-
木造3階建て住宅は地震が来ると危ない?倒壊リスクや地震に対する強さ、耐震等級を解説
-
木造3階建ては危ない?建築基準法やメリット・デメリットについて解説
-
ホームエレベーター付き3階建て住宅の価格は?導入費用やメンテナンス費用を解説!
-
法改正に対応!木造3階建て住宅で注意すべき建築基準法の制限と設計のポイントを解説!
-
3階建て住宅の平均坪単価は?知っておくべき費用について
-
3階建てに建て替える場合の費用相場や内訳は?工事の流れや日数、建て替え時の注意点も解説
-
建築基準法改正の影響は?木造3階建て住宅に関する法規や注意点!
-
3階建て住宅は老後に後悔するのは本当?安心して住むためのポイントを紹介!
-
3階建て住宅は階段に規定がある!直通階段について解説
2024年11月29日更新
3階建て住宅の1階駐車場は便利!メリット・デメリットを紹介
1階への駐車場は、カーポートやビルドインガレージを設置することで設けられます。設置方法は分かるものの、どれくらいの駐車スペースを設ければ良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、3階建て住宅の1階を駐車場にする方法や駐車台数の目安、メリット・デメリットを紹介します。必要な駐車スペースを確認しながら、2階や3階の使い方を検討してみてください。
目次
3階建て住宅の1階に駐車場を設ける方法

3階建て住宅の1階に駐車スペースを設ける方法に、以下の2つが挙げられます。
- カーポートを設置する
- ビルドインガレージにする
1つずつ順番に紹介していきます。
カーポートを設置する
カーポートとは、屋根と柱で構成された簡易的な車庫のことです。
ガレージとは異なり、壁やシャッターがありません。
1階に設ける場合、建物とは別にカーポートの確保場所を計画しておく必要があります。
十分なスペースが確保できていないと、車の乗り降りが不便と感じてしまう原因にもなるため、設置時にはスペースの確認を行いましょう。
ビルドインガレージにする
ビルドインガレージとは、駐車スペースを建物の一部に組み込んで、シャッターやドアを設置したガレージタイプのことです。
建物の一部として駐車スペースを確保するため、3階建て住宅の1階に設ける場合は、1階の居住スペースが少なくなります。
ビルドインガレージは駐車スペースだけでなく、趣味のスペースとしても使用できるため、車を手放したとしてもスペースが無駄になることがありません。
ビルドインガレージの建築は、大きな開口や構造補強が必要になります。
そのためビルドインガレージを設ける場合と設けない場合では、建築費用が大きく異なるため、設置を予定するなら十分な予算を確保しておく必要があります。
3階建て住宅の1階に駐車場を設ける際の駐車場スペースの目安

1台当たりの駐車スペースは、車によって異なります。
長さ(m) | 幅員(m) | |
軽自動車 | 3.6 | 2.0 |
小型乗用車 | 5.0 | 2.3 |
普通自動車 | 6.0 | 2.5 |
3階建ての場合、4人家族が大半でしょう。
国土交通省「住生活基本計画」によると、50㎡~125㎡が居住面積の水準となります。
ビルドインガレージを設ける場合、車の所有数や種類に応じた駐車スペースが、居住面積に追加されます。
普通自動車1台分のビルドインガレージを設ける場合、普通自動車の駐車スペース15㎡を足すと、75㎡~140㎡の延床面積の確保が必要です。
カーポートやビルドインガレージの場合、「敷地内における建築物の延床面積の5分の1を限度として延床面積に算入しない」という容積率緩和を受けられます。
40坪の土地であれば、8坪分の容積率が緩和されます。
容積率が緩和されることで、延床面積も広く確保可能です。
1階に駐車場スペース付の3階建てを建てる際の建築費用

3階建て住宅の1階に駐車スペースを設ける際にかかる工事費用は、「約150万~250万円」になります。
シャッターを追加する際には、工事費用に加えて30万円ほど必要です。
3階建て住宅の1階に駐車スペースを設ける場合、以下の項目によって費用が変動します。
- 建物の構造
- ガレージの広さ
- ガレージの性能
- シャッターのグレード
1階に駐車スペースを設ける場合、建物の構造によって補強の方法が変わったり、ガレージの遮音性や断熱性の性能によって費用が変動したりします。
3階建て住宅の1階に駐車場(ビルドインガレージ)を設けるメリット

