2024年11月28日更新

監修記事

建て替えで柱や部材は再利用可能!流れや再利用の例をご紹介

建て替え時に古い部材の再利用は可能です。
部材を再利用できれば、古い家の思い出を引き継げるだけではなく、環境への配慮となります。
しかし、再利用はかえって費用がかかることもあります。
当記事では、建て替えにおける部材の再利用について解説します。

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建て替えで出た古い部材は再利用できる

住宅を建て替える際、建て替え前の古い住宅に使用されていた部材の再利用は技術的に可能です。

下記に再利用できる部材の例をまとめました。

再利用できる部材の例
部材再利用の用途
木くず建築用合板や製紙原料
コンクリートくずレンガや埋め立て資材
ガラスくず骨材や塗料材料、ガラス原料

愛着のある柱や床、建具などを一部でも再利用できれば古材の持つ良さや味わいを新しい家に取り込めます。

大黒柱などの思い入れのある部材を再利用できれば、思い出を引き継げるでしょう。

環境への負担軽減も

部材を単純に廃棄するのではなく、資源の有効利用や地球環境保全の観点からも再利用は重要といえます。

建て替えで出た古い部材を再利用するメリット

建て替えで出た古い部材を再利用すると以下のメリットがあります。

建て替えで出た古い部材を再利用するメリット
  • レトロな建具で雰囲気のある家になる
  • 柱も再利用可能
  • 思い出が失われない

環境への配慮のみではなく、思い出や温かみも残せるので確認しましょう。

メリット1 レトロな建具で雰囲気のある家になる

建て替え時に古い部材を活用すると、レトロで雰囲気のある家が建てられます。

歴史が刻んだ色合いを持った柱や、レトロな建具をうまく採り入れれば、既成住宅にはないこだわりの家となるでしょう。

新しい建具や建材では生み出せない味わい深い雰囲気を楽しめます。

メリット2 柱も再利用可能

建て替え時に再利用できる部材として柱もあげられます。

木材は、温度や湿度によって膨張と収縮を繰り返し、徐々に強度を高める性質があるため、長い期間利用できるでしょう。

樹齢100年の檜(ひのき)は、伐採されてから100年後に強度が最高に達するともいわれるため、古い木材の再利用が適しているケースも存在します。

構造部材としての再利用については注意が必要

昭和40年代以降の住宅に使用された木材には住宅構成部材として再利用できるような寸法がなく、物理的に困難であることが指摘されています。

構造部材として再利用できない柱は、板材に生まれ変わらせる方法もあります。

板材として利用できれば、棚板やテーブルなどさまざまな利用範囲が考えられるでしょう。

メリット3 思い出が失われない

古い家の柱を部分的に利用すれば、新しい家への愛着もよりいっそう増すことでしょう。

子供の身長を記した柱や、両親の気に入っていたガラス戸を用いれば、思い出や歴史とともに暮らせます。

費用面や環境への配慮のみではなく、思い出を大切にしたい理由から愛着のある部材を新しい家に採り入れる人は多くいます。

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建て替えで古い部材を再利用した例

建て替えで古い部材を再利用する際、どの場所で使えばよいか判断に迷うのではないでしょうか。

この項では、建て替えにおける部材再利用の例をご紹介します。

例1 リビングの大黒柱をオブジェに

古い家にある大黒柱は、建て替え時に磨き上げてリビングに埋木することにより豪華なオブジェとなります。

大黒柱は檜(ひのき)や欅(けやき)のような風合いを見せる木材であるケースが多いため、オブジェとすれば味わいのある雰囲気を演出します。

天然木は歳月により風合いを変えるため、新しい家でも変化を楽しめるでしょう。

例2 古い建具に無垢フローリングを合わせて再利用

古い建具を再利用する場合、無垢フローリングとの相性が抜群です。

新しい床材と古い扉を合わせると、どうしてもミスマッチしますが、無垢フローリングであれば調和しやすいでしょう。

一口に無垢フローリングといってもアジアンテイストやモダンなテイストがあるため、古い建具に合う床材が見つかります。

例3 屋根瓦をおしゃれなガーデンインテリアに

古い家の屋根瓦は、粉砕して再利用することでおしゃれなガーデンインテリアになります。

小さく砕かれた屋根瓦は砂利程度のサイズとなるため、敷き詰めれば雰囲気のある庭を演出可能です。

このほかにも、鬼瓦をオブジェとして再利用すると雰囲気のあるお庭となるだけではなく厄除けや魔除けの願いも込められます。

例4 柄付きガラスはお部屋のアクセントに

昭和レトロな雰囲気のある柄付きガラスは、再利用によりお部屋のアクセントとなります。

防湿性や防音性が気になる場合には、室内ドアや小窓としての活用がおすすめです。

柄付きガラスは今では少なくなっているため、独特の雰囲気を演出できます。

例5 家の梁を新たな家の梁に再利用

昨今では、古い家で出た部材を新しい家の梁として再利用するケースも増えています。

古い梁は現代的な造りの家と調和するだけではなく、優しい印象を与えてくれます。

家族が集まるリビングなどに再利用すれば、温かみのある家族団欒スペースとなるでしょう。

建て替えで部材を再利用する時の流れ

古い部材を再利用する場合、一般的な建て替えとは異なった工程を踏みます。

再利用したい部材によっては取り出しや選別に時間がかかるケースもあるため、注意しましょう。

この項では、建て替えで古い部材を再利用する流れを解説します。

STEP
再利用可能な部材を選ぶ

はじめに、再利用可能な部材の選定を行います。

再利用可能かどうかは、強度・耐久性・サイズなどを加味して判断します。

ひび割れや反り、歪み、経年劣化による損傷などがないかも確認が必要です。

再利用が可能かどうかは見た目ではわからないケースが多いため、プロの目でチェックする必要があります。

STEP
