める費用です。

家を解体した後に土地を綺麗に平らにする作業のことです。

土地を綺麗に整地しておくことで、建て替え工事や土地の売却などもスムーズに行うことができます。

大きな段差を平らにならす場合や、地盤の改良が必要なケースなどでは費用が高額になることもあります。

重機回送費

重機回送費 約3万円〜約5万円

解体工事では、ほとんどの場合重機で取り壊しますが、その重機を現場まで運搬するためにかかる費用などが重機回送費です。

重機回送費に含まれる項目は業者によってそれぞれ異なり、廃棄物を処分場まで運んでいく車両のガソリン代などもここに含む業者もいます。

金額としては約3万円〜約5万円が一般的ですが、現場までの距離などによっても費用は変動します。

諸費用

諸費用は、解体工事をするにあたって生じる事務費など細かい費用になります。

相場としては解体費用全体の約1割です。

何を諸経費に含むかは業者によって異なりますが、以下のような項目を含む場合が多いです。

  • 近隣への挨拶に伺う際の粗品の代金
  • 工事車両を近隣の駐車場に止める場合の駐車場代
  • 各種届出や手続きを行うための費用
  • トラブルや追加費用に前もって備える準備費用

首都圏では駐車場代が高額になるケースが多いため、見積もりの際などに十分確認しておきましょう。

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木造二階建ての家の解体費用が変動する要素

家の解体費用はどのような場合に高くなるかについて見ていきます。

立地条件

家の立地条件によっても解体費用は変動します。

例えば、敷地状に電線が張ってあり重機がぶつかってしまうような立地や傾斜地、旗竿地などの変形立地に家が建っている場合には費用が高くなる傾向にあります。

また、人や車の往来が激しいような道路に面している場合には、安全面への配慮などからガードマンなどの配置が必要になります。

その場合には、人数に応じた人件費が発生することになるでしょう。

現場の間口が狭い場合

解体工事では重機などを使い建物を取り壊していきます。

現場の間口などが狭く、大型の重機が使用できない場合には、手作業で進めていく必要が出てきます。

そうなるとその分工期は長くなり、人件費もかかってきてしまうため、工事費用が高くなる傾向にあります。

隣地との距離が近い場合

隣地との距離が近い場合なども、重機を使うことができず費用が高くなりがちです。

重機は解体の時だけでなく、工事で発生したゴミや廃棄物を大型トラックを利用して搬出する廃材の運搬の際にも活躍します。

重機が入っていけないと、廃材の運搬にも人手を要することになり、人件費と時間がかかってしまうのです。

駐車スペースがない場合

解体工事を行う場合には、基本的に現場近くに重機やトラックを通車させて作業を行います。

しかし、現場に駐車スペースがない場合には、近隣の有料駐車場などを利用して車両を駐車することになります。

その際に発生する駐車料金は基本的に施主の負担となるため、これも解体費用が高くなる要因の一つになります。

解体費用を変動させる要因は建物だけでなく、現場の周辺の状況や環境も大きく影響してくるという点を覚えておきましょう。

家以外に解体・撤去するものがある場合

家以外に解体・撤去するものがある、いわゆる付帯工事がどれくらいあるかも解体費用を変動させる大きな要因です。

倉庫を別で所持していたり、家周りの工作物や家の中に不用品や処分しなくてはならないものを多く残していると、その分の作業費が発生し、人件費が高くなります。

また、建物を解体していると解体後の地中から以前の解体工事の廃材や場合によっては井戸や浄化槽などが見つかることがあります。

地盤が弱い建物は地中杭が打たれていることもあり、これも地中埋設物の一つです。

地中埋設物が見つかった場合には、基本的に施主の責任で処分しなければなりません。

地中埋設物の有無は工事前では分からないケースもあるため、発覚した時点で追加費用として加算されることになるでしょう。

アスベスト除去費用

アスベストは有害性があるため、現在では使用することが禁止されています。

しかし、古くに建てられた建物の場合にはアスベストが使用されていることがあるのです。

その場合、アスベストの除去には専門的な知識や技術が必要なため、費用が高額になります。

アスベストがどこに使われているのか、使用されている量によっても費用は変動してきます。

木造二階建ての家の解体費用を安く抑えるコツ

解体費用をなるべく安く抑えるためのコツについてご紹介していきます。

自分で処分できるものは処分しておく

解体費用を抑えるためには、できる限り自分で処分できるものは処分しておくようにしましょう。

上述したとおり、不用品などが家の中に残っているほど追加で費用がかかってきてしまいます。