駐車場(ビルドインガレージ)を1階に設ける際のメリットは、以下の通りです。
- 狭小地を駐車スペースにできる
- 防犯面で安心できる
- 趣味・仕事の場所としても活用できる
- 荷物の出し入れがスムーズにできる
- 容積率の除外を受けられる
- 生活スペースに採光を取り入れられる
1つずつ解説していきます。
狭小地を駐車スペースにできる
狭小地とは、15~20坪ほどの小さな土地のことです。
3階建て住宅は各階の床面積が少なくても、積み重ねていくことで居住面積を確保できるため、狭小地に適しています。
15坪~20坪の土地に3階建て住宅を建てる場合、1階に設けられる駐車スペースは1台(普通自動車)が目安になります。
必要な駐車スペースによっては、狭小地が適していない場合があります。
そのため、土地選びではどれくらいの駐車スペースが必要になるのかを、あらかじめ想定しておきましょう。
防犯面で安心できる
ビルドインガレージを1階に設ける場合、鍵が付いている室内で車を保管することになるため、不審者の侵入リスクが減ります。
カーポートの場合、敷地内に屋根はついているものの、壁や鍵のついているシャッターはありません。
常に外部空間でさらされている状態になるため、車にいたずらされるリスクがあります。
趣味・仕事の場所としても活用できる
ビルドインガレージを設けた場合、趣味や仕事の場所としても活用できます。
代わりに使用できる趣味や使い方は、以下の通りです。
- 絵画スペースにする
- 読書スペースにする
- 音楽を演奏する
- ゴルフの練習をする
ホームパーティーを開く場所や子どもの遊び場所、収納スペースとしても使用する方もいます。
荷物の出し入れがスムーズにできる
1階に駐車スペースを設ける場合、玄関との距離が近いため、荷物の出し入れがスムーズにできます。
ビルドインガレージの場合は勝手口があれば、雨や雪の日でも濡れることがありません。
また車の中に荷物を置いていたとしても、シャッターがある場合は盗難されるリスクを軽減できるため、安心して車に保管できます。
容積率の除外を受けられる
駐車スペースを設ける場合、「延床面積の5分の1までを上限に、容積率の計算から除外できる」緩和措置があるため、容積率の除外が受けられます。
容積率の除外が受けられるということは、本来の容積率の範囲よりも、建物をさらに大きく建てられるということです。
緩和措置を活用すれば、40坪の居住面積を確保したうえで、8坪分の駐車スペースが設置可能です。
生活スペースに採光を取り入れられる
3階建て住宅の1階に駐車スペースを設ける場合、2階・3階に居住スペースを確保することになります。
周辺環境や建物の向きによって異なりますが、建物は高い位置にあるほど、採光を取り入れやすいです。
また1階に駐車スペースを設ける場合、車が紫外線に攻撃されないため、ガレージ内の日当たりが悪いことは決して悪いことではありません。
3階建て住宅の1階に駐車場(ビルドインガレージ)を設けるデメリット

