2024年10月17日更新

監修記事

二世帯住宅の住宅ローンの組み方とは?メリット・デメリットを解説

二世帯住宅の住宅ローンには、収入合算・親子リレーローン・親子ペアローンの3種類があります。
本記事では、二世帯住宅の住宅ローンの組み方やメリット・デメリットを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

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二世帯住宅の住宅ローンの組み方

出典:写真AC

二世帯住宅の住宅ローンを組む際は、親世帯と子世帯が共同で出資できます。

親子で組める住宅ローンの種類は、収入合算・親子リレーローン・親子ペアローンの3種類です。

親子が共同で出資することにより、親または子が一人で住宅ローンを組むよりも借入できる金額が増え、希望する住宅ローンを組みやすくなります。

親子の収入を合算して住宅ローンを組む

収入合算とは単独で希望する金額の住宅ローンを組めない場合に、親と子の収入を合算する方法です。

収入を合算できる相手の要件は決まっており、誰とでも合算できるわけではないので気を付けましょう。

原則として、同居している親子または配偶者で、満70歳未満の人が対象となります。

収入を合算する際の割合はとくに決められていません。どのような割合でローンの金額を負担するかは各家庭で話し合って決めましょう。

親子リレーローンを利用する

親子リレーローンとは、親が住宅ローンの返済を行った後、途中で子が返済を引き継ぐ形式です。

はじめに収入の多い親世帯が返済を負担し、親が退職してからは子世帯が返済を負担します。

返済期間を長く設定できるようになり、月々の返済額は少なくなるのが特徴です。

親の年齢制限がないため、満70歳以上の方もローンを組めます。

親子ペアローンを利用する

親子ペアローンとは、親子が別々に住宅ローンを組む形式です。

親子がそれぞれ住宅ローンを組むと借入可能額が増え、高価格帯の二世帯住宅を購入できるようになります。

親子ペアローンを利用するためには、親と子がそれぞれ住宅ローンの審査に合格する必要があります。

原則として、同居している親子で満70歳未満の人が対象です。

二世帯住宅の住宅ローンのメリット・デメリット

どの住宅ローンを選ぶかによって、それぞれメリット・デメリットは異なります。

借入したい金額やライフスタイルにあわせて、適した住宅ローンを選びましょう。

収入合算のメリット・デメリット

メリットデメリット
・借入できる金額を増やせる
・合算した収入で住宅ローンの審査を受けられる
・住宅ローンの契約が1つになり、手続きの負担が減る
・名義人が返済不可能になった場合、連帯保証人が返済義務を負う
・住宅ローン控除の対象になるのは契約者のみ
・親が亡くなっても、残っているローンは免除されない

収入合算で住宅ローンを組むメリット・デメリットは上記の通りです。

一般的に収入合算は、親または子のみでは希望する住宅ローンの金額まで届かないときに利用されます。

親がすでに退職している場合や、単独では収入が低く住宅ローンを組めない場合におすすめです。

親または子が頭金のみを負担し、もう片方が住宅ローンを契約する場合にも適しています。

親子リレーローンのメリット・デメリット

メリットデメリット
・親子のライフスタイルに合わせて住宅ローンを組める
・収入を合算することで審査に通りやすくなる
・親と子にそれぞれ住宅ローン控除が適用される
・返済期間を長くすると月々の負担を減らせる
・親が早くに亡くなった場合、子の負担が想定よりも大きくなる
・子が住宅ローンを返済できなくなった場合、家を手放すことになる

親子リレーローンで住宅ローンを組むメリット・デメリットは上記の通りです。

親子リレーローンは他の住宅ローンと異なり、親の年齢が満70歳以上でもローンを組めます。

また、他の住宅ローンでは完済時に親が満80歳未満でないといけませんが、親子リレーローンの場合は完済時の年齢制限がありません。

親の年齢制限により他の住宅ローンを組めない方は、親子リレーローンを検討するのがおすすめです。

親子ペアローンのメリット・デメリット

メリットデメリット
・借入可能額が増えて高額な住まいを購入できる
・親子で住宅ローン控除が受けられる
・親子で団体信用生命保険に加入できる(死亡後は借入残高がゼロになる)
・各々で返済期間や金利を選択できる
・住宅ローンの契約に関する費用や手間が増える
・親子がそれぞれ審査に合格しなければならない

