2025年01月16日更新

監修記事

高気密住宅はカビが繁殖しやすい?カビの発生原因や対策について解説!

高気密住宅は、室内の気温や湿度を安定させやすい反面、外気との出入りが制限されるため換気不足におちいりやすい特徴があります。

湿気が溜まるとカビが増えやすくなり、健康被害や建材の劣化を招く恐れも否定できません。

本記事では、カビの発生原因と予防策を中心に、高気密住宅で快適さを保つためのポイントを解説します。

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高気密住宅とは?

高気密住宅とは建物内部の隙間をできるだけ少なくし、断熱材や気密シートで断熱性を向上させることで、外気の侵入や室内空気の漏れを抑えた住宅のことです。

高気密住宅は夏に冷房効果が逃げにくく、冬は暖気をとどめやすい仕組みとなっています。

一方で空気の循環が制限されるため、湿気が排出されにくい場合があります。

とくに換気量が不十分な状態を放置すると、壁の中や天井裏に水蒸気が蓄積し、カビや結露の発生を招くことになりかねません。

快適さと省エネを両立させるには、高い気密性能だけでなく換気計画をしっかり検討し、建物全体の湿度バランスを保つ工夫が必要です。

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カビの繁殖しやすい条件

カビは、以下の温度・湿度・栄養・酸素の4つがそろった環境で急激に増えやすい性質を持っています。

要因カビ繁殖への影響
温度20~30℃付近で活性化しやすい
湿度70%を超える環境で急速に増える
栄養木材・ホコリ・皮脂など有機物を好む
酸素人の生活空間では途切れずに供給され続ける

高気密住宅は屋内と屋外の空気のやり取りが限られるため、室内に水蒸気がとどまりやすく、湿度が高まりがちです。

また、季節を問わず室温も比較的安定しているため、人やペットなどから発生する皮脂やホコリがカビの栄養源になる場合があります。

酸素については、人が生活している限りゼロにはならないので、四つの条件が同時に満たされればカビが活発化しやすいというわけです。

こうした特性を理解し、日頃の掃除や湿気対策を欠かさないことがカビの抑制につながります。

湿気が室内・壁内に溜まっている

高気密住宅は外気の侵入を抑えているため、室内の湿気が自然に逃げにくい特徴があります。

とくに水回りや部屋干しなどから生じる水蒸気を十分に排出しないままだと、湿度の高い状態が持続しやすくなり、カビの温床になる可能性が高まります。

壁紙の裏や天井裏など普段は目に触れない部分で結露が起こると、建材が傷みやすくなるうえ、発見が遅れてカビが広がりやすい点にも注意が必要です。

壁の中に敷き詰めた断熱材が湿気を抱え込むと、性能が落ちるだけでなく建物自体の寿命が短くなることも考えられます。

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カビが繁殖しやすい温度に保たれている

カビは、およそ20~30℃前後の環境で最も繁殖しやすいといわれています。

高気密住宅は断熱性が高く、冷暖房効率も良好なため、室内を快適な温度帯に保ちやすい点がメリットです。

しかし、暖かい空間はカビにとっても好都合となり、湿気が十分に除去されない場所では急速に増える懸念があります。

冬でも少量の暖房エネルギーで室温をキープできる場合が多いため、人目につきにくい納戸やクローゼットに湿気がとどまると、壁や床の裏側でカビの活動が活発化しやすくなるのです。

カビの栄養源となるものがある

カビは、ホコリや木材・皮脂・食べかすなどの有機物を養分として取り込み、短期間で大きく繁殖する可能性があります。

高気密住宅は気流が制限される傾向があるため、部屋の隅や家具の裏にホコリが溜まりやすいです。

掃除が行き届かない場所に繊維くずやホコリが残ると、そこがカビの繁殖源になる危険性があります。

紙類や布製品も微量の栄養を含むので、押し入れを締め切ったままにすると内部に湿気と栄養が蓄積されます。

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高気密住宅でカビが発生しやすい状況とは?

