土地購入にかかる諸費用はいくら?価格帯ごとにシミュレーション!

土地購入にかかる諸費用の目安は、土地代金の5〜10%程度です。
土地購入には土地本体価格のみではなく、さまざまな費用がかかるので諸費用の全体像を把握して、無理のない資金計画を立てましょう。
当記事では土地購入における諸費用や、諸費用を節約するポイントについて解説します。
土地の価格別諸費用シミュレーションもご紹介しているので、これから土地を購入する人は参考にしてみましょう。
2025年01月15日更新
土地購入にかかる諸費用はいくら?価格帯ごとにシミュレーション!

土地購入にかかる諸費用の目安は、土地代金の5〜10%程度です。
土地購入には土地本体価格のみではなく、さまざまな費用がかかるので諸費用の全体像を把握して、無理のない資金計画を立てましょう。
当記事では土地購入における諸費用や、諸費用を節約するポイントについて解説します。
土地の価格別諸費用シミュレーションもご紹介しているので、これから土地を購入する人は参考にしてみましょう。
2025年01月15日更新
目次
土地購入における諸費用の目安は土地代金の5〜10%
土地購入にかかる諸費用の目安は、土地代金の5〜10%程度となります。
このため、土地購入価格に応じた総費用の目安は下記のとおりです。
土地の価格 | 諸費用の目安 | 諸費用込みの総費用 |
---|---|---|
1,000万円 | 50~100万円 | 1,050~1,100万円 |
2,000万円 | 100~200万円 | 2,100~2,200万円 |
3,000万円 | 150~300万円 | 3,150~3,300万円 |
4,000万円 | 200~400万円 | 4,200~4,400万円 |
上記はあくまでも目安であり、土地の条件や借入の有無によってこの限りではありません。
土地の条件や借入の有無で発生する費用については、当記事内の「土地や借入条件によって発生する諸費用」で詳しく触れています。
土地購入にかかる諸費用
土地購入には土地購入代金の他にもさまざまな諸費用がかかります。
- 土地購入代金
- 手付金
- 印紙税
- 仲介手数料
- 登記費用
支払いのタイミングはそれぞれの費用で異なるため、全体像をしっかり把握して資金計画を立てましょう。
費用1 土地購入代金
土地購入において、最も大きな比重を占める費用は土地購入代金と言えます。
注文住宅における土地購入費用の全国平均は1,819万円です。(出典:国土交通省|令和4年度住宅市場動向調査)
上記はあくまでも平均値であり、土地購入代金はエリアや土地面積、土地の形状により大きく異なります。
購入を検討しているエリアにある土地の相場を知りたい場合、国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」から検索可能です。
希望エリアにある不動産会社では土地の相場が知れるだけではなく、土地ごとに価格が高い理由低い理由、周辺環境など詳しく知れます。
不動産会社を訪れる際には土地売買を得意とする業者を訪れましょう。
費用2 手付金(頭金)
土地購入における手付金(頭金)とは、ローンを組む際に支払うお金のことです。
手付金0円のフルローンでも土地の購入は可能ですが、手付金には月々の支払い負担を軽減するメリットがあります。
土地の購入代金を早く返済したい場合にも、手付金の用意がおすすめです。
手付金を入れる場合、合計費用に対し5~10%を目安とした現金を用意しておくと良いでしょう。
土地購入の頭金について詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみましょう。
費用3 印紙税
印紙税とは、土地売買契約書に貼る印紙にかかる税金です。
印紙代は契約金額によって下記のように異なり、令和9年3月13日まで印紙税の軽減措置が適用されます。
価格に応じた印紙代を前もって計算しておきましょう。
契約金額 | 通常時の税額 | 軽減措置後の税額 |
---|---|---|
10万円以上、50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円以上、100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円以上、500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円以上、1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円以上、5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円以上、1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