駐車場(ビルドインガレージ)を1階に設ける際のデメリットは、以下の5つです。
- 耐震性の高い建物にする必要がある
- 建築費用が割高になる
- 隣の部屋や2階に音・振動が伝わりやすい
- 階段移動が多くなる
- 部屋数が限定される
それぞれ見ていきましょう。
耐震性の高い建物にする必要がある
3階建て住宅を建てる場合、構造計算が義務づけられています。
構造計算は建物の壁や柱、梁などの数量をもとに、建築基準法に適した建物かを事前に見定めるための制度のことです。
構造計算を行う場合、申請費用や構造計算費用などの追加費用が必要です。
数十万円程度かかる場合が多いため、勿体ないと感じることも少なくありません。
構造計算は、建築基準法20条によって定められています。
以下の建物が構造計算の対象になるため、建築時には注意しましょう。
- 高さが13mまたは軒の高さが9mを超える木造建築物
- 地階を除く階数が4以上である鉄骨造建築物
- 高さが20mを超える鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造建築物
- 住宅などの木造建築物で階数が3以上のもの
- 住宅などの木造建築物で延べ面積が500㎡超のもの
2025年4月から法改正により、新2号建築物(※木造2階建てや延べ面積が200平方メートルを超える平屋建て)も構造計算対象建物に該当します。
建築費用が割高になる
1階に駐車スペースを設ける場合、1階部分で確保できる居住面積が少なくなるため、建築費用が割高になりやすいです。
ビルドインガレージは、1階部分に車を出し入れする開口部を設けなければいけませんが、構造上使える構造材の数量には限界があります。
そのため建物の耐震性能を高めるために、他の箇所で構造補強を行う必要があります。
無駄が発生することも考えられるため、建築費用が割高になりやすいのです。
隣の部屋や2階に音・振動が伝わりやすい
1階に駐車スペースを設ける場合、車のエンジン音・振動が隣の部屋や2階に伝わりやすくなります。
普通自動車や小型自動車、軽自動車のデシベル数は、以下の通りです。
定常走行騒音 | 72デシベル |
近接排気騒音 | 100デシベル |
加速走行騒音 | 76デシベル |
駐車時や発進時に発生する近接排気騒音は、大声による歌唱や工事中の音と同等の100デシベルです。
車のエンジンをかけた場合は、賑やかな事務所と同等の72デシベルです。
どちらも大きな騒音に該当するため、音や振動が日常のストレスになってしまうことがあります。
特に、車のエンジン音や振動は就寝時間や起床時間などは、上の階で寝ている家族を起こしてしまう原因になりえるため、寝室の位置はガレージの真上にしないなど注意が必要です。
階段移動が多くなる
3階建ての場合、階段移動が多くなります。
勝手口の階段から2階に上がる場合、重い荷物を運びながら階段を上ることになります。
足腰が悪い方や高齢の方などは、階段がストレスになってしまうことが考えられるでしょう。
最近では、ホームエレベーターが各メーカーで販売されています。
ホームエレベーターがあれば、足腰に不安を感じる方でも、ストレスなく上階に上がれます。
階段移動に不安を感じている場合は、ホームエレベーターの設置も視野に入れましょう。
部屋数が限定される
ビルドインガレージを設ける場合、駐車スペースを設けない3階建て住宅と比べて、部屋数が少なくなります。
部屋数が少なくなることで、家族全員が部屋を確保できないケースが考えられます。
トラブルを未然に防ぐためにも、家族全員が快適に暮らせるようなプラン計画を検討しましょう。
3階建て住宅の1階に駐車場(ビルドインガレージ)を設ける際の設計ポイント

3階建て住宅の1階に駐車場(ビルドインガレージ)を設ける際の設計ポイントは、以下の6つになります。
- 駐車場スペースを広めに確保しておく
- 換気対策を徹底する
- 室内から出入りできる勝手口を設ける
- 電気自動車の購入有無を明らかにする
1つずつ詳しく紹介していきます。
駐車場スペースを広めに確保しておく
将来的に車を購入する予定がある場合には、駐車スペースを広めに確保しておきましょう。
駐車スペースを広めに確保しておかないと、新しい車を購入したときに、車が入らないという問題が発生します。
電気自動車を購入する予定がある場合には、電気自動車用コンセントを事前に確保しておく必要があります。
電気自動車が必要になったタイミングの工事では、電気の配線が引っ張ってこれない可能性もあるため、大きな工事の際に設けておく必要があります。
換気対策を徹底する
車は、ガソリンや灯油から排気ガスが放出されています。
排気ガスの放出は、地球環境や大気汚染を引き起こす原因になります。
排気ガスが室内に充満すると、居住スペースに流れ込む恐れがあり、身体的にも危険です。
そのため、換気扇や窓などによる換気対策が必要になります。
室内から出入りできる勝手口を設ける
室内から出入りできる勝手口を設けることで、雨や風に濡れることなく、車の乗り降りができます。
荷物の出し入れがスムーズに行えるため、車で買い物に行く家庭の場合は勝手口があると便利に使えるでしょう。
勝手口近くや2階に上がった先に収納スペースを設けていれば、ストレスなく、荷物の出し入れができます。
勝手口の設置にはスペースが必要になるため、駐車スペースとのバランスに注意が必要です。
電気自動車の購入有無を明らかにする
1階に駐車場を設ける際、電気自動車の購入有無を明らかにしておく必要があります。
電気自動車を購入した場合、電気自動車を充電するためのコンセントが必要になります。
大きな工事のタイミングでコンセントを設けるのは、決して難しいことではありません。
後からコンセントを設ける場合、電気の配線を該当箇所に引っ張ってくるための工事が必要になります。
後からでも配線を引っ張ってくることは可能ですが、数日間~数週間ガレージを使えない期間が発生します。
あらかじめ電気自動車の有無を決めていれば、後工事が不要になるため、ガレージを使えない期間も発生しません。
3階建て住宅の1階に駐車場(ビルドインガレージ)を設けた際の間取り例

