2025年01月17日更新

監修記事

戸建て建て替えまでの年数と費用は?日本の住宅寿命が短い理由も解説

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戸建ての建て替え年数

国土交通省が公表した「令和5年度住宅市場動向調査」によると、住み替えや建て替えを行う際の平均居住年数は全国平均で31.5年となっています。

令和元年以降は平均が30年台であることから、多くの人が住み始めてから約30年を目安に建て替えを検討しているのです。

建て替え前の住宅の取得時期では、1985年から1994年が最多となっており、築30年から38年の住宅を建て替えるケースがとくに多いです。

これらのデータから、築30年前後が建て替えを考える際の指標となります。

>>木造住宅の寿命・対応年数はこの記事で紹介!

築30年で建て替えはもったいない?

築30年の住宅は建て替えを検討する時期といえますが、必ずしも「建て替え」が正解ではありません。

築30年でもリフォームや耐震補強によって延命できる場合があります。

とくに外壁や屋根の状態が良好であれば、建て替えよりも費用を抑えた改修工事が有効です。

ただし、耐震基準が旧基準の場合や地盤に問題がある場合は、安全性を考慮して建て替えが適している場合もあります。

戸建てを長持ちさせる方法

戸建て住宅を長持ちさせるには、日常的な手入れと定期的な点検が欠かせません。

外壁や屋根の清掃を定期的に行い、ひび割れやカビを早期に発見することが重要です。

また、雨漏りや基礎の劣化といった問題を早期に修理することで、大規模な修繕を防げます。

専門家による定期点検を受けることで、住宅全体の状態を把握し、劣化を最小限に抑えられます。

日本の住宅寿命が短い理由

日本の住宅寿命は、他国と比べて短いといわれています。

その主な要因としては、以下があげられます。

【日本の住宅寿命が短い理由】

  • 日本国民は新築志向が8割近くいるから
  • 建材の進化がいちじるしく、古い住宅が多いため
  • 地震などの自然災害が多く、他国より劣化が早いから

また、築年数の経過とともに資産価値が下がりやすいことや、修繕やメンテナンスを後回しにしがちな傾向も影響しています。

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戸建ての建て替えを考えるタイミング

戸建て住宅の建て替えを検討するタイミングにはさまざまな要因が関係します。

タイミング
住宅の老朽化がいちじるしいと感じたとき耐震性の低下や設備の故障が増えた場合
ライフスタイルが変わったとき結婚や出産、家族構成の変化により、新たな間取りが必要になる場合。
年齢とともに住みにくいと感じたとき高齢化に伴い、バリアフリー対応住宅への変更が求められる場合。

では、一つずつ詳しく見てみましょう。

1 住宅の老朽化がいちじるしいと感じたとき

住宅が老朽化していると感じた場合、建て替えを検討するタイミングです。

外壁や屋根にひび割れや劣化が見られる場合や、給排水設備の故障が増えている場合は注意が必要です。

また、耐震性の不足が判明した場合、安全性を確保するためにも建て替えが推奨されます。

老朽化の兆候を見逃さず、早めに専門家に相談することが重要です。

ホームインスペクションを利用しよう

ホームインスペクションとは、住宅の状態を専門家が調査・診断するサービスで、「住宅診断」とも呼ばれます。

建物の老朽化は自己判断だと難しいため、このホームインスペクションの利用がおすすめです。

2 ライフスタイルが変わったとき

家族構成の変化も建て替えを考える重要なポイントです。

たとえば、結婚や出産によって部屋数を増やしたい場合や、子どもの独立後にコンパクトな間取りを希望する場合などがあります。

また、在宅勤務の普及により、ワークスペースを確保するために間取りを見直すケースも増えています。

このようなライフスタイルの変化に対応するため、建て替えは有効な選択肢です。

3 年齢とともに住みにくいと感じたとき

年齢を重ねると、これまで快適に過ごせていた住まいを不便に感じることがあります。

段差の多い間取りや狭い通路は、高齢者にとって安全性に欠ける要因となります。

その場合、バリアフリー住宅への変更を目的とした建て替えがおすすめです。

またエレベーターの設置や手すりの追加といった、高齢者向けの配慮が必要な場合もあります。

住宅設備のメンテナンス周期はどのくらい?