1億円以上、5億円以下 | 120,000円 | 60,000円 |
5億円以上、10億円以下 | 320,000円 | 160,000円 |
10億円以上、50億円以下 | 640,000円 | 320,000円 |
50億円以上 | 960,000円 | 480,000円 |
費用4 仲介手数料
仲介手数料は売主と買主を仲介した業者に支払う手数料です。
仲介手数料にかかる費用は宅地建物取引業法により、下記の上限が設けられています。
取引価格(税抜き) | 仲介手数料の上限 |
---|---|
400万円超え | 税抜きの取引価格×3%+6万円+消費税 |
200万円を超え400万円以下のもの | 税抜きの取引価格×4%+2万円+消費税 |
200万円以下のもの | 税抜きの取引価格×5%+消費税 |
上記の計算式を用いて具体例を挙げると、1,000万円の土地を購入した場合の仲介手数料は1,000万円×3%+6万円で36万円、36万円に10%の消費税がかかり、合計は約40万円となります。
土地売買における仲介手数料の上限はありますが、下限は法律で定められていません。
このため、土地の条件や不動産会社によっては、上記で計算したよりも安い仲介手数料で済む可能性があります。
費用5 登記費用
登記費用は、登記における登録免許税と司法書士報酬にかかる費用です。
土地購入の場合土地の所有権移転登記を行う必要があり、住宅ローン利用時にはあわせて住宅ローンの抵当権設定登記も必要です。
税率は所有権移転登記と住宅ローンの抵当権設定登記のそれぞれで異なります。
登記の種類 | 税率 |
---|---|
所有権移転登記 | 固定資産税評価額×1.5% |
住宅ローンの抵当権設定登記 | 住宅ローンの借入金額×0.1% |
具体例を挙げると、1,000万円の土地を購入した場合の所有権移転登記は700万円(公示価格の70%で算出)×1.5%で105,000円、住宅ローンの抵当権設定登記は1,000万円(フルローンで算出)×0.1%で10,000円となります。
司法書士へ報酬は地域により相場が異なります。一般的に所有権移転登記の相場は3~9万円、住宅ローンの抵当権設定登記は5~10万円と言われているので目安にしましょう。
費用6 固定資産税
固定資産税は、取得した土地や建物の資産価値に応じて支払う費用です。
土地には年間で固定資産税がかかるため、買主と売主でその年の固定資産税を日割りにて分担する必要があります。
7月1日に売主から土地を取得した場合の固定資産税の計算方法は下記のとおりです。
【計算式】
住宅がない土地の場合:土地の評価額×1.4%
- 2,000万円×1.4%=28万円
- 売主と日割りにて分担:280,000÷2=140,000円
土地購入後にかかる諸費用
土地購入における諸費用は、土地の価格によりさまざまですが、1,000万円の土地の場合約35万円です。
どの程度の費用が必要なのか、どのタイミングで支払う必要があるのか把握しましょう。
費用1 不動産取得税
不動産取得税とは、土地や建物の売買・増築・改築などで取得した場合に発生する税金です。
固定資産税のように毎年課税されるものではなく、取得時1度のみ支払います。
申告期限は自治体により異なりますが、不動産を取得した日より10日~2か月以内での申請が一般的です。
その後、数か月で納付書が届くので到着してから1~2か月以内に支払いを行います。
取得した土地の価格×3%=当初税額
当初税額-減額額=納める額
不動産取得税の金額については、主税局が提供する「主税局|不動産取得税計算ツール」で簡単に算出可能です。
費用2 固定資産税・都市計画税
固定資産税・都市計画税とは、毎年1月1日時点で土地や建物などの資産を有している人に課せられる税金です。
都市計画税は市街化区域内にある土地を対象とした税金で、固定資産税評価額の0.3%が課税されます。
固定資産税は購入翌年に満額で課税され、購入した年には売主に日割りで支払います。
土地と建物それぞれに課せられ、資産の所有者である限り毎年納めなくてはなりません。
固定資産税の計算では、土地の購入代金ではなく「土地の固定資産税評価額」を使います。
土地の固定資産税は住宅がある場合とそうでない場合で変わります。
住宅が建っている土地では評価額が6分の1で計算されるため税額が少なくなりますが、住宅が建っていない土地を所有し続けると、高い固定資産税を収めなくてはなりません。
【固定資産税の計算式】
- 住宅がある土地の場合:土地の評価額×6分の1×1.4%
- 住宅がない土地の場合:土地の評価額×1.4%
【評価額2,000万円の土地で固定資産税の例】
- 住宅がある土地の場合:(2,000万円×6分の1)×0.014=約4万6千円
- 住宅がない土地の場合:2,000万円×0.014=28万円
土地や借入条件によって発生する諸費用
購入した土地の条件は借入条件によって発生する費用は、最大で数100万円におよびます。
