隣の土地は買ってはいけない?失敗したケースやメリット・デメリットを解説

隣接 土地 購入

「隣の土地は買ってはいけない」といわれる理由の1つは、隣地が相場よりも高値で売買されるためです。隣地が売りに出されており、購入を迷っている方も少なくないでしょう。

そこでこの記事では、隣地を買うべきか否かについて解説します。隣地購入のメリット・デメリットを把握して、後悔のない選択をしましょう!

2025年01月15日更新

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「隣の土地は買ってはいけない」といわれる理由

隣地購入を検討する際は、購入するリスクを知っておくと失敗せずに済みます。

ここでは、「隣の土地を買ってはいけない」といわれる理由について解説します。

相場よりも高値になるため

隣の土地が相場よりも高くなるのは、増分価値があるためです。

増分価値とは、所有している土地と隣地を併合させることで生まれる付加価値です。

隣地購入は買い手にメリットが大きいため、相場よりも高い値段で取引されるケースが多く見られます。

ローンの総額が増えるため

住宅ローンに加えて新たな借入をする場合は返済額が増えるため、あらためて返済計画を立て直さなければなりません。

住宅ローンで購入した自宅の隣地を購入する場合、住宅ローンの借り換えや不動産投資ローンの借り入れができます。

収入に対して返済の負担が大きすぎると後々返済しきれなくなる恐れがあるため、慎重に計画を立てましょう。

>>隣地購入での住宅ローンの活用はこの記事で紹介!

固定資産税や都市計画税が高くなるため

新たに土地を購入すると固定資産税や都市計画税が高くなり、税金の支払いが増えます。

固定資産税・都市計画税は、土地や建物を所有している人に課せられる地方税です。

固定資産の評価額に基づいて税額が算出されるため、隣地購入により所有する土地が広くなれば税金も高くなります。

交渉が長期化することもあるため

隣地購入の価格交渉は、一般的な不動産売買に比べて長期化するケースが多いです。

隣地は相場に上乗せされた限定価格で取引されることが多く、通常の不動産売買よりも取引が複雑です。

場合によっては交渉が年単位で続くこともあるため、隣地購入は避けた方が良いという意見もあります。

トラブルが起こり得るため

隣地の境界線や権利関係をよく調べないで購入すると、トラブルに発展する場合があります。

【トラブルが起こりやすい状況】

  • 抵当権が設定されている場合
  • 枝や根っこの越境している場合
  • 所有権者が複数人いる場合

購入後に後悔しないためにも、あらかじめ土地の状態をよく調べておきましょう。

隣地購入のトラブルを避けるためには、不動産会社に仲介を依頼することも大切です。

仲介手数料がかからないからといって個人で売買を進めると、トラブルの原因になりやすいので注意しましょう。

隣地を買うべき場合・買わない方が良い場合

買ってはいけないといわれる隣地購入ですが、場合によっては購入した方が良いケースもあります。

ここでは、隣地を買うべきケースと買わないべきケースについて説明します。

「隣地を買って失敗した」とならないように、それぞれのケースを把握しておきましょう。

>>隣地を購入べきケース/購入すべきでないケースはこの記事で紹介!

隣の土地を買うべきではない場合

隣の土地を買うべきではないケースは以下の通りです。

  • 購入後の用途が決まっていない場合
  • 地目が利用目的にあっていない場合
  • 土地に建物が建っている場合
  • 将来的に売却できない可能性がある場合

土地に建物が建っている場合は、権利関係のトラブルが起きやすいので注意しましょう。

また隣地を購入する際は使用目的を明確にしたうえで、将来的に売却することも視野に入れ、売却できる土地かどうかを確認しておくことも大切です。

隣の土地を買った方が良い場合

隣の土地を買った方が良いケースは以下の通りです。

  • 建て替えや増築を検討している場合
  • 建ぺい率・容積率の制限が緩和される場合
  • 接道義務を満たせるようになる場合

建て替えや増築を検討しており、スペースを増やしたいときは隣地購入は適しています。

また再建築不可物件を所有している場合は、隣地購入により接道義務が果たせると、住まいを建て替えられるようになるため、不動産の価値を高めるチャンスです。

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隣地を購入するメリット・デメリット

隣地を購入するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
土地を活用しやすくなる狭小地や変形地も隣地購入により土地の形が変わって、土地活用しやすくなる。
土地の価値が上がる土地の面積が広くなり、土地の価値が高まる。
増築できるようになる土地の面積が増えることで増築するためのスペースを確保できる。
建ぺい率・容積率の制限が緩和されて増築しやすくなる。
デメリット
相場よりも高値になりやすい隣地購入は増分価値があるため、売主から高値を提示されやすい。
交渉が長引く場合もある金額や条件について、売主との交渉が長引くケースもある。
税金や維持費が高くなる固定資産税や都市計画税の支払いが高くなる。
住まいと土地の維持費が高くなる。
ローンの負担が重くなる住宅ローンに加えて新しくローンを組む場合は、返済の負担が重くなる。
隣人トラブルが起きる可能性もある土地の境界線や権利関係などが原因で隣人トラブルが起きる場合もある。

