2025年01月17日更新

監修記事

木造住宅の建て替え時期はいつ?寿命や建て替えのタイミング、耐用年数の考え方を解説!

木造住宅はメンテナンス次第で100年住めると言われています。ただ、どれだけ長い寿命の木造住宅であっても、定期的なメンテナンスは欠かせません。
本記事では、木造住宅の耐用年数や寿命、劣化しやすい箇所、建て替え時期を伸ばすポイントについて詳しく紹介します。

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木造住宅の法定耐用年数は「22年」

法定耐用年数とは、減価償却時に使用・目安とされる年数のことです。

木造住宅の法定耐用年数は、国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」によると、22年と明記されています。

しかし、法定耐用年数とは資産価値を算定するための年数であるため、実際に住み続けられる年数とは異なります。

木造住宅の耐用年数の考え方

耐用年数は、以下の4種類に分類されます。

耐用年数概要
法定耐用年数・法律で建物の減価償却をするために定められた耐用年数のこと。

・資産価値を算定するための年数であり、住宅ローン審査などでも活用されている。
物理的耐用年数・建物に使用されている構造材などの劣化を図る耐用年数のこと。

・木材の種類やメンテナンス状況によって変動する。
期待耐用年数・維持管理で使用可能な範囲を明らかにした耐用年数のこと。

・消費者の購買意欲を高めることが狙いになる。
経済耐用年数・市場価値がどれくらいあるのかを明らかにするための耐用年数のこと。

・市場で売買される際の建物価値として見られる。
木造住宅の耐用年数の考え方

耐用年数には法税上使用される耐用年数があったり、現状の建物価値を示す耐用年数があったりなど、目的別に使用されます。

建物の建て替え時だけでなく、売買時や貸し出し時にも目安の年数になるため、一通り確認しておきましょう。

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木造住宅の寿命はメンテナンス次第で変わる!

近年、住宅性能基準や耐震性基準などは法改正により、厳しくなり続けています。

実際に国土交通省の資料によると、以下の建て替え時期が目安とされています。

基準建て替え時期
フラット35基準の木造住宅50年~60年
劣化対策等級3の木造住宅75年~90年
長期優良住宅認定の木造住宅100年超
参照:国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について

高い住宅性能で建て替える場合、建て替えにかかる建築費用が高くなります。

初期コストは高くなるものの長く住み続けられるため、損をするわけではありません。

注文住宅以外にも、ハウスメーカーなどで100年住宅と謳われた木造住宅が登場しています。

規格住宅になるため自由度は低くなるものの、低コストで建て替えが可能になります。

木造住宅の建て替えを考える考える判断基準・劣化症状

木造住宅の建て替えを考える判断基準・劣化症状は、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 住宅の老朽化が著しいと感じたとき
  • ライフスタイルが変化したとき
  • 年齢とともに住みにくいと感じたとき

木造住宅は外壁や屋根の外的要因、住宅設備の長期的使用により、経年劣化しやすいです。

ライフスタイルや年齢によっては、住まいを変化させたいと考える場合も少なくありません。

これらも、建て替えの判断基準・劣化症状の目安として考えるのが良いでしょう。

>>家の建て替えのタイミング・判断基準はこの記事で紹介!

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木造住宅の劣化しやすい箇所はどこ?