住宅ローン手数料・測量費用・農地転用費用・地盤改良費用・インフラ整備費用など、さまざまな項目があるため、それぞれ費用の目安を確認しましょう。
費用1 住宅ローン手数料・保証料
土地の購入時に住宅ローンを利用する際、金融機関によって手数料や保証料がかかります。
手数料や保証料は金融機関に対して支払うもので、費用は定額の場合や融資額の数%である場合などさまざまです。
具体例を挙げると、楽天銀行の住宅ローン融資事務手数料は一律330,000円の定額制となっています。(出典:楽天銀行|融資事務手数料、事務手数料)
金融機関によって手数料は異なるため、借入前に確認しておきましょう。
費用2 測量費用
通常土地の測量費用は一般的に売主側が支払います。
しかし測量は法律で義務化されていないため、場合によっては測量費用が必要となるでしょう。
費用3 農地転用費用
購入した土地が農地の場合地目を「宅地」に変更する農地転用が必要です。
農地転用には自治体や農業委員会の許可が必要で、許可申請書類の取得費に数千円の費用がかかります。
なお、農地転用申請は専門的な知識を有する手続きであるため、行政書士への依頼が一般的です。
行政書士への報酬の目安は7〜10万円程度となります。
費用4 地盤改良費用
地盤調査の結果、強度が十分でないと発覚した場合に地盤改良の必要があります。
地盤改良費用は土地の広さや工法、改良を必要とする深さによってさまざまです。
下記に地盤改良費用の目安を工法別にまとめました。
工法 | 費用の目安 |
---|---|
表層改良工法 | 30〜50万円 |
柱状改良工法 | 50〜80万円 |
鋼管杭工法 | 100〜180万円 |
どの工法で地盤改良するかについては、調査の結果が出ないとわかりません。
このため、地盤改良費用は最悪の事態を想定して多めに見込んでおきましょう。
費用5 インフラ整備費用
購入した土地に電気、ガス、水道などが引き込まれていない場合、インフラ整備の費用が必要となります。
下記にインフラ整備費用の目安をまとめたので、確認しましょう。
インフラの種類 | 費用 |
---|---|
水道・下水の引き込み | 60〜80万円 |
ガスの引き込み | 10〜15万円 |
浄化槽の設置 | 40〜75万円 |
今まで建物が建っていなかった土地を購入する場合、インフラ整備がされていない可能性もあります。
インフラの整備状況は土地の物件概要欄や重要事項説明書に記載されています。
費用6 解体費用
購入した土地の上に古い建物がある場合、解体費用を見込む必要があります。
解体費用の目安は木造住宅の場合で1坪4~6万円です。
解体費用については下記の記事で詳しく解説しているので、詳しく知りたい人は参考にしてみましょう。
【価格別】土地購入における諸費用のシミュレーション
土地購入における諸費用の全体像を理解したところで、諸費用のシミュレーションを価格別にみてみましょう。
各税金もシミュレーションに組み込んでいるため、ぜひ参考にしてください。
1,000万円の土地購入における諸費用シミュレーション
1,000万円の土地購入における諸費用シミュレーションは下記のとおりです。
なお、この項では住宅ローンの借り入れを行い手付金(頭金)0円のフルローンとしてシミュレーションしています。
項目 | 費用 | 計算式・補足 |
---|---|---|
仲介手数料 | 39万6,000円 | 税抜きの取引価格×3%+6万円+消費税 |
印紙税 | 5,000円 | ※取引価格が500万円以上、1,000万円以下のため |
所有権移転登記 | 10万5,000円 | 700万円×1.5% |
住宅ローンの抵当権設定登記 | 1万円 | 1,000万円×0.1% |
司法書士報酬 | 10万円 | ※相場の上限で算出 |
住宅ローン融資手数料 | 33万円 | ※楽天銀行融資手数料を参考 |
固定資産税 | 1万6,000円 | 700万円×6分の1×0.014 |
都市計画税 | 2万1,000円 | 700万円×0.3% |
不動産取得税 | 30万円 | 1,000万円×3% |
合計 | 128万3,000円 |
1,500万円の土地購入における諸費用シミュレーション
1,500万円の土地購入における諸費用シミュレーションは下記のとおりです。
この項でも、住宅ローンの借り入れを行い手付金(頭金)なしのフルローンとしてシミュレーションしています。
項目 | 費用 | 計算式・補足 |
---|---|---|
仲介手数料 | 51万円 | 税抜きの取引価格×3%+6万円+消費税 |
印紙税 | 1万円 | ※取引価格が1,000万円以上、5,000万円以下のため |
所有権移転登記 | 15万7,500円 | 1,050万円×1.5% |
住宅ローンの抵当権設定登記 | 1万5,000円 | 1,500万円×0.1% |