所有している土地の形状や環境によっても、隣の土地を購入するメリットがあるかどうかは変化します。

隣地購入することで所有している土地の問題を解決できる場合や、土地の価値が上がる場合は購入を検討すると良いでしょう。

ローンを組む場合は返済の負担が大きくなるため、しっかりと資金計画を立てることが大切です。

>>隣の土地を購入するメリット・デメリットはこの記事で紹介

隣の土地を購入する流れ

隣地を購入する際は、以下5つのステップを踏みます。

  • 【ステップ1】隣の土地の状況を確認
  • 【ステップ2】土地の相場を調べる
  • 【ステップ3】購入後の利用方法を決める
  • 【ステップ4】隣の土地を購入する交渉
  • 【ステップ5】購入の手続き

どのようなことをやるのか、詳しく解説していきます。

個人で土地の売買契約はできる?

土地の売買契約は個人同士で契約を結ぶ方法と、業者を間に挟んで契約を結ぶやり方に分かれます。

いずれの方法にもメリットはありますが、不動産売買のプロに仲介を依頼した方が、安心して取引を行いやすいです。

【ステップ1】隣の土地の状況を確認

土地の面積や権利関係を確認するために、法務局で公図と登記簿謄本を取得しましょう。

【登記簿謄本、公図からわかること】

  • 土地の形状や面積
  • 所有者情報
  • 地番
  • 抵当権などの権利関係

また、その土地が属する用途地域や建ぺい率・容積率などの建築制限も調べておきましょう。

大半の地域では、建ぺい率と容積率は、「〇〇(住んでいる地域) 建ぺい率」と検索すれば出てくる、都道府県や市が交付しているPDF資料で確認できます。

土地面積に建ぺい率を掛ければ建築できる面積の合計、容積率を掛ければ合計の床面積を計算できます。

地質や埋設物もチェックしよう

過去に土壌汚染や地盤沈下などの問題がなかったか、地中に埋設物は存在しないかなども確認するとより安心できます。

【ステップ2】土地の相場を調べる

土地の適正価格を知る方法には、以下の2つの方法があります。

  • 不動産会社の一括査定サービスを利用
  • 国税庁が公表している路線価を調べる

【不動産会社の一括査定サービスを利用する方法】

一括査定サービスのサイトに購入したい隣地の住所と広さを入力すれば、お手軽に土地の価格を把握できます。

最低額は不動産屋によって異なるので、複数の一括査定サービスで査定額を出しておきましょう。

【路線価から調べる方法】

路線価を調べる場合は、以下の手順です。

なお、隣地の場合は通常の取引価格に「増分価値」が加算されることがあります。

複数の要素で購入額が変わるので、しっかりと情報を集めましょう。

【ステップ3】購入後の利用方法を決める

土地の購入前に具体的な活用プランを立てておきましょう。思い描いた使い方ができないと、隣地を購入した意味がありません。

住宅の増築や建て替えを考えている場合は、建築士に相談して実現可能な計画を立てましょう。

また、土地の利用方法だけでなく、将来的な土地の価値や維持費用も考慮する必要があります。

固定資産税などの経常的な支出に加え、土地の管理費用や将来的な建物の建築費用なども想定して計画を立てましょう。

【ステップ4】隣の土地を購入する交渉

土地所有者との交渉は直接行わず、不動産屋に仲介してもらいましょう。

不動産屋に入ってもらえば、感情的なもつれを避け、スムーズな交渉が可能になります。

交渉では価格の提示のほか、支払条件や引き渡し時期、境界確認の方法など、具体的な取引条件についても詳細に話し合う必要があります。

とくに隣地境界線は後々のトラブルを防ぐためにも、専門家に測量を依頼しましょう。

>>隣地境界線はこの記事で紹介!