また、庭にある石や木なども自分たちができる範囲で、処分を進めておくといいでしょう。

雑草などの処理も、可能な限り鎌や電装芝刈り機などで刈り取っておくことをおすすめします。

雑草自体が茂っていなければ、除草剤などでも除去することができます。

解体専門業者に直接依頼する

工務店やハウスメーカー経由で解体業者を探してもらうと、その分中間マージンが発生し費用が高くなってしまいます。

業者探しを依頼することで手間を省くことはできますが、費用がかかる点はデメリットと言えます。

費用を少しでも安く抑えたい場合は、自分で解体業者に依頼しましょう。

「建物滅失登記」の手続きを自分で行う

建物滅失登記は、建物の解体などを行った際にその事実を登記する手続きのことです。

建物滅失登記は法務局に行って申請を行いますが、土地家屋調査士に依頼することもできます。

土地家屋調査に依頼するとなると手数料として約4万円〜約5万円ほどかかるため、この手続きを自分で行うことでその分の費用を抑えることができます。

法務局の混雑状況などによっても変動しますが、書類を提出してから約1週間で登記完了証が発行されます。

補助金が利用できるか確認する

補助金を利用することで解体費用を安く抑えることができます。

補助金は国や自治体が提供していますが、最大で3分の2まで支給される補助金制度もあります。

補助金制度によって対象の工事や工事の目的、補助金額などは異なってきます。

自分の条件に合う補助金制度があるかを調べ、有効活用しましょう。

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家を解体する際に利用できる補助金・助成金の事例

解体工事をする際には、自治体によって補助金が設定されていることがあります。

これらを有効活用して解体費用を抑えていきましょう。

ここでは実際の補助金や助成金の事例をご紹介していきます。

補助金と助成金の違い

補助金と助成金は、どちらも申請すると国や地方公共団体などから支給されるお金のことです。

この2つの違いは、まず補助金は予算が決まっていて最大何件という決まりがあるため、申請しても抽選や先着順になるなど、通らない可能性もあります。

一方で助成金は、受け取るための条件が決まっているので、それを満たしていればほぼ支給されます。

注意が必要なのは、補助金や助成金という言葉は必ずしも明確に区別されているわけではないという点です。

助成金の中には補助金の色合いが強いものもあったりするため、必ず条件等をよく確認するようにしてください。

空き家の解体工事に利用できる補助金・助成金事例

秩父市「空き家解体補助金」

秩父市では空き家の解体にかかる費用に対して最大30万円を支給しています。

支給金額は空き家の解体にかかる費用の3分の1で、秩父市内の業者が施工した場合は30万円、秩父市外の業者が施工した場合は20万円が上限です。

申請を行うためには、

  • 特定空き家の勧告を受けていないこと
  • 昭和56年5月31日以前に建てられた戸建て住宅であること
  • 1年以上使用していないこと
  • 市税の滞納がないこと
  • 指定の業者に依頼すること

などの条件を満たす必要があります。

江戸川区「老朽住宅除却工事助成制度」

江戸川区では、倒壊危険性の高い住宅の除去や建て替えを促進するための補助金制度が用意されています。

この制度では、対象経費の2分の1、限度額50万円が支給されます。

この助成制度は、

  • 昭和56年5月31日以前に建築された戸建てや共同住宅
  • 耐震コンサルタント派遣による診断を受け、その結果耐震性が不十分と判定された住宅
  • 個人が所有する住宅
  • 耐震改修工事の助成を受けていない住宅

などの条件を満たす必要があります。

春日井市「老朽空き家解体費補助金」

春日井市では、老朽化して倒壊などの恐れがある空き家を解体する場合に利用できる補助金制度があります。

補助金金額は、対象経費の3分の2までで、上限額は20万円です。

適用条件は、

  • 市内にある1年以上使用されていない空き家であること
  • 建築後木造で22年、非木造で47年を経過しているもの
  • 個人が所有するもの
  • 空家特措法による措置命令を受けていないこと

などがあります。

空き家以外で利用できる補助金・助成金事例

東京都足立区「木造住宅の耐震改修工事助成」

足立区では、昭和56年5月以前に建てられた木造住宅などを対象に、耐震のための工事や除却に対して補助金が用意されています。

解体工事の場合には、工事費の2分の1以下、上限50万円です。

助成には以下のような条件があります。

  • 2年以内に足立区の耐震診断助成を受けて実施した耐震診断の結果、補強の必要があると認められたもの
  • 耐震改修工事の助成をすでに受けていないこと
  • 工事の実施前に申請を行うこと

