2023年12月14日更新
条件付き土地を購入のときの注意ポイントとは?
目次
知っておきたい「条件付き土地」の仕組み
条件付き土地とは?
「建築条件付き土地」とは、土地取引の一形態で、土地の売買契約と建築契約がセットで広告販売されているものを言います。
土地を所有している者(又は不動産関連の会社)が、土地購入希望者に対して、一定の期間内に、所有者側が指定した建築業者と土地購入希望者の間で、建築請負契約が成立することを条件に販売をしている土地の事を指します。
そもそも、建築条件付きで売出す目的は、魅力的な低価格や販促広告で短期間に完売し利益を確定するところにあります。オーダーメイド(注文住宅)の考え方とは全く違い多くの縛りがあります。
しかし、この販売方法は独占禁止法に抵触する可能性があるので、業界ルールとして自主規制を設けています。
1:条件の一つとして、3か月ほどで建築契約を交わす
2:建築請負契約を交わさない場合は、土地の手数料を含む預かり金を返済する
3:建築を請け負う業者または建築会社は土地の売り主又は代理人でなければならない
建築条件付き土地を購入する際は、上記の3点に留意する必要があります。
土地を相場より安く購入できる
土地を安く購入する一つの方法としては、土地所有者との直接取引があります。
不動産業者を中間に介さない事で、購入費用を安く収める方法です。
この方法のデメリットは、
1:素人では分からない問題点を見つけることが出来ない
2:不動産調査を自分でしなければならない
(土地に関する法規制を調べなくてはならない)
などです。
また、訳あり物件や事故物件は安く購入できますが、何らかの理由が必ずあるものです。
この様な物件は出来れば避けた方が無難でしょう。
「建築条件付き土地」を安く手に入れたいと思う方は、業界の閑散期や決算期がねらい目と言われています。
閑散期とは梅雨が明けるころから、10月くらいの時期を言います。
(地域によっては梅雨明けから4月くらいのところもあります)
決算期は業者や会社により異なります。
売る側の営業もこの2つの時期はかなり追い込みをかけることもあるので、値引き交渉がしやすいと言われています。
売主は土地と建物両方から利益を出す
「建築条件付き土地」の価格は、条件のない土地と比べて安くなっている場合が多くあります。
これは、土地を販売した利益に建築利益を上乗せして得られると試算されているからです。
利益が低めでも、合わせて建築の請負契約を交わすことで、トータルとして相応の利益が見込めるようになっています。
例えば、条件なしの土地の価格で3,500万円の物件が、条件付きになると3,000万円くらいになることがあります。
一見500万円の損失のように見えますが、実際は建築契約に上乗せされ、購入者が負担することがほとんどです。売り主は損失を出すことなく、土地価格をリーズナブルに見せることができます。
「建築条件付き土地」が条件のない土地より安いのは、家の建築費用としてあとからカバーさせる仕組みになっているからです。
「売り建て住宅」とも呼ばれプランの自由度は下がる
よくまちがえやすいものとして、「建売住宅」と「売り建て住宅」という言葉があります。
「建売住宅」は、土地の上に既に完成又は完成直前の土地付の家が販売されているものです。
「売り建て住宅」は、更地にこれから指定された建築業者が家を建てる物件を言います。
「建築条件付き土地」で家を建てると「売り建て住宅」と呼ばれます。
注文住宅との違いは、建築業者やハウスメーカー、建築デザイナーを自由に選べないことです。
設計前の打ち合わせの段階から、建築業者が要している建物の設計モデルから選択して、発注するケースがほとんどです。
建築条件付き土地の購入から建物の完成まで
建築条件付き土地を購入してから建物が完成するまでに、どのような手順を踏んで進めていくとよいのでしょうか。
建築業者を自由に選べない、一定期間のうちに建築業者と請負契約を行うという条件があることから、その条件を確認しながら、次のような流れで進めていくことになります。
1.土地の売買契約を締結する
2.指定されている建築業者と、建物の間取りや仕様についての打ち合わせをする
3.建築業者と建築工事請負契約を締結する
4.建築工事の着工
5.建物の完成→入居
条件の1つにある「一定期間」というのは、上記の1~3までの期間をいいます。
この一定期間内に建築工事請負契約を締結できないと、土地の売買契約が白紙になってしまい、売主が支払った手付金や預かり金などは、全て買主に返還されることになります。
