隣の土地を買いたい時に住宅ローンは使える?隣地購入のメリットも紹介

隣 の 土地 購入 ローン

隣地を住宅ローンで購入できるのは、その土地に住宅を建てる計画がある場合のみです。
この記事では、隣地購入時の住宅ローン利用条件や、住宅ローンが使えない場合の代替融資、購入の具体的な流れ、メリット・デメリット、交渉のコツまで、土地購入に必要な情報を徹底解説します。

2024年12月10日更新

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隣地の土地購入に住宅ローンが使える場合

隣の土地を購入する際、購入した土地に住宅を建てる計画がある場合に限り、住宅ローンを利用できます。

これは住宅ローンが「住むための家」を建てる目的に限定された融資だからです。

たとえば、現在の自宅を取り壊して隣地と合わせた広い敷地に新築する場合や、隣地に増築して二世帯住宅にする計画があれば、住宅ローンの対象となります。

隣地購入の計画を金融機関に伝えて、住宅を建てると判断してもらえれば、土地購入時に住宅ローンを利用できます。

なお、金融機関によって審査基準は異なるため、事前に複数の金融機関に相談しましょう。

住宅ローンを利用できる土地の用途
  • 増築して部屋の追加
  • 二世帯住宅への改築
  • 庭・駐車スペースの拡張

金融機関によっては数種類の住宅ローンがあり、土地の用地次第で利用できる住宅ローンは異なるので、まずは金融機関に相談してみましょう。

隣地の土地購入に住宅ローンが使えない場合

以下のような目的で土地を購入する場合は、住宅ローンは使えません。

  • 購入した土地に住宅を建てない、または建てないとみなされる
  • 購入した土地を貸し駐車場として利用する場合
  • 将来の値上がりを期待して購入する投資目的の購入
  • 購入予定の土地が極端に狭く住宅建設が現実的でない
  • 逆に一軒家が余裕で建つほど広い土地
  • 自宅に住宅ローンの担保が設定されている