【ステップ5】購入の手続き

売買条件が合意に達したら、不動産会社を通じて正式な売買契約を締結します。

契約書では以下のような内容を記載し、契約を締結します。

  • 買主・売主の住所と氏名
  • 土地の住所・面積
  • 売買代金
  • 支払方法
  • 引き渡し時期
  • 境界の確認方法
  • 土地の住所・面積
  • 特記事項

土地に何かしらの設備が備わっている場合は、特記事項として「土地に付属している設備はどうするか」も記載しておきましょう。

契約締結後は、決済・引き渡し日に向けて必要な手続きを進めます。

また、所有権移転登記や固定資産税の精算なども発生するため、司法書士や税理士など専門家の力を借りて手続きを進めることになります。

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隣接する土地の購入金額の決め方

隣接する土地は増分価値があるため、相場よりも高値で取引されやすいです。

購入する側は隣地を購入することで、所有している土地の価値が上がったり、土地を活用しやすくなったりします。

売り手もできるだけ土地を高値で売りたいため、土地の価値が高まることを見越して相場よりも高い価格を提示してきます。

適正価格で土地を購入するためには、あらかじめ隣地の相場や坪単価、路線価などを調べておくことが大切です。

売主と交渉する際は適切な増分価値を把握したうえで、価格交渉に臨みましょう。

隣の土地を購入するときのポイント

隣地購入をスムーズに進めるためには、いくつかのポイントがあります。

ここでは、隣地を購入する際に気を付けたいポイントを紹介します。

>>隣の土地を購入するときの注意点はこの記事で紹介

ポイント1 交渉が長引くことも視野に入れておく

隣地購入は相場よりも高い価格を提示されやすく、交渉に時間がかかることも多いです。

一般的な不動産売買より交渉が長期化しやすく、交渉期間は数か月から数年にまで及ぶこともあります。

隣の土地を購入する際は交渉が長引く能性を視野に入れ、時間に余裕を持っておくと良いでしょう。

ポイント2 限定価格を考慮して交渉に臨む

限定価格とは、増分価値を見込んだ土地価格のことです。

所有している土地と隣地を併合することで土地の価値が上がる分、限定価格は相場よりも高くなります。

売主と交渉する際は、土地の価値が購入後にどのくらい上がるのかを明確にしておきましょう。

限定価格を考慮して交渉に臨むと、交渉をスムーズに進めやすくなります。

ポイント3 事前の情報収集をしっかりと行う

隣地を購入する際は、土地の状態や建築条件を確認しておくことも大切です。

建築制限のある土地は購入しても建物を建てられない場合があるため、注意しましょう。

また、土壌汚染や埋設物の有無も確認しておくと安心です。

土壌汚染や埋設物がある土地を購入した場合、土壌の浄化や埋設物の撤去に費用がかかってしまいます。

接道義務を果たしているか確認する

建築基準法の接道義務により、建物の敷地が2m以上道路に接していなければならない決まりがあります。

道路に接している部分が2m以下の場合は再建築不可物件とみなされ、建物を建てられなくなるので注意しましょう。

ポイント4 境界線や権利関係をはっきりさせる

後々のトラブルを防ぐために、土地の境界線や権利関係は明確にしておきましょう。

境界線があいまいな状態で土地を購入すると、隣人トラブルの原因になります。

土地の境界線は、境界標で確認する方法や、各種書類をもとに現地調査して確認する方法があります。

境界標や書類がない場合は、測量士または土地家屋調査士に測量を依頼しましょう。

土地の権利関係は、法務局で登記簿謄本を取得すると確認できます。

ポイント5 抵当権付きの土地に注意する

抵当権付きの土地とは、担保にされている土地のことです。

基本的に抵当権付きの土地が売買されることは少ないですが、誤って購入しないように気を付けましょう。

抵当権付きの土地かどうかは、登記簿謄本で確認できます。

ポイント6 住宅ローンとあわせて返済計画を立てる

住宅ローンをすでに組んでおり、新しく隣地購入のためにローンを組む場合は、住宅ローンとあわせて無理のない返済計画を立てることが重要です。

返済計画に無理があると、後々ローンを返済できなくなり破綻してしまう可能性があります。

また、土地購入費用だけでなく登記費用や測量費用、各種税金がかかることも視野に入れておきましょう。

わからないことは専門家へ相談する

隣地購入では専門的な知識が必要になる場面も多いため、わからないことは専門家に相談しましょう。

隣地購入の相談ができるのは、不動産会社・司法書士・税理士・建築士・ファイナンシャルプランナーです。

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Q&A 隣地の購入についてよくある質問

隣地の購入についてよくある質問を紹介します。

絶対に買ってはいけない土地の特徴は?

買ってはいけない土地の特徴はこの3つです!

  • 接道義務義務を満たしていない土地
  • 特殊な形状の土地
  • 自然災害に弱い土地
「隣の土地は借金してでも買え」の意味とは?

隣の土地が売りに出たら借金してでも購入するメリットがあるといった意味です。

実際に購入を検討する場合には、購入後にどのようなメリットがあるのか、またどのようなリスクがあるのかチェックしておきましょう。

隣地を購入することはできる?

売主と交渉のうえで契約締結となれば、隣地を購入できます。

隣地購入の価格の決め方はどうやって決める?

増分価値が生まれる隣地は、限定価格で取引されるのが一般的です。

具体的な価格は、売主と価格交渉して決定されます。

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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