設備・箇所メンテナンス周期(目安)
キッチン本体15~20年
– ビルトイン食洗機7~10年
– IHクッキングヒーター10~15年
ユニットバス15~20年
– 浴室乾燥機10~15年
– シャワーヘッド5~10年
トイレ本体20~30年
– 温水洗浄便座6~10年
ガス給湯器10~15年
– エコキュート10~15年
エアコン10~15年
床暖房15~20年
照明器具10~15年
太陽光発電システム20~25年
蓄電池システム10~15年
玄関ドア、窓20~30年
屋根20~30年
外壁15~20年
基礎50年以上
住宅設備のメンテナンス周期

住宅の維持管理には設備や構造の修繕が必要です。

築30年以上の住宅では複数の設備が同時に寿命を迎え、一度に多額の修繕費用が必要になることがあります。

その場合、修繕を繰り返すよりも建て替えを検討する方がお得でしょう。

さらには建て替えにより耐震性能や断熱性能が向上し、ランニングコストを削減も期待できます。

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戸建ての建て替えとリフォームのどちらにすべき?

工事の種類費用相場の目安
リフォーム1,000万~1,800万円
建て替え1,500万~2,300万円

リフォームは築30年未満で構造が劣化していない住宅や、費用を抑えつつ必要な箇所だけ改修したい人におすすめです。

一方、建て替えは築30年以上で広範囲に劣化が見られる住宅や、耐震性・断熱性を高めたい人・間取りや設備を一新したい人におすすめです。

補助金を活用して、資産価値を高めたい方は建て替えを検討するといいでしょう。

リフォームと建て替えの判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。

>>リフォームと建て替えの判断基準はこの記事で紹介!

戸建ての建て替えで注意すべき点

戸建てを建て替える場合、以下の点に注意しましょう。

再建築不可物件に注意】

再建築ができない土地(無接道地や市街化調整区域)は建て替えが制限されるため、接道状況や用途地域を事前に確認しましょう。

容積率・建蔽率・高さ制限の確認】

建築基準法により、現在より小さな家や低い建物しか建てられない場合があります。地域の規制を確認することが大切です。

土地・建物の名義確認】

名義が正しくない場合、解体やローン手続きに支障が出る可能性もあるため、相続手続きが済んでいるか確認しましょう。

無理のない資金計画】

住宅ローンは手取り収入の25%以内を目安に、将来の収入減少リスクも考慮して計画を立てましょう。

    以下で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

    >>建て替えの注意点はこの記事で紹介!

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    戸建ての建て替え手順

    戸建ての建て替え手順は以下の流れで行います。

    【ステップ1】プラン作成・見積り・契約
    【ステップ2】詳細設計・建築確認申請
    【ステップ3】ローン申し込み・引っ越し・仮住まい
    【ステップ4】解体工事
    【ステップ5】新築工事
    【ステップ6】引き渡し

    費用の発生時期などの詳細は以下にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

    >>建て替えの流れはこの記事でチェック!
    >>家の着工から完成までの流れはこの記事でチェック!

    戸建ての建て替え年数 Q&A

    建て替えがもったいないといわれるのはなぜ?

    建て替えが「もったいない」とされる主な理由は、費用や手間が大きいためです。

    さらに法令の改正によって建て替え時に従来の床面積が確保できず、建物を縮小せざるを得ないケースもあります。

    建築基準法の改正は建て替えにどのような影響を与えますか

    容積率や高さ制限の変更により、以前と同じ規模の建物が建てられなくなる場合があります。

    また、耐震性能やエネルギー効率の基準が厳格化されることで、費用が増加する可能性もあります。

    >>建て替えに関する建築基準法のルールはこの記事で紹介!

    建て替えにはどのくらいの期間がかかりますか

    戸建て住宅の建て替えには、計画立案から引き渡しまでおよそ10〜15か月程度です。

    計画立案2〜4か月
    契約/準備3〜4か月
    解体工事1週間〜1か月
    建築工事4〜6か月
    建て替え期間の目安

    >>着工から完成までの流れはこの記事で紹介!

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    建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

    ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

    実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。

    そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

    この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!

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    一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

    後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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    この記事の監修者プロフィール

    【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

    タクトホームコンサルティングサービス

    亀田融

    一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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