前述のとおり、住宅ローンは家を建てる目的の場合のみ利用できます。

自宅として利用する場合でも、購入した土地に増築しない、あるいは駐車場として利用する場合は、住宅ローンの審査が通らない場合もあります。

また、貸し駐車場として利益を得る目的や、値上がりを期待した投資目的の場合、住宅ローンは利用不可です。

土地の広さも関係しており、住宅が建てられそうにないほど狭い土地や広すぎる土地では、住宅以外の使い道を疑われて住宅ローンは使えません。

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隣接地の購入に使える住宅ローン以外の融資

隣接地購入にあたり、住宅ローン以外に考えられる融資として、「土地先行融資」と「つなぎ融資」の2つが考えられます。

それぞれの特徴とあわせてメリットとデメリットを紹介します。

土地先行融資

土地先行融資は、将来の住宅建設を前提に、まず土地購入の部分だけを先に融資してもらう制度です。

土地先行融資は土地購入に対する融資なので、住宅を建てない場合でも融資は受けられます。

金利は通常の住宅ローンと同程度に設定されており、要件を満たせば住宅ローン控除の対象にもなるため、資金面での負担を軽減できるのも土地先行融資のメリットです。

つなぎ融資

つなぎ融資は、住宅完成までの一時的な資金需要に対応する融資制度ですが、土地の購入だけでも利用可能です。

建築中の着工金や中間金の支払いなど、資金が必要になるたびに利用でき、手続きも比較的シンプルな点も特徴です。

ただし、つなぎ融資は通常の住宅ローンと比べて高めに設定している金融機関が多い上に、住宅ローン控除の対象外となります。

また、融資してもらうたびに手数料が発生するため、総費用も高めです。

返済方法は、建物完成後に住宅ローンで一括返済するのが一般的となっています。

隣の土地を購入する2つのメリット

隣地を購入して得られるメリットは、以下の2つです。

  • 自宅の土地が広くなる
  • 相続税対策につながる

それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

自宅の土地が広くなる

隣地を購入すれば自宅の土地が広がり、以下のように生活スペースを大幅に拡張できます。

  • 二世帯住宅にする
  • 増築して部屋を増やす
  • 庭やガーデニングスペースを設ける
  • 駐車場を広げる

また土地が広がることで、土地の使い勝手が良くなるケースもあります。

立地条件によっては道路に出やすくなるなど、これまでの不便さを解消できます。

このように将来的の選択肢を広げられる点も、隣地購入のメリットです。

相続税対策につながる

現金で保有している資産を土地に変えることで、相続税の負担を軽減できる可能性があります。

これは現金と土地では相続時の課税対象額が異なるためです。

不動産の場合、相続税は不動産の評価額から控除額を引いた額に課税されます。

不動産の評価額は現金で持つよりも評価額が低くなるため、隣地購入は将来を見据えた相続対策として節税効果が期待できるわけです。

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隣の土地を購入したときのデメリット

隣地購入には生活環境の向上や資産価値の増加といったメリットがある一方で、以下3つの見過ごせないデメリットも存在します。

  • ローン返済が苦しくなる
  • 固定資産税が高くなる
  • トラブルに巻き込まれる可能性がある

以下で、主な3つのデメリットについて詳しく解説します。

ローン返済が苦しくなる

返済中のローンがある状態で隣地購入に住宅ローンを追加すると、毎月の支出が大きくなり家計への負担も増加します。

また隣地の購入価格は、一般的な相場よりも高くなる傾向があります。

なぜなら、現在の土地と一体化することで生まれる付加価値(増分価値)が価格に上乗せされるためです。

そのため、計画的なローンになっているか慎重に検討しましょう。

固定資産税が高くなる

隣地を購入すると、毎年の固定資産税や都市計画税が増えてしまいます。

これは、固定資産税と都市計画税は、持っている不動産に対して課税されるためです。

また隣地購入により所有する土地の面積が200m2(約60.5坪)を超えると、住宅用地の特例による軽減措置の恩恵が減少します。

住宅用地の特例によって軽減される税率は、以下のとおりです。

固定資産税都市計画税
200平方m2まで1/61/3
200平方m2を超えた部分1/32/3

このような税負担の増加も考慮して、土地購入を検討しましょう。

住宅用地の特例とは?

住宅として利用している土地にかかる固定資産税と都市計画税を軽減してもらえる特例です。

上記表のとおり、土地面積の200m2を境に軽現在率が異なります。

トラブルに巻き込まれる可能性がある

隣地購入後に予期せぬトラブルが発生する可能性もあり得ます。

個人間で直接取引をする場合、境界線の認識の違いや土地の契約に関する情報不足などから、後々問題が見つかる可能性もあるためです。

具体的には、以下のようなトラブルがあります。

  • 土壌汚染があった
  • 地中埋設物の存在が判明した
  • 土地に説明されていない賃借権や地役権が設定されていた

個人間で交渉すればコストを抑えられるメリットはありますが、トラブルを防ぐためにも不動産屋を介して交渉しましょう。

隣の土地を購入する流れ

隣地を購入する際は、以下5つのステップを踏みます。

  • 【ステップ1】隣の土地の状況を確認
  • 【ステップ2】土地の相場を調べる
  • 【ステップ3】購入後の利用方法を決める
  • 【ステップ4】隣の土地を購入する交渉
  • 【ステップ5】購入の手続き