カビが発生しやすい状況は以下の通りです。

  • 換気が十分でないとき(とくに水回り)
  • 部屋干しするとき
  • 梅雨時期や冬
  • 断熱材でグラスウールを使用したとき

高気密住宅は気密性が高いため、結露が起こりやすく、カビのリスクが高い住まいだと誤解されがちですが上記のように発生しやすい状況下の場合に発生します。

それでは一つずつ確認してみましょう。

換気が十分でないとき(とくに水回り)

水回りは湯気や洗濯時の水蒸気が多く発生しやすい場所なため、換気が不十分だと室内に湿気がこもりがちです。

高気密住宅は外気との通気量が限られやすいので、浴室やキッチンで発生した蒸気が十分に逃げず、結露のリスクが高まるでしょう。

部屋干しするとき

高気密住宅で部屋干しをすると、衣類から蒸発する水分が滞留しやすく湿度が急上昇するためカビが発生しやすくなります。

空気の流れが弱い部屋では洗濯物の周辺に湿気が集中し、壁や窓に結露が生じる可能性も高まるでしょう。

カビの栄養源になるホコリが多い所では増殖速度が速くなりやすい点にも注意が必要です。

サーキュレーターや除湿機を活用すると、乾燥した空気を循環しやすくなるので効果的です。

梅雨時期や冬

梅雨時期や冬は外気が多湿だったり、室内外の温度差が大きくなったりするため、結露が生じやすい時期です。

高気密住宅は保温性が高く、室温が安定しやすい半面、湿気が抜けにくい環境になるとカビが急速に増える恐れがあります。

梅雨時期は連日の雨で換気の機会が減り、部屋に湿気が溜まりがちです。

また、冬は暖房を多用するため、窓や壁との温度差が拡大し、結露するリスクがさらに高まるでしょう。

断熱材でグラスウールを使用したとき

グラスウールは軽量で扱いやすい断熱材ですが、施工時に隙間ができやすい点が大きな課題です。

柱や壁との間にわずかな空洞があるだけでも、そこに湿気が溜まればカビの温床になります。

高気密住宅ほど空気の流れが限定されるため、内部結露するリスクが高まるでしょう。

施工段階で断熱材を隙間なく詰め、防湿シートを正しく貼って湿気の侵入を防ぐことが欠かせません。

これらの施工ポイントを守れば、グラスウールを使っていてもカビを予防しながら高水準の断熱効果を保ちやすくなるでしょう。

高気密住宅でよく見られるカビの発生箇所

高気密住宅でよく見られるカビの発生箇所は以下の通りです。

  • 壁の中(グラスウールの場合)
  • 水回り
  • 窓まわり
  • 家具裏やクローゼット内

それでは一つずつ見てみましょう。

 壁の中(グラスウールの場合)