などがあります。

ただし、対象建物が建築基準法に違反していると助成を受けられない場合があります。

新潟県村上市「住宅リフォーム事業補助金」

村上市では、生活環境の向上と地域経済の活性化を目的に、補助金が用意されています。

補助対象工事の20%、上限20万円が補助金額です。

補助を受けるためには、工事費用が25万円以上であること、市内に住民登録をしていて申請する住宅に居住していることなどの条件があります。

また、工事完了後に実績報告などを行うことなども条件に含まれています。

付帯工事に対する補助金・助成金事例

札幌市「札幌市民間建築物吹付けアスベスト対策促進事業」

札幌市では、アスベストの除去などにかかる工事費用の一部を補助する事業を行なっています。

吹付けされた建築材にアスベストが含まれているかどうかの調査も無料で受けることが可能です。

吹付けアスベスト、吹付けロックウールの2つの建材を対象に補助金を工事費用の3分の2、限度額120万円まで受け取ることができます。

申請するためには、対象建築物の所有者であり、市税を滞納していないなどの条件を満たす必要があります。

姫路市「ブロック塀の早期点検・撤去費補助」

姫路市では、危険なブロック塀の撤去などに対して補助金が用意されています。

補助金は対象経費の3分の2、個人住宅の場合には限度額は20万円です。

この補助金を利用するためには、まず各市立小学校が定める通学路に面するブロック塀であること、塀の高さが60㎝以上のものが検査対象となり、次にその検査によってブロック塀の構造基準を満たしていないと判断されることが利用条件となります。

助成金対象になる撤去工事の内容にも制約等があります。

空き家解体の補助金を利用するための条件

空き家解体の補助金を利用するための条件は、自治体や補助金制度によって異なりますが、多くの自治体で共通する点もあります。

腐朽破損レベルが基準値を超えている

腐朽破損レベルとは、倒壊の危険性を示したものです。

空き家でも、特に傷みがないような空き家は補助金などを受け取ることができない場合があります。

基準を超えた腐朽破損レベルであれば、地震などの際に倒壊する危険性が高いため、補助金を受け取ることができる可能性が上がります。

腐朽破損レベルを判断するために、自治体によっては規定の耐震診断などを行う場合もあります。

所得条件を満たしている

補助金を利用するにあたっては所得条件を満たす必要がある場合が多いです。

所得が多い人は、補助金を利用しなくても費用を支払えると判断され、補助金を受け取ることができない可能性があります。

所得に限らず、貯金額や資産なども判断基準に含まれる場合もあるため、財産に余裕のある人は受け取れない可能性もあるということを念頭に入れておきましょう。

税金の支払いを滞納していない

補助金などの財源は、国民が支払っている税金によって賄われています。

税金を滞納している場合は、補助金を受け取ることができません。

たとえ他の条件を満たしていたとしても、税金の支払いに滞納がある場合には補助金を受け取ることはできないでしょう。

空き家であること

空き家解体の補助金の場合には、当然ながら解体する家自体が空き家であることが前提条件となります。

そもそも空き家とは、国土交通省によると1年以上誰も住んでいない状態の住宅をさします。

そのため、ほとんどの自治体では、空き家になってから1年以上使用されていないことなどが条件として含まれています。

現在の耐震基準を満たしていないこと

自治体の補助金を利用するための条件には、昭和56年5月31日以前までに建築された建物であるという条件が設定されていることが多くあります。

これは、昭和56年5月31日までの建築確認において適用されていた耐震基準が旧耐震基準であることが関係してきています。

また、自治体の耐震診断によって耐震性を満たしていないと認められたことなども条件の一つになっていることがあります。

自治体の空き家バンク等に登録されていること

空き家バンクとは空き家物件情報を地方公共団体のホームページ上などで提供する仕組みのことです。

これにより、空き家を売りたい人や貸したい人、空き家を買いたい人や借りたい人をつなげることを目的としています。

補助金制度によってはこの空き家バンクへの登録などが支給条件に含まれていることがあります。

新築工事に伴う解体工事ではないこと

空き家の解体工事に対する補助金制度では、あくまで古い家を取り壊すことを目的としています。

そのため、新築工事を行うための解体は補助金の対象外となることがあります。

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補助金・助成金を利用する際の注意点

補助金・助成金を利用する際に気を付けたい注意点についてご紹介していきます。

必ず受けられる訳ではない

補助金や助成金などは必ず受けられる訳ではありません。

制度ごとにそれぞれ条件、審査があり、支払われる金額や対象となる工事にも違いがあります。

補助金や助成金を受けるためには、必要な手続きをした上で審査に通過しなければなりません。

また、年度によっては制度自体がなくなる場合もあります。

また、制度によっては予算の上限に達するとその時点で打ち切りとなる場合もあるため、必ず受け取れるわけではないということを意識した上で手続きを進めていきましょう。

審査終了まで時間がかかる

解体工事のための補助金や助成金制度のための審査は時間がかかるという点にも注意が必要です。

申請をすると、審査のために自治体の担当者などが状況の確認を行い、場合によっては倒壊の危険性などを知るための診断も行う必要があるため、一定の時間がかかってしまいます。