>>隣の土地を購入する流れはこの記事で詳しく紹介

隣地購入を検討するべきケース

もし隣の土地を買うか悩んだら、以下の2点を考えてみてください。それぞれのケースをご紹介します。

  • 将来増築を検討している
  • 不便さを解消できる可能性がある

1 将来増築を検討している

自宅の増築や建て替えを将来的に計画している場合、隣地の取得を検討してもいいでしょう。

下記のような生活スタイルの変化に、対応しやすくなります。

  • 子どもの成長に伴い個室が必要になったとき
  • 高齢の親との同居を考えたいとき

現在の敷地だけでは建ぺい率や容積率の制限により、思い通りの増築ができない場合でも、隣地と併せることで制限の緩和が期待できます。

土地を広くしておけば、いざ自宅を増築するときにより自由度の高い建築計画が可能です。

将来増築を考えているなら、隣地を購入してもいいでしょう。

2 不便さを解消できる可能性がある

現在の土地の形状や接道状況に問題を抱えている場合、隣地購入によってその課題を解決できる可能性があります。

たとえば道路への実が狭く車の出入りが不便な場合、道路に面した隣地を取得すれば道に出やすくなります。

また不整形な土地で使いづらいスペースがある場合でも、隣地と一体化して字型を整えれば効率的な土地利用が可能です。

さらに、日当たりや通風の改善、プライバシーの確保など、現在の住環境における不便さを解消できる可能性もあるでしょう。

今抱えている問題点の解決につながる場合は、隣地購入を積極的に検討する価値があります。

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隣地購入を検討するべきではないケース

一方、以下のような状況なら、隣地購入の判断を見送るべきです。

  • 隣地の使用用途が目的にあっていない
  • ローン返済が苦しくなる

以下で、購入を控えるべき代表的な2つのケースについて解説します。

隣地の使用用途が目的にあっていない

隣地の用途地域や地目が、購入目的と合致していない場合は、購入を見送るべきです。

たとえば、駐車場として利用したい土地が農地指定されている場合、地目変更の許可を得るまでは駐車場としての使用はできません。

地目変更の許可取得には時間とコストがかかり、場合によっては許可が下りないこともあります。

あらかじめ土地の活用方法を明確にしておき、地目も目的に合っているか確認しましょう。

ローン返済が苦しくなる

隣の土地を購入したときのデメリットでも紹介したとおり、住宅ローンが加算されるため支出の負担が増えてしまいます。

生活が苦しくなる、またはローン返済が難しいなら、隣地の購入はあきらめましょう。

隣の土地を購入する交渉のコツ

隣地の購入交渉をスムーズに進めるためのコツを4点ご紹介します。

  • 交渉を焦らない
  • できるだけ細かい条件には応じる
  • 不動産屋に仲介してもらう
  • 近所とはいい関係を築いておく

交渉のコツ1:交渉を焦らない

隣地購入の交渉は、焦らずじっくりと行いましょう。隣地購入は、通常の不動産取引以上に時間がかかるものです。

不動産の売買自体時間がかかり、最短でも数か月、場合によっては1年以上かかります。

その上、売却の意思がない所有者に対しては、1年以上時間がかかっても不思議ではありません。

焦って強引な交渉を行うと、かえって相手の心証を悪くし、交渉が決裂してしまう可能性もあります。

また、売主が検討に時間をかけたいという場合には、その意向を尊重しましょう。

不動産売買は大きな決断であり、長年住み慣れた土地を手放す決断には時間がかかるものです。

購入を焦らず、相手のペースに合わせた交渉を心がけましょう。

交渉のコツ2:できるだけ細かい条件には応じる

売主から提示される細かい条件は、できる限り受け入れましょう。

自分の都合ばかり主張すると、相手の土地を売る気がなくなってしまいます。

金額はもちろん、引き渡し時期のような要望には柔軟に対応しましょう。

本当に土地を買ってくれると思ってもらえれば、契約が成立する可能性も高まるため、売主のからの条件は柔軟に応じるのがおすすめです。

交渉のコツ3:不動産屋に仲介してもらう

土地売買の交渉は、直接やりとりするのではなく不動産屋に仲介してもらいましょう。

個人間での直接取引は、感情的なもつれやトラブルの原因となりやすいからです。

プロの仲介業者が間に入ることで、適正価格での取引や、契約上の重要事項の確認、必要な手続きの漏れ防止など、さまざまなメリットがあります。

また、不動産会社は取引事例や相場情報を豊富に持っているため、増分価値の算定など、隣地特有の価格設定にも適切なアドバイスが得られるはずです。