断熱材がグラスウールの場合、湿気を通しやすい特性があり、小さな隙間があると湿気が侵入してカビが発生しやすくなります。

さらに、防湿シートが適切に施工されていないと湿気が断熱材に到達し、乾きにくい状態が続くことも問題です。

こうしたトラブルを防ぐためには、施工精度の向上と壁内部の湿度を調整する換気経路の設計が欠かせません。

回り

回りはトイレや脱衣所など日常的に水を使う場所で、蒸気がこもりやすい環境になりがちです。

入浴時の湯気や洗面台の水蒸気が換気されないと、壁や床に湿気が染み込み、結露やカビの発生につながります。

窓まわり

窓まわりは室内外の温度差が生じやすく、とくに冬場は暖房で室内が暖まると窓ガラスに結露が発生しやすくなります。

この結露が蓄積すると、ゴムパッキンやサッシ部分に水分が溜まり、カビの原因となります。

家具裏やクローゼット内

家具裏やクローゼット内は空気が滞りやすく、湿気がこもりやすい場所です。

壁に近い配置や荷物の詰め込み過ぎが原因で通気性が悪化し、結露やカビが発生しやすくなります。

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カビが原因で起こりうる健康被害

カビの胞子を吸い続けると、アレルギー症状や呼吸器疾患のリスクが高まります。

とくに鼻水やくしゃみ・喘息の悪化・肺炎を引き起こす可能性があり、高齢者や子どもは免疫力が低いため影響を受けやすいです。

また、カビは慢性的な体調不良の原因になることもあります。

カビを発見したら速やかに除去し、発生原因を突き止めることが大切です。

とくに見えない箇所にも広がっている可能性があるため、早めの対応で健康被害を予防しましょう。

高気密住宅でカビを防ぐ方法

高気密住宅の特徴を活かすためには、適切な湿気対策が欠かせません。

内部に湿気がこもらないようにするための具体的な方法を以下にまとめました。

  • 気密性と断熱性を上げる
  • カビ抑制の対策をする
  • 結露しにくい窓やガラスを設置する
  • 換気を行う
  • 通気性を意識した家具家電の配置をする

これらを組み合わせて実践すれば、高気密住宅でのカビ対策を効果的に行いながら快適な住環境を維持できます。

それでは一つずつ見てみましょう。

気密性と断熱性を上げる

高性能な断熱材や建材を使用し、施工時に隙間を減らすことで、室内外の温度差を小さくし、結露を防げます。

施工後に気密測定を行えば性能を確認でき、施工精度を把握する手助けになるでしょう。

隙間が多いと熱が逃げるだけでなく、湿度が高まりやすく結露の原因となります。

気密性と断熱性を高め、湿気のバランスを安定させることで、快適でカビの発生しにくい住環境が実現します。

カビ抑制の対策をする

高気密住宅は温度を一定に保ちやすいですが、湿度管理を怠るとカビの温床になるリスクがあります。

水回りや調理で発生する蒸気を放置せず、換気扇や除湿機を活用して湿気を逃がすことが重要です。

とくに梅雨や夏の高湿度の時期には、エアコンの除湿機能を利用して湿度を下げると効果的です。

結露しにくい窓やガラスを設置する

前述したように、窓まわりの結露はカビの主な原因です。

高断熱・高遮熱の樹脂サッシや複層ガラスを使用すると、外気との温度差を抑えて結露を防ぐ効果があります。

断熱性能の高い窓を採用することで室内の温度差が小さくなり、省エネ効果も期待できます。

さらに、窓ガラスやサッシの清掃を定期的に行い、溝やパッキン部分に水分が溜まらないようにすることもカビ予防に効果的です。

換気を行う

  • 24時間換気システムを常時稼働させる
  • 水回りや料理後に換気扇を十分に動かす
  • 晴れた日には窓を開放し空気を入れ替える
  • エアコンや除湿器を用いて湿気をコントロールする

適切な換気により、湿度を効率的に下げてカビの発生を抑えるだけでなく、室内環境全体を快適に保てるようになります。

通気性を意識した家具家電の配置をする

家具や家電を壁に密着させると空気の流れが悪くなり、湿気が溜まりやすくなります。

これを防ぐためには、壁から少し離して配置し、湿気の通り道を確保することが大切です。

クローゼット内も詰め込みすぎず、通気性を意識しましょう。

また、家具の裏側や収納内部を定期的に清掃してホコリや汚れを除去することで、カビの発生リスクを抑えられます。

空気が循環しやすい配置を心がけることで、湿気対策がより効果的になります。

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Q&A 高気密住宅のカビについて良くある質問

高気密住宅で石油ストーブを使うとカビが生えやすい?

石油ストーブは燃焼時に水蒸気を発生させ、高気密住宅では換気不足で結露やカビの原因になります。

定期的な換気と除湿機の活用で湿気をコントロールしましょう。

カビが生えやすい家の特徴はなに?

通気性が悪く湿気が逃げにくい家はカビが生えやすいです。

換気や掃除を心がけ、湿気とカビの栄養源を減らしましょう。

高気密住宅はカビが生えやすい?

高気密住宅は湿気がこもりやすいですが、適切な換気と除湿対策を行えばカビを抑制できます。

定期的な空気の入れ替えが重要です。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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