申請をしてから数週間はかかることが一般的で、場合によっては1カ月以上かかることもあります。

手続きには時間がかかることを考慮して、ゆとりを持って準備していくことが大切です。

補助金・助成金は後払いが多い

補助金や助成金は工事が終わってから支払われることが多いという点にも注意が必要です。

工事が終わり、領収書や証明書などを提出し、その金額をもとに支払う仕組みになっています。

そのため、一旦は自身で全額負担する必要があるため、その点を考慮してお金を用意しておきましょう。

自治体によって条件や金額が異なる

補助金や助成金は各地方自治体で用意されていますが、それぞれ条件や金額は異なり、一律で決まった規定や条件があるわけではありません。

またすべての自治体で補助金制度などが用意されているわけではないという点にも注意が必要です。

まずは自分の住む地域に補助金制度があるのかどうか正確な情報を入手することが大切です。

情報収集の際には、ネットの検索エンジンで「自治体 解体工事 補助金」とキーワードを入力して調べることもできますし、直接自治体に問い合わせるなどして情報を得ましょう。

木造二階建ての家を解体する際に必要な手続き

家を解体する際に必要になる手続きについて見ていきましょう。

解体届

平成14年から施行された建設リサイクル法により、床面積80㎡以上の建築物を壊す際には役所に建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律の申請を行う必要があります。

この届出は工事着工の7日前までに行う必要があります。

手数料は無料ですが、この手続きを行わなかった場合には20万円の罰金が課される可能性もあるため必ず行うようにしましょう。

書類の提出は原則各地域の管轄窓口となっています。

やむを得ない理由で窓口提出ができない場合には、郵送での提出ができるケースもあります。

その他、10㎡以上の建築物の解体において、解体の前日までに建築物除去届を提出する必要があります。

これらの解体に関する届出は施工業者に委任することが一般的ですが、見積もりに含まれているか等のチェックが必要です。

ガス・水道設備撤去届

工事前に取り壊しをする家のガスなどのライフラインを停止しておく必要があります。

解体工事の際にガスが供給されている菅などを重機などで損傷してしまうと、引火や爆発など大事故を引き起こす恐れがあります。

ガス会社に連絡し、解体工事をするための撤去依頼だと伝えておきましょう。

水道に関しては、解体工事中にも使用されることが多く、水道に関しては工事後に停止の手続きを行います。

工事中に使用した水道代に関しては、どちらが支払うのかなどの取り決めを契約の際に確認するようにしましょう。

また、自治体によっては取り壊し前に水道局への届出が必要な場合もあるため注意してください。

電気・電話撤去届

ガスと同様、感電などの事故にならないためにも、工事前に電気の停止と電線の撤去を済ませておくことが大切です。

電力会社に電話をする際には、解体工事を行うための撤去である旨を伝え、遅くても10日前までには連絡しておきましょう。

また、電話の撤去は電気とは別の手続きとなり、電話を契約している通信会社に連絡することになります。

通信会社によっては停止や撤去に時間がかかることがあるため、早めに連絡するようにしましょう。

道路使用許可

家の解体をする際に、道路に一時的に車両を止める場合など交通の安全に支障がでる可能性がある際には道路使用許可申請を、継続して道路を占用する場合には道路占用許可申請を行う必要があります。

工事に関する申請手続きは基本的に解体業者が行いますが、施主としても適切な形で申請が行われているかどうか確認することが大切です。

建物滅失登記

建物滅失登記とは、建物が存在しなくなったことを、法務局の登記簿に登記する手続きのことです。

建物の解体工事をしてから、1カ月以内にこの手続きを行うようにしましょう。

この手続きを行わないと、土地を売却する際に売却できなかったり、固定資産税が課税されたり、10万円の罰金になる可能性もあるため忘れずに行いましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】岩本祐子

atelier comado

岩本 祐子

大学卒業後、建築設計事務所にて主に住宅、公共建築、店舗、マンションの設計に10年以上関わる。
住宅においては、基本設計から監理業務まで一連のフローに携わる。
その後大手インテリア関連企業にて7年間インテリアとリノベーションをメインに業務の幅を広げる。
現在代表をしているatelier comadoでは、インテリアコーディネート、リノベーション、住宅設計をメインに活躍中。

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