木造住宅では外周部の屋根や外壁、室内の天井や床、水回りが劣化しやすい箇所に挙げられます。

ここからは、木造住宅の劣化症状を詳しく紹介していきます。

屋根の劣化症状

  • 雨漏りの発生
  • ひび割れ・ずれ
  • カビの発生
  • 色あせや変色の発生

屋根は、雨や雪などの外的要因にさらされやすい箇所です。

経年劣化しやすいため、雨漏りの発生や色あせなどの劣化症状が発生します。

屋根は普段目につかない箇所なので、劣化に気付かず進行している場合がほとんどです。

劣化の進行が進んでいる場合、メンテナンスではなく屋根の取替えが必要です。

外壁の劣化症状

  • カビやコケの発生
  • ひび割れや剥れの発生
  • チョーキングの発生
  • 色あせの発生

外壁も屋根同様、外部にさらされている箇所です。

紫外線や雨風からの影響を受けやすいため、さまざまな劣化症状が発生します。

手で触った際に白い粉が手に付くような状態(チョーキング現象)のときは、外壁材の劣化がスタートしている目安になります。

外壁の状態を確かめるためにも、定期的に目視と手で触れて確認しておきましょう。

天井の劣化症状

  • シミが発生する
  • クロスが剥がれる
  • 天井材がたわむ
  • 天井に黒い斑点が発生する

天井は人の手が触れづらい箇所です。

劣化が少ない箇所と思われがちですが、屋根材やそのほかの建築材が乗っているため、負荷がかかりやすい箇所にもなります。

天井材がたわんでくると、天井の中身が劣化している恐れもあり、建物の構造に影響を与えます。

天井材を解体し、中身を入れ替える工事が必要になるケースも考えられるでしょう。

床の劣化症状

  • ひび割れや反りの発生
  • 傷や凹みの発生
  • 色あせの発生
  • 沈みの発生

床材は、使用している材料によって劣化症状が異なります。

木造住宅では、フローリングの使用が一般的です。

フローリングのなかにも、無垢フローリングや複合フローリングなどの使用する材料によって耐用年数が変動します。

ひび割れや反りなどの経年劣化が発生した場合、フローリングの貼り替えが必要です。

フローリングの貼り替えは自分では実施できないため、大きな工事のタイミングで実施することが多いです。

水回りの劣化症状

  • 水の流れが悪くなる
  • 蛇口から水が漏れる
  • 外観が古くなる
  • 使い勝手が悪くなる

水回りの劣化は、使用期間10年を超えると、発生しやすくなります。

劣化が酷い場合、交換が必要になり、生活に不自由が生じます。

使用する水回りメーカーによっては、数年~数十年間の保証期間が付いている場合もありますが、劣化状況によっては水回りの入れ替えが必要です。

木造住宅の建て替え時期を伸ばす方法

「建て替え時期を伸ばしたい!」と考える方は、以下の方法を試してみましょう。

  • 定期的にメンテナンスを依頼する
  • 水回りや外周部をこまめに掃除する
  • 間取りが変えやすいプランにする

1つずつ順番に解説します。

定期的にメンテナンスを依頼する

建て替え時期を伸ばしたい方は、経年劣化がしやすい箇所のメンテナンスを定期的に行いましょう。

メンテナンス箇所とメンテナンスの頻度は、以下の通りです。

メンテナンス箇所メンテナンスの頻度
屋根20年~50年
外壁20年~40年
天井(仕上げ張り替え)15年~25年
水回り15年~25年
参照:国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について

木造住宅は高温多湿の環境になりやすいため、害虫が発生しやすいです。

シロアリなどの害虫を放置しておくと、建物全体の劣化になり、建て替えを余儀なくされる可能性も高まります。

水回りや外周部をこまめに掃除する

水回りや外周部は、外的要因や日常の使用によって、経年劣化が発生しやすい箇所です。

こまめに掃除することで、建物の寿命を少しでも伸ばせます。

とくに外周部は雨や風などによって排水機能、防水機能が破損することもあります。

また、ひび割れやずれなどによって室内に雨水が侵入し、雨漏り発生の危険性があるため、掃除に加えてメンテナンスを依頼することも忘れないようにしましょう。

間取りが変えやすいプランにする

あらかじめ間取りが変えやすいプランで建築することで、建て替えではなくリフォームの選択肢が選べます。

リフォームは、建て替えよりも工事個所が少ないため、費用を抑えられます。

また、木造住宅は既存構造体を強化できたり、室内を一新できたりするため、長く気持ちよい状態で住み続けることが可能です。

リフォームの場合は費用の調整も行いやすいため、段階的に工事の内容を決められます。

>>建て替えとリフォームのどちらが適している?判断基準を紹介!

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木造住宅の建て替え時期に関するよくある質問

最後に、木造住宅の建て替え時期に関する、よくある質問にお答えしていきます。

築30年の木造住宅はあと何年住める?

一般的に木造住宅の寿命は30年~60年ほどと言われています。

しかし、定期的なメンテナンス頻度や住宅の性能、住み方によっても劣化の進行状態は変化します。

※古い木造住宅の場合、旧耐震基準で建築されている可能性もあるため、安全性の面から建て替えを検討しましょう。

木造住宅はリフォーム・建て替えのどっちがおすすめ?

木造住宅の建て替え、リフォームの魅力は以下の通りです。

建て替えの魅力
リフォームの魅力
  • 間取りの制限を受けることがない
  • 住宅性能を高められる
  • デザインを一新できる
  • 建て替えよりも費用を抑えられる
  • 住みながらリフォームができる
  • 費用の調整が行いやすい

建て替えやリフォームの善し悪しは、コストやタイミング、考え方によって大きく異なります。

どちらが良いかという話ではなく、目的に適しているのかを明らかにし、選ぶことが大切です。

>>建て替えとリフォームの判断基準はこの記事で紹介!

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】小川愛

二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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