2024年04月11日更新
二世帯住宅の登記!区分登記にするのはなぜか?
二世帯住宅の区分登記
二世帯住宅を登記する際の登記方法には、「単独登記」、「共有登記」、「区分登記」の3種類があります。
どの方法で登記すべきかというのは、家庭の状況や建物のタイプによってそれぞれ異なります。
そのため、自分に最適な登記方法を選ぶためには3種類全ての登記について知っておくことが重要です。
ここでは、それぞれの登記方法について紹介します。
まず単独登記について紹介します。
単独登記とは、二世帯住宅を1戸の住宅とみなし、親もしくは子のどちらか片方の名義で登記する方法のことをいいます。
一世帯住宅の多くはこの単独登記とされているケースが多く、最もシンプルな登記方法であるといえるでしょう。
単独登記では住宅の名義人が一人のみであるため、対象の住宅が誰の所有物であるかが明確です。
住宅を担保にして融資を受けたり、将来的に賃貸や売買などを行ったりする際に、単独登記であればスムーズに手続きを進めることができるでしょう。
ただし、二世帯住宅で単独登記とする場合には注意が必要です。
住宅の購入資金を提供した人の名義で登記しなければ、親子間で贈与があったと見なされ贈与税が課税される可能性があります。
仮に親子が協力して資金をそれぞれ出し合ったにも関わらず、どちらか片方の名義で単独登記する場合などは注意しましょう。
次に共有登記について紹介します。
共有登記とは、二世帯住宅を1戸の住宅とみなし、親と子が共有名義で登記する方法のことをいいます。
共有割合は必ずしも半々にしなければならないというわけではなく、家を建てる際の出資率に応じて共有の割合を決めることができます。
仮に親子の出資額に大きな差があるにも関わらず共有割合を半々としてしまうと、出資率の大きい者から小さい者へ贈与があったとみなされます。
この場合も贈与税の課税対象となることがあるため注意しましょう。
最後に区分登記について紹介します。
区分登記とは、二世帯住宅を2戸の住宅とみなし、親子がそれぞれの名義で登記する方法のことです。
区分登記とすることによって、親世帯と子世帯の両方が住宅ローン控除や減税措置を受けることができるため高い節税効果を期待できます。
ただし、二世帯住宅で区分登記を行う場合は住宅のタイプが完全分離型でなければなりません。
また、住宅内部でそれぞれの世帯の居住空間を行き来できるような間取りである場合、鍵付きの扉などで通路を仕切ってそれぞれの居住空間を完全に分離できる必要があります。
二世帯住宅の区分登記!何が違う?
区分登記と他2つの登記とで大きく異なる点は、住宅を1戸と見なすか2戸と見なすかという点です。
先述の通り、単独登記や共有登記は二世帯住宅全体を1戸の住宅であると見なして登記します。
一方、区分登記は二世帯住宅をそれぞれの世帯毎の居住空間に区分し、2戸の住宅であると見なして登記します。
二世帯住宅を2戸と見なすことによって、住宅ローン減税でお得になったり、後述する税制上の優遇措置を受けることができるケースがあります。
住宅ローン減税というのは、住宅を取得する際にローンを利用する場合、ローンの年末残債によって翌年以降の固定資産税が減税されるという制度のことです。
二世帯住宅で親子それぞれが住宅の購入資金を出資しローンを組む場合は、この住宅ローン減税をそれぞれの世帯が受けることができます。
減税の適用を受けるためには床面積などの要件を満たす必要がありますが、住宅購入時の経済的な負担を軽減することができるでしょう。
ただし、二世帯住宅で区分登記とする場合は住宅のタイプが完全分離型でなければなりません。
必ずしも建物が2棟に分離していなければならないわけではありませんが、玄関がそれぞれ別に設けられていることが条件となります。
また、内部で両世帯の居住空間を行き来できるような間取りとなっている場合は、鍵付きの扉などで居住空間を完全に分離できる構造になっている必要があります。
二世帯住宅を区分登記することによって得られるメリットも大きいのですが、いくつかデメリットも存在します。
たとえば、区分登記は二世帯住宅を2戸として登記するため、登記費用が2戸分必要となってしまします。
登記を司法書士などに依頼する場合、登記費用は約2倍になると考えておいた方がよいでしょう。
また、区分登記した住宅には所有者が複数いることになります。
そのため、区分登記している二世帯住宅を担保として新たにローンを組む際には、名義人全ての同意が必要となります。
もし将来的に二世帯住宅の売買や賃貸を行う場合も、相手方の同意を得なければなりません。
たとえ自分の持ち分であったとしても、区分登記している場合は自由に処分することができなくなるという点には注意しましょう。
二世帯住宅の場合の区分登記!税制上はどうなるか?
二世帯住宅で区分登記している場合、要件を満たしていれば税制上の優遇措置を受けることができます。
区分登記とすることによって、どのような扱いとなるのかについて説明します。
まず、二世帯住宅を区分登記とすることによって固定資産税を節税することができます。
土地に課税される固定資産税については、土地の用途が住宅用地であれば小規模住宅用地の特例という軽減措置が適用されます。
これは、住宅用地のうち200平方メートルまでの部分に関して評価額が6分の1に軽減される、という制度です。
この特例があることによって、住宅用地にかかる固定資産税を低く抑えることができるのです。
二世帯住宅で区分登記としている場合、要件を満たしていれば小規模住宅用地の特例を2世帯分受けることができ、高い節税効果を期待できるでしょう。
他にも、区分登記とすることによって不動産取得税を節税することもできます。
不動産取得税とは、新たに土地や建物を取得した際に一度だけ課税される税金のことです。
この不動産取得税は対象となる土地や建物の評価額に税率を乗じて算出した額が課税されます。
不動産取得税に関しては、一定の要件を満たしていれば評価額から1,200万円が控除されるという軽減措置が定められています。
二世帯住宅で区分登記している場合、住宅を2戸見なすためこの軽減措置についても2戸分受けることができ、合計で2,400万円が控除されます。
たとえば二世帯住宅の評価額が仮に約3,000万円だったとしましょう。
この時、1,200万円の控除が1戸分適用されるか2戸分適用されるかの違いによって、実際に課税される不動産取得税の金額に約30万円の差が生じます。
課税されるのは1度だけとはいっても、住宅の購入費用が大きければその分税額も大きくなるため、抑えられる費用についてはしっかり節税しましょう。
このように、区分登記することによって固定資産税や不動産取得税を節税することができます。
親子それぞれの名義で登記することによって税制上の優遇措置を受けられるというのは魅力的ですが、相続についても忘れてはなりません。
名義が別々であるため、仮に親世帯が亡くなって居住中の二世帯住宅を相続することになった場合、相続税が発生することがあります。
この相続税を抑えるために、小規模宅地の特例を利用するという方法があります。
小規模宅地の特例とは、被相続人の土地を相続人が相続する場合、要件を満たせば宅地の評価額を80%まで減額するという制度です。
土地の相続税は評価額から基礎控除額を差し引いて、そこに相続税率を乗じ、さらに控除額を差し引いて算定します。
小規模宅地の特例の適用を受けることができれば、土地の評価額が80%減額されます。
場合によっては免税点以下になり非課税となることもあるでしょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
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