プロの査定なので、相手にも納得してもらいやすいのも、不動産屋に依頼するメリットと言えるでしょう。

交渉のコツ4:近所とはいい関係を築いておく

普段から、近所とはいい関係を築いておきましょう。

良好な近所付き合いは、隣地購入の成否を左右する重要な要素です。

とくに土地の所有者と良い関係性があれば、交渉の場でも前向きな対応が期待できます。

逆に普段からトラブルがある場合、土地の購入を打診すること自体が難しくなります。

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隣の土地を購入するときの注意点

隣地を購入する際の注意点を5点ご紹介します。

  • ポイント1:直接交渉はしない
  • ポイント2:測量で購入する土地を明確にする
  • ポイント3:無理のない資金計画
  • ポイント4:割高になりやすい
  • ポイント5:購入できない場合もある

ポイント1:直接交渉はしない

交渉のコツ3:不動産屋に仲介してもらうで紹介したとおり、直接交渉するのではなく必ず不動産屋に仲介してもらいましょう。

よほどの事情がない限りは、プロの力を借りるのがおすすめです。

ポイント2:測量で購入する土地を明確にする

土地の購入時は、専門家に境界線を確認してもらいましょう。

測量によって正確に境界線を決めておかないと、後々深刻なトラブルになる可能性があります。

たとえば、境界線に対する認識が異なっていると、建物の一部が飛び出ているといったトラブルが起こるかも知れません。

無駄なトラブルを避けるためにも、必ず境界確認と測量を実施し、売主との間で境界確認書を取り交わしましょう。

>>隣地境界線の計測方法はこちら

ポイント3:無理のない資金計画

隣地購入は高額になりやすいため、慎重な資金計画が必要です。

【隣地購入にかかる費用内訳の例】

  • 土地購入費用
  • 境界確認や測量費用
  • 不動産取得税
  • 登記費用

さらに、土地取得後は固定資産税などの経済的な支出も増加します。

これらの費用を考慮しつつ、将来の収入変動やライフプランも加味した長期的な視点での資金計画を立てましょう。

とくにローンを組む場合は、返済負担が家計を圧迫しないよう、十分な余裕を持った設計が重要です。

ポイント4:割高になりやすい

隣地の購入価格は、一般的な取引価格よりも割高になりやすいです。

これは、既存の土地と一体化することで生まれる「増分価値」が価格に上乗せされるためです。

たとえば、整形地になることによる利便性の向上や、建ぺい率・容積率の緩和などが、価値上昇の要因となります。

また、増分価値に明確な基準はないため、売主が高めに設定する可能性も考えられます。

不動産会社に相談しながら、客観的な価値評価に基づいた適正価格を見極めてください。

ポイント5:購入できない場合もある

いくら慎重に準備を進めても、隣地の購入が難しい場合もあります。

どれだけ交渉しても、そもそも所有者に売却意思がないのであれば、購入は不可能です。

また誰が所有者なのかわからない場合や、土地を誰かに貸している土地であれば、そもそも交渉にもなりません。

このため購入できない場合があることにも、念頭に置いておきましょう。

Q&A 隣の土地を購入する際に良くある質問

ここでは隣地購入を検討する際に多い、3つの質問にお答えします。

「隣の土地は借金してでも買え」の意味は?

「隣の土地は借金してでも買え」は、大きな利益につながる可能性があるという意味です。

ただし、「借金してでも」という部分は比喩的な表現であり、実際の購入判断は慎重な資金計画に基づいて行う必要があります。

土地を購入するときの頭金はどれくらい?

頭金0円でも土地は購入可能です。

頭金を用意しない場合、フルローンで土地を購入することになります。

ただし、頭金を支払った方がローンの借入額を減らせて金利を抑えるメリットがあるので、余裕があるなら頭金を用意しましょう。

隣地を購入した後はどのような活用方法がある?

一例として、以下の活用方法があります。

  • 家の増築
  • 駐車スペース
  • 庭やガーデニング
  • 物置小屋の設置
  • 貸し駐車場

ただし何にでも使えるわけではなく、どのような使い方ができるかは地目によって変わります。

地域の特性や将来的な価値を見据えた、活用プランを検討しましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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