条件付き土地の購入で気を付けたいポイント
「プランは自由」を鵜呑みにしない
建築業者があらかじめ決められていると、建物の工法の選択肢は狭まってしまうでしょう。
どうしても建築業者の得意、または慣れた工法での建て方をすすめられてしまうからです。
例えば軽量鉄骨のパネル工法を希望していても、建築業者にその技術がなければ、要望は却下されます。
「建築条件付き土地」の場合、その土地に建てる住宅は「フリープラン」と呼ばれることも多いようですが、自由設計の注文住宅に近いケースはまれで、ほとんどは建築業者の提示したプランから選ぶことが多いものです。
間取りや設備関連は固定化されているケースも多く、どれほどの自由度があるかは事前確認を要します。
建築業者によりますが、ある程度の自由度を受け入れる場合と壁紙の変更程度しか聞き入れてくれない建築業者と様々いるので、十分納得するまで打ち合わせをしなければならないでしょう。
設備の条件も確認しておきたい
注文住宅の場合は、設備関係の器具類を施主支給で設置することは可能ですが、「建築条件付き土地」での売り建て住宅の場合は、建築業者の提示したカタログから選ぶことが多くあります。
許容範囲の広い業者であれば、オプションとして別途費用が加算されるものの、設置はしてくれることもあります。
ハウスメーカーは設備関係をパック商品化していることもありますが、施主支給の物でも受け付けてくれます。
家を建てることにおいて、注文住宅の設備は門戸が広く、「建築条件付き土地」の場合は制限がかなりあるという事です。
「土地」と「建物」を同時に契約する必要はない
「建築条件付き土地」の契約において、してはいけないことがあります。
それは「『「土地の契約』と『建物の建築請負契約』を同じ日にすること」です。
この2つの契約の期間は、出来るだけ離しておくことがトラブルの回避に繋がります。
買主の権利として、土地の売買契約締結後、建築計画の合意を建築業者と結べない場合は、ノーペナルティーで白紙撤回が出来ます。これは支払った手数料を含む金額が戻ってくるということです。
売り主側としては、建築計画が白紙撤回されると土地売買そのものが無くなることになります。
売り主側はこのデメリットを回避するために建築契約の締結を早めたがりますが、買主側は法的には応じる必要はありません。
建築契約締結に際して気を付けるべき点は、契約内容に何が含まれているか、含まれていないものに対してオプションが掛かるか否かを精査することです。充分な確認を得た時点で、署名、押印をするようにしましょう。
建築途中での追加・変更工事はよくあることなので、その場合の対応についても十分な打ち合わせをしておくことで、完了後のトラブルを回避することが出来ます。
また、建築契約内容の基本プランに買主側が納得しない場合や大きな変更が受け入れられない時は、白紙撤回を考えなければなりません。
この時に、土地契約のあとすぐに建築請負契約を済ませてしまっていて白紙撤回する権利を失っていた場合、不本意な計画を受け入れるか、本来であれば支払わなくても良い違約金を支払って解約手続きをするかを選ぶことになります。
不本意な計画で建てた家に住まわれた方は、10年、20年たっても新築時の不満が長く残ってしまうことも考えられます。
建築条件付き土地を購入するのが向いている人
このような建築条件付き土地を購入して、家を建てるのに向いているのは、どのような人なのでしょうか。
一番適しているのは、3カ月間で納得して建物の請負契約を結ぶことが可能な、時間的に余裕がある人です。なぜなら、土地の売買契約を結んでから、指定された建築業者と打ち合わせをすることになるためです。
通常であれば、契約に至るまでには建築業者と何度も打ち合わせを重ねることになり、時間もかかってしまいます。
しかし、建築業者が示すプランについて、一定の期間内に詳細を確認しながら自分の思うイメージになるように調整していくには、ある程度の時間が必要です。
また、予算にある程度余裕がある人も向いています。本来なら、予算内に収めるために、建築業者が提案するプランについて、設備のグレードや機能を確認しながら、予算との調整をすることになります。
しかし、その調整を行う時間の余裕がないものの、どうしても契約したいと考えるのなら、予算を多少超えていたとしても提案されたプランで契約できる金銭的余裕があると安心です。