3階建て住宅の1階に駐車場(ビルドインガレージ)を設けた場合の間取り例を紹介します。
1階に駐車スペースを設けた住宅を検討されている方は、間取り例のアイデアを参考にしてみてください。
緑と石のバランスが取れた駐車場付き3階建て住宅

【間取り】
・1F

・2F

・3F

建築面積 | 36.78㎡(11.12坪) |
延床面積 | 106.92㎡(32.34坪) |
施工面積 | 107.61㎡(32.55坪) |
外構とマッチした建物の駐車場付き3階建て住宅です。
駐車スペースは1台確保し、大きな納戸は別のスペースに設ける間取りになっています。
1階を駐車スペースにしたことで、2階・3階が日当たりの良い居住スペースになります。
影響を与えることも少ないため、家族全員が快適に住み続けられる間取りになっています。
二世帯住宅になる駐車場付きの3階建て住宅

【間取り】
・1F

・2F

・3F

建築面積 | 289.49㎡(87.57坪) |
延床面積 | 234.75㎡(71.01坪) |
施工面積 | 289.49㎡(87.57坪) |
機能性がある二世帯住宅に、ビルドインガレージが設けられている間取り例です。
ビルドインガレージになっているため、車が雨や風、紫外線から守れます。
車がないときは、子どもの遊び場所や運動場所としても使用可能です。
駐車場付き店舗と住宅併設の3階建て住宅

【間取り】
・1F

・2F

・3F

建築面積 | 61.27㎡(18.53坪) |
延床面積 | 161.47㎡(48.84坪) |
施工面積 | 175.55㎡(53.10坪) |
駐車場付き店舗と住宅併設できる3階建て住宅です。
1階に1台分の駐車スペースを設けることで、居住者だけでなく、店舗利用者が駐車できます。
アプローチから駐車スペースまでが長く確保されているため、車が歩行者の邪魔になることがありません。
3階建て住宅の1階に駐車場(ビルドインガレージ)を設けた際のよくある質問
駐車場(ビルドインガレージ)を設けた際のよくある質問について、お答えしていきます。
- 1階に駐車場を設ける場合に適した建物構造はどれ?
-
1階に駐車スペースを設ける場合に適した建物構造は、一概に決めつけられません。
メリット・デメリットを参考に、希望に適した建物構造を選ぶようにしましょう。
メリット デメリット 木造 ・建築費用が安価になる
・木材の香り感じられるスペースになる・しっかりとした構造補強や耐震金物の使用が必要になる
・揺れを感じやすい鉄骨 ・耐震性や強度に優れている
・梁や柱の数を木造よりも減らせる・建物の重量が大きくなる
・結露が発生しやすい1階に駐車スペースを設けた場合の「木造」「鉄骨」のメリット・デメリット - 1階に駐車場を設けることは建蔽率に影響する?
-
1階に駐車スペースを設けた場合は、建蔽率に影響しません。
建蔽率は、真上から建物を見たときの建築範囲のことを指し、敷地面積に対する建築面積の割合で計算ができます。
ただ、ビルドインガレージやカーポートは建蔽率に関係ないものの、屋根がかかっているので建築面積には含まれてきます。
建蔽率によって、建築面積が変わってくるため、間接的には関係します。
- 住宅のビルトインガレージにはどんな活用方法がある?
-
駐車スペース以外でできるビルドインガレージの使い方は、以下の通りです。
- 趣味のスペースにする
- 仕事のスペースにする
- 音楽を演奏する
- スポーツの練習をする
- 子供の遊び場所にする
- 収納スペースにする
ビルドインガレージは、駐車するだけでなく、趣味や仕事、収納などの使い方があります。
駐車スペース以外の使い方を想定しながら、間取りを計画することで、使い方の幅が広がります。
- 住宅のビルトインガレージには何台駐車できる?
-
30坪のビルドインガレージの場合、1~2台の駐車が可能です。
駐車台数は、ビルドインガレージの形状や建物の大きさによっても異なります。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
一括見積もりをする