2023年12月15日更新
住宅の建て替えにかかる不動産取得税について詳しく解説!
住宅を建て替えると払う必要がある不動産取得税についてご存知でしょうか。新築ではないのに払う必要があるの?と疑問に思ったり、金額をどのように計算すればいいのか知りたいという方も多いのではないでしょうか。ここでは不動産取得税とその軽減措置について詳しく解説していきます。
住宅の建て替えにかかる不動産取得税とは
不動産取得時に法人個人に関係なく課される税金
不動産取得税とはそもそも、相続以外で土地や家屋などの建物を取得した時に発生する税金のことを言います。
これは個人、法人に関係なく課税されます。
具体的にどのような場合かと言うと、有償でも無償でも、費用がかかっているかどうかに関わらず土地や家屋を取得した時や土地を取得した後に家を建てた時、そしてすでに住んでいた家を建て替えたり改築した時などです。
交換をした場合でも対象になりますし、1日でも取得している日があれば課税の対象になります。
ただし、固定資産税とは異なり、課税されるのは毎年ではなく、取得した時1回のみです。
不動産を取得してから60日以内(都道府県によって異なる場合があります)に、最寄りの税務署などに取得した旨の申請を行います。
住宅を建て替えた場合であれば、その工事が終わってから60日以内に申請を行いましょう。
その申請をもとに算出された金額が税務署等から送られてきて税金を納付する、という流れになっています。
不動産取得税の算出方法
不動産取得税の金額は「取得した不動産の費用×税率」で計算されます。
取得した不動産の価格とは、固定資産評価基準により決められている価格のことです。
そのため、購入した価格ではないという点がポイントになります。
ではその金額はどこに書かれているのでしょうか。
実は固定資産課税台帳というものがあり、そこに記載されている金額が取得した不動産の価格になるのです。
固定資産課税台帳とは何でしょうか。
これは法律によって定められている台帳で、固定資産の所在や所有者をはじめとして、その固定資産がいくらになるのかが書かれているものです。
前述のとおり、この「いくらか」というのは実際の売買の価格ではなく、総務大臣により定められた固定資産評価基準により決められています。
つまり、家の建て替えの場合はその建築にかかった費用ではない、ということです。
固定資産評価基準は3年に1回の見直しがあり、建築費の場合は市場の50%~60%程度になるように設定されていると言われています。
なお、税率は住宅の場合、2021年3月31日までは3%です。
ただし、新築・増築・改築場合、課税標準となるべき額が23万円未満の場合は免税となります。
固定資産税評価額を調べる方法
実際に売買した金額が課税と関係ないのであれば、どのようにしてその取得した不動産の価格を知ることができるのでしょうか。
実は、その固定資産の所在する市町村では固定資産課税台帳を閲覧することができるのです。
納付通知が来る前に金額が知りたいという場合には固定資産課税台帳を閲覧すればいい、ということになります。
ただし、この閲覧には条件があり、誰でも見られるというわけではありません。
その土地や建物の所有者などに限られています。そのため、閲覧するために持参するべき証明書等が必要になります。
閲覧の際に必要な書類等に関しては各市町村に問い合わせをしたり、ホームページを確認しておくことをおすすめします。
また、すでに土地や家屋を持っている人には毎年、固定資産税の納付通知が送付されますが、そこにも固定資産税評価額は記載されています。
一度確認してみるとよいでしょう。
住宅を建て替える際にかかる不動産取得税の軽減措置について
不動産取得税の1,200万円の軽減措置とは
新築の家を購入した時や一定の条件のもとで家を増改築した場合に適応される不動産取得税の軽減措置があります。
軽減措置の上限額は1,200万円なので、軽減措置後の計算式は「(住宅の価格-1,200万円)×税率3%」です。
もし、住宅の価格が1,200万円以下の場合はその金額になります。
そのため、住宅の価格が1,200万円以下の場合には不動産取得税はまったくかからないということになります。
ところで、ここでいう住宅の価格とはさきほど説明した取得した不動産の費用と同じ意味で、実際に建築にかかった費用ではなく、固定資産評価基準により算出されている金額になります。
この点は注意が必要です。
住宅の価格が1,200万円の場合、実際に建築費としてかかったのは2,000万円前後だと予想がつきます。
実は、多くの住宅の建築費はここに当てはまることになるのです。
つまり、ある程度の標準的な住まいを個人が建設しようとしたときに、不動産取得税がかからないことを目的として考えられているのがこの軽減措置であるということがわかっていただけると思います。
1,200万円の軽減措置を受けられる条件
では、どのような条件が揃えば1,200万円の軽減措置をうけることができるのでしょうか。
戸建てを建て替えするときにはその家に住むことを前提として、床面積が50㎡以上、240㎡以下である必要があります。
また、マンションの場合には共用部分を持ち分に応じて按分した面積を専有面積に足した数字が、50㎡以上240㎡以下である必要があります。
その家に住むという言葉の定義については月に1日以上のことであり、別荘などは含まれないので注意が必要です。
(毎月1日以上居住すればセカンドハウスとなり、軽減措置の対象になります)また、建て替えから1年以内に増築をして240㎡以上になった場合には条件から外れるので、軽減措置は受けられないことになります。
もし軽減措置がなされていた場合には追加で納税する必要が出てきますので注意しましょう。
以上が建て替えの時に適用される軽減措置の条件ですが、この他にも中古物件を購入した時や土地を購入したときに適用される条件が多くあります。
各都道府県や市町村のホームページで詳しく書かれていますので、必要に応じて確認してみましょう。
不動産取得税の軽減措置を受ける際の申告について
軽減措置を受ける際には不動産を取得してから60日以内に各都道府県に届け出を出すことになっています。
その際、不動産取得税申告書か不動産取得税課税標準の特例適用申請書が必要になります。
このほか、不動産取得税の通知書や建て替えに関する建築の契約書なども必要になりますので、対象となる不動産の所在地である都道府県のホームページなどで確認してから準備しましょう。
前述のとおり、申請するかしないかで支払う金額はかなり異なります。
建て替えの際には忘れずに申請するようにしましょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。
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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
タクトホームコンサルティングサービス
亀田融一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。
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