できるなら、一定期間内に何度も建築業者との打ち合わせを繰り返して、設備の詳細をカタログなどで確認するといった粘り強さを持ってください。
自分のイメージに合わないのであれば、解約しても構わない、そんな覚悟を持って臨むようにするとよいでしょう。
条件付き土地の外し方
1棟建ての土地なら建築条件を外すことも可能
「建築条件付き土地」の条件外しは、1棟だけ建てられる土地の販売がされている場合は、可能だと言われています。
自社のブランドで家並みを作り統一感を演出したい開発会社は、複数棟の家並みの中に、1棟だけ違うデザインの建物があるとイメージが壊れ、また他客からのクレームなどが考えられ受け入れることはありませんが、1棟建て土地なら金額さえ合えば可能な場合もあります。
あくまでも売り主側が土地だけを売っても良いと判断すれば、改めて金額が提示されます。
タイミングと状況で合意してくれることもある
売り手側のタイミングと状況によっては金額の上乗せで「建築条件付き土地」の条件を外してくれる場合もあります。
決算時や資金繰りで取り急ぎ現金が必要など、不動産業界では結構あり得るタイミングなので打診してみる価値はあります。
ただし、売り主側の指定建築業者に依頼することで得られるはずの利益補填のため、土地の販売価格を大幅に引き上げてくる可能性があります。
通常は約400万~600万円位+土地の造成費用が加算された金額が相場と言われます。
誠意と熱意を持った交渉で挑みましょう
「建築条件付き土地」の条件を外してもらう交渉の際に、ハウスメーカーの営業担当者だけに一任するのは止めましょう。
売り主側から見れば、購入希望の買い手の本気度が判らず、交渉にならないこともあります。条件外しの交渉には本人とハウスメーカーの営業が同席の上、売り主側と話し合わなければなりません。
本来、売り手側には何の瑕疵もない条件です。買い手の誠意と熱意が伝わらなければ、交渉の窓口も開きません。
ハウスメーカーの営業が同席するメリットは、プロとしての交渉力です。
ハウスメーカー側としても早く建築請負契約が交わせれば、利益の確定になるので、積極的に動いてくれることが多く見受けられます。
また、購入希望の土地に望む形の建築物が建てられるか見極めて貰えるので、買主側にとっても予算や予定が立てやすくなります。
買主が単独で交渉するよりも、はるかに良い条件での交渉が期待できます。
希望の土地を見つける方法について
これまで不動産を購入されたことがない方は、出来るだけ深く広く不動産取得の知識を得なければなりません。
しかし、インターネットで情報を得る場合、不正確な情報も多く散見されるので、気を付けなければなりません。
書籍の場合は、法令が毎年変わり、その都度改訂版が出るのでどれを選んでよいか注意が必要です。
不動屋さんに直接聞きに行く方法もありますが、契約への本気度が分からない場合は多くの情報を開示してもらえないこともあるようです。
そんな中、手軽で学べることの多い方法は、無料で土地探しから家を建てるまでの講座を行ってくれる会社を探すことです。
講座の時間は約90分から2時間位が多く、土地の探し方や建設会社の選び方、地元の建築業者の一覧を見せてくれることもあります。
またローンの組み方、資金計画なども細かくレクチャーしてくれます。
講座を受けたからといってそこで契約をしなければならないことはないので、心理的負担は少なくて済みます。
まずは基本知識を身に付けてから不動産選びが出来るのも魅力です。
「マイホーム講座」が自分が住んでいる地域に近い所にあるかインターネットで検索し、電話やメールで受講申し込みをすれば、希望日時に講座が受けられます。
この時、個人情報を記載する書類がありますが、連絡先を記載しても営業の連絡が入ってくることはないでしょう。
逆に、不動産業者に連絡先の電話番号やメールアドレスを教えると、必ずしも必要でない営業活動に巻き込まれるので、慎重にしたほうが良いでしょう。
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こここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
正確な建て替え金額を知るためには、建て替え前に「見積もり査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
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