親子ペアローンで住宅ローンを組むメリット・デメリットは上記の通りです。

親子ペアローンは各々で住宅ローンを組むため、両世帯が安定した収入を得ている場合に適しています。

一般的に親は申し込み時に満70歳未満、完済時に満80歳未満の方が対象となるため、親の借入期間は短くなる傾向です。

親子ペアローンは、親と子がそれぞれ団体信用生命保険に加入したい場合にもおすすめです。

団体信用生命保険に加入すると親が亡くなった際は保険が適用され、子が親のローン残高を負担しなくて済みます。

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二世帯住宅の登記方法と注意点

出典:写真AC

登記とは、不動産の所有者をはっきりとさせるために帳簿へ記録することです。

二世帯住宅における登記方法は、単独登記・共有登記・区分登記の3種類があります。

ここでは、登記の種類と登記費用を紹介します。

単独登記

費用約10万円

単独登記とは、親子のどちらかが単独で所有する住まいとして登記する方法です。

一般的には、住宅を購入した親または子の名義で登録します。

親と子が共同で資金を出している場合は、単独登記を行うと相続税や贈与税が発生します。

共有登記

費用約10万円

共有名義とは、二世帯住宅を親子で所有する住まいとして登記する方法です。

出資した金額に応じて登記を行うため、贈与税や相続税がかかる心配はありません。

共有名義の二世帯住宅は、住宅ローン控除が親世帯と子世帯の両方に適用されるメリットもあります。

区分登記

費用約20万円

区分登記は、親世帯と子世帯をそれぞれ一戸とみなして登記する方法です。

区分登記の対象になるのは、親世帯と子世帯の住空間が分かれている完全分離型の二世帯住宅のみです。

登記費用は他の登記方法と比べて高額ですが、二戸分の税制優遇措置を受けられるメリットがあります。

二世帯住宅を購入する際の税制優遇措置

要件を満たす二世帯住宅は、二戸分の税制優遇措置を受けられます。

登記方法によっても受けられる控除の内容は変化するので、あらかじめ把握しておきましょう。

住宅ローン減税

住宅ローン減税とは、住宅ローンの残高に応じて所得税または住民税が0.7%控除される制度です。

住宅ローン減税が適用される条件は以下の通りです。

  • 住宅ローンの返済期間が10年以上である
  • 床面積が50㎡以上あり、1/2以上が居住用である
  • 年間の所得が合計2,000万円以下である
  • 引き渡しまたは工事完了の日から6か月以内に入居している

二世帯住宅の登記を共有登記または区分登記で行った場合は、親世帯と子世帯がそれぞれ住宅ローン減税の対象になります。

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税は住まいや土地を購入した際にかかる税金です。

税額は、固定資産税評価額に税率3%をかけて算出します。

建物が以下の要件を満たしている場合は、不動産取得税の軽減措置として固定資産税評価額から1200万円が控除されます。

  • 床面積が50m2以上240m2以下の建物

また、二戸と認められた二世帯住宅は、2200万円の控除を受けることが可能です。

完全分離型の二世帯住宅は、登記方法に関係なく二戸分の控除を受けられます。

固定資産税と都市計画税の軽減措置

固定資産税は、住まいや土地といった不動産の所有者が支払う税金です。

都市計画税は、市町村により定められた地域の不動産所有者に課せられた税金です。

建物の固定資産税は、以下の要件を満たしている場合に1戸あたり120㎡までの範囲内で固定資産税が1/2に減額されます。軽減措置の対象となる期間は新築から3年間です。