建て替え場所まで運ぶ

再利用可能な古い部材は、建て替え業者が作業を行う場所まで運搬します。

長期間にわたって使用された部材は汚れが付着しています。

水洗いをした上で布やワイヤーブラシでこすり、必要に応じて電動工具で削る作業が必要です。

部材の仕上げ方はさまざま

色づけせずに油を引くだけの仕上げ方法である油引きや、紅ガラ・墨・ニカワ・柿渋などを使って好みの色を出す古色塗りなど、部材の仕上げ方はさまざまです。

仕上げた部材は必要に応じて埋木や補修を行い、加工の時まで保管します。

STEP
建て替える家に応じてカットする

建築の過程で部材は作業場に運ばれ、カットやスライス加工が行われます。

木材の状態を観察しながら適材適所になるように配置します。

ずつ丁寧に手作業で柱や床材を加工するため、最も時間を要する工程です。

カットや加工が完了すると、新しい家に利用できる部材となります。

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建て替えで部材を再利用する時の注意点

建て替えで部材を再利用する際、さまざまな注意点があります。

後々のトラブルを避けるためにも、あらかじめ注意点を理解しておきましょう。

注意点1 劣化している場合は再利用できない

建て替えで再利用する部材の中には、劣化により再利用できないケースもあります。

見た目が綺麗であっても強度や耐久性・サイズの面から再利用できないケースがあり、素人では見極めが困難です。

このため、再利用が可能な部材であるかは施工業者に判断してもらいましょう。

解体してみて利用の可否がわかる部材も

解体してみなければ部材としての良し悪しが見極めづらく、解体作業時は非常に手間がかかります。解体時に傷や破損が発生しやすい難点も理解しておきましょう。

注意点2 保管場所を確保する必要

解体業者や建設業者には、再利用する部材の保管場所を所有していないことがほとんどです。

このため、解体した部材を保管しておくためのスペースを確保する必要があります。

保管場所は野ざらしではなく、シートで覆い雨や直射日光を避けり必要があります。

破損や反りを防止するために地面や他の部材と隙間を空け、平になるように保管する必要も。

注意点3 総額は新品より高額になるケースもある

古い部材の再利用は、運搬費や保管費、加工費、設備の設置費などがかかるため新品を調達するよりも高額になる恐れがあります。

新品の柱の材料費は1本3千円程度ですが、再利用の場合には解体費用や人件費がかかるため、結果として費用が高くなってしまうのです。

新しい建材の色合いや質感を合わせる選択の幅も狭まることが、コストを増やす要因となるでしょう。

古い部材の再利用によって材料費が節約できる可能性はありますが、手間暇がかかることから人件費がかかり、高額になるケースを認識しておく必要があります。

再利用は価格よりも満足度を重視したい人におすすめ

古い部材の再利用は費用こそかかりますが、新品では味わえないような満足感や価値が得られるでしょう。

建て替えを依頼する際の最適な業者の選び方

建て替えに相場は存在せず、業者や建物ごとに費用が異なります。

業者によって得意とする条件や特徴があり、業者選びは重要なポイントです。

下記に業者選びのポイントをまとめたので参考にしてください。

業者選びのポイント
  • 建て替えに関する知識や実績の豊富さで選ぶ
  • 口コミや評判の良さから選ぶ
  • 複数の業者に相談して見積もりを依頼する

古い部材を再利用する建て替えでは、古い部材の再利用に関する知識や技術、また実績も考慮する必要があります。

経験や技術に基づいた適切なアドバイスや提案が受けられれば安心して依頼できるでしょう。

希望通りの工事内容が予算内で実現できるか、複数社での比較検討が大切です。

希望の予算やプランを明確に

希望や予算を明確にしてイメージをしっかり共有しておけば、最適なプランを提案してもらいやすくなります。

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【Q&A】建て替えにおける再利用に関するよくある質問

建て替えの際既存のキッチン本体を再利用できますか?

建て替えの際、既存のキッチンの再利用は可能です。

しかし、再設置後にはメーカーの保証がつかないケースが大半でトラブルの際には実費での対応が求められます。

キッチンの耐用年数は10~20年程度といわれているため、ある程度年数が経過した物であれば新設の方が安くつくケースもあるでしょう。

家の建て替え費用の平均は?

国土交通省が発表している「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、建て替えにかかる平均的は費用は5,745万円となっています。

そのうち自己資金の割合は約4割で、費用の約6割を住宅ローンなどの借り入れでまかなっています。

>>家の建て替え費用はこの記事で紹介!

土地と建物を同時に取得する場合の費用

土地と建物を同時に取得する場合の費用の平均額は5,811万円です。

家の基礎の再利用はできますか?

家の基礎は部材の状態が良いものに限り再利用可能です。

再利用するためには、劣化が少なく修復可能な基礎であるほかに、解体時に損傷しない必要があります。

基礎を再利用した場合には、解体前に施工会社と相談を行いましょう。

建て替えは築何年で行いますか?

国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、住宅の建て替えた際の平均居住年数は40.6年です。

住宅の構造によって建物の耐用年数は異なりますが、多くの場合で40年程度で建て替えが行われています。

>>建て替えのタイミングについてくわしくはコチラ

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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