司法書士報酬 | 10万円 | 相場の上限で算出 |
住宅ローン融資手数料 | 33万円 | ※楽天銀行融資手数料を参考 |
固定資産税 | 2万4,000円 | 1,050万円×6分の1×0.014 |
都市計画税 | 3万1,500円 | 1,050万円×0.3% |
不動産取得税 | 45万円 | 1,500万円×3% |
合計 | 162万8,000円 |
2,000万円の土地購入における諸費用シミュレーション(頭金1,000万円)
2,000万円の土地購入における諸費用シミュレーションは下記のとおりです。
なお、この項でのシミュレーションは頭金1,000万円を用意し、住宅ローン借入1,000万円としてシミュレーションしています。
項目 | 費用 | 計算式・補足 |
---|---|---|
仲介手数料 | 66万円 | 税抜きの取引価格×3%+6万円+消費税 |
手付金 | 1,000万円 | |
印紙税 | 1万円 | ※取引価格が1,000万円以上、5,000万円以下のため |
所有権移転登記 | 21万円 | 1,400万円×1.5% |
住宅ローンの抵当権設定登記 | 2万円 | 2,000万円×0.1% |
司法書士報酬 | 10万円 | 相場の上限で算出 |
住宅ローン融資手数料 | 33万円 | ※楽天銀行融資手数料を参考 |
固定資産税 | 2万5,000円 | 1,400万円×6分の1×0.014 |
都市計画税 | 4万2,000円 | 1,400万円×0.3% |
不動産取得税 | 60万円 | 2,000万円×3% |
合計 | 1199万7,000円 |
3,000万円の土地購入における諸費用シミュレーション(土地に古屋あり)
3,000万円の土地購入における諸費用シミュレーションは下記のとおりです。
なお、この項では購入した土地の上に木造30坪の古屋があり解体するていでシミュレーションします。
項目 | 費用 | 計算式・補足 |
---|---|---|
仲介手数料 | 96万円 | 税抜きの取引価格×3%+6万円+消費税 |
印紙税 | 1万円 | ※取引価格が1,000万円以上、5,000万円以下のため |
所有権移転登記 | 31万5,000円 | 2,100万円×1.5% |
住宅ローン融資手数料 | 3万円 | 3,000万円×0.1% |
司法書士報酬 | 10万円 | 相場の上限で算出 |
住宅ローン融資手数料 | 33万円 | ※楽天銀行融資手数料を参考 |
固定資産税 | 4万9,000円 | 2,100万円×6分の1×0.014 |
都市計画税 | 6万3,000円 | 2,100万円×0.3% |
不動産取得税 | 90万円 | 3,000万円×3% |
解体費用 | 180万円 | 1坪あたり6万円の解体費用で算出 |
合計 | 455万7,000円 |
土地購入費用を節約するポイント
土地購入費用はいくつかの方法で節約できます。
安い土地を購入することでかえって費用がかさんでしまうこともあるため、節約のポイントをしっかりと理解しておきましょう。
ポイント1 登記は自分で行う
登記を自分で行う場合、司法書士費用を節約できます。
不動産取得時の登記は難しい手続きであるため、司法書士への依頼が一般的です。
しかし、昨今ではインターネット上にさまざまな登記手順が記載されているため、自分で登記にチャレンジもできるでしょう。
登記を自分で行うことで、30,000~50,000円の司法書士報酬を節約可能です。
ポイント2 訳アリの土地は避ける
訳があることにより安くなっている土地を避けるのも重要なポイントです。
安い土地にはなんらかの理由があります。
たとえば、埋蔵物のある土地やインフラの整っていない土地では別途整備諸費用がかさみ、結果的に費用が高額となる可能性があるでしょう。
このことから、相場より極端に安い土地の場合には安い理由を確認する必要があります。
ポイント3 市街化調整区域の土地を選ぶ
市街化調整区域の土地を選ぶ方法も1つです。
土地の価格は相場よりも安く、固定資産税が市街化区域と比較すると安く済みます。
また、市街地から距離があるなどの特徴がありますが、安いだけではなく静かな住環境を求めている人にとって市街化調整区域はおすすめです。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
こここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
正確な建て替え金額を知るためには、建て替え前に「見積もり査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

タクトホームコンサルティングサービス
亀田融一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。
一括見積もりをする