  • 床面積が50m2以上240m2以下の新築住宅

土地の固定資産税は、200m2以下の住宅用地で固定資産税が1/6、都市計画税が1/3に減額されます。

また、200m2を超えた部分については固定資産税が1/3、都市計画税が2/3に減額されます。

不動産取得税の軽減措置と同じく、二戸と認められた二世帯住宅は二戸分の軽減措置を受けることが可能です。

相続時の減税措置

共有登記または親世帯による単独登記の場合、土地面積330m2までの評価額が80%減額される軽減措置を受けられます。

完全二世帯住宅で区分登記を選んだ場合は、軽減措置が適用されないので気を付けましょう。

相続時の減税措置を利用したい場合は、完全分離型の二世帯住宅であっても共有登記または親世帯による単独登記を選ぶのがおすすめです。

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二世帯住宅の施工事例

既存の住宅から二世帯住宅へリフォームした事例を紹介します。

リフォーム費用や施工期間を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

完全分離型二世帯住宅へリフォームした事例

玄関が別々の二世帯住宅へリフォーム
リフォーム費用約4000万円
施工期間約6か月
面積194m2

親世帯と子世帯で気を遣わずに過ごせるよう、玄関を別々にした二世帯住宅の事例です。

洗面と脱衣所を各世帯で分けて設置し、プライバシーに配慮しました。

親世帯が暮らす一階はバリアフリーにし、将来的にも住みやすい空間を実現しています。

完全分離でありながら一階と二階の行き来もしやすく、家族が暮らしやすい設計です。

耐震性・断熱性を高めた二世帯住宅へリフォーム

築42年の5DKを二世帯住宅へリフォーム
リフォーム費用約2688万円
施工期間6か月
面積141m2

一人暮らししていた築42年の5LDKを二世帯住宅へリフォームした事例です。

耐震性や断熱性を高め、長く住みやすい二世帯住宅に生まれ変わりました。

キッチンや浴室などの水回りと玄関を完全に分離した、両世帯が気兼ねなく過ごせる間取りです。

ワンフロアの二世帯住宅へリフォーム

プライベートに配慮したワンフロアの二世帯住宅
リフォーム費用約2036万円
施工期間3か月半
面積146m2

プライベート空間を大切にしつつ家族でも集まれる、ワンフロアの二世帯住宅へリフォームした事例です。

動線が玄関でしか交わらないように間取りを工夫し、各々の生活スタイルで暮らせる住まいを作りました。

親世帯が安心して暮らせるように、トイレと浴室には手すりを設置しています。

面積の広いリビングを作り、家族や親せきで楽しく過ごせるスペースも用意しています。

二世帯住宅できついローンを組まないためのポイント

二世帯住宅の住宅ローンを組む際は、将来のことも考えて資金計画を立てるのが大切です。

資金計画が不十分だと、予想外の出費が増えてしまい住宅ローンの返済をきついと感じる場合もあります。

二世帯住宅の住宅ローンを組む際は、以下のポイントを忘れずにチェックしておきましょう。

諸費用も含めて資金計画を立てる

二世帯住宅を建てる際は、本体工事費以外にもさまざまな諸費用がかかります。

諸費用を含まずに資金計画を立ててしまうと、想像以上に費用が膨らんでしまうので注意しましょう。

二世帯住宅の本体工事費以外には、付帯工事費・登記費・火災保険料・住宅ローン手数料などがかかります。

これらの費用も予算内に収めて資金計画を立てると、予算オーバーしてしまうのを防げます。

維持費やメンテナンス費を視野に入れる

親世帯と子世帯が住む二世帯住宅は、一般的な住宅よりも維持費が高くなりやすいです。

住まいが大きくなると水道代や光熱費、固定資産税の負担が大きくなる可能性もあります。

建物や設備が古くなった際のメンテナンス費も、単世帯に比べると費用が高額になりやすいでしょう。

二世帯住宅を購入する際は、長い目で見たときにかかってくる支出も把握しておくのがおすすめです。

生活スタイルが変化する可能性を考慮する

住宅ローンは一般的に長い期間をかけて返済していくため、返済期間中にライフスタイルが変化するケースも考えられます。

将来的に親の介護が必要になったり子供が生まれたりして、支出が増える可能性も考慮しておきましょう。

また、親子で住宅ローンを組んでも団信に加入していない親が早く亡くなると、子の負担が重くなってしまいます。

きつい住宅ローンを組まないためには、こういった可能性やリスクも視野に入れておくと安心です。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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