2024年12月16日更新

監修記事

木造3階建ては危ない?建築基準法やメリット・デメリットについて解説

木造3階建ての建築費用は2,000万~3,200万円です。
そこで本記事では、木造3階建てのメリット・デメリットや注意点について解説しています。2階建てや平屋との違いを把握して、自分にあった家づくりをしましょう!

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木造3階建て建物の特徴

木造3階建ては鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて工期が短く、建築費用も抑えられるのが特徴です。

近年では木造住宅に金物工法が用いられるようになり、大開口・大空間の家も建てられるようになりました。

とくに木造3階建ては吹き抜けとの相性が良く、各フロアをつなぐ吹き抜けがあると開放的な住まいを作れます。

狭小地でも部屋数や延べ面積を多く確保できるため、地価が高い都心で住まいを建てたい方にもおすすめです。

木造3階建てを建てる費用相場

坪単価60万~80万円
建築費用2,000万~3,200万円

木造3階建ての建築費用は、2,000万~3,200万円が相場です。

坪単価は設備や資材のグレードなどで上下するため、予算と相談して決めましょう。

また費用を抑えたい場合は、外観をシンプルなデザインにしたり、水回りの設備を一箇所にまとめたりすると施工費を抑えられます。

家の建築には建築費以外の諸費用もかかる!

住まいを建てる際は建築費用に加えて、登記費用や住宅ローン手続き費用、引っ越し費用といった諸費用もかかります。

土地を所有していない場合は、建築費用に加えて土地代がかかることも把握しておきましょう。

>>家の建て替え費用はこの記事で詳しく紹介!

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木造3階建てを選ぶメリット

木造3階建ての住まいには、2階建てや平屋とは違った良さがあります。

ここでは、木造3階建てを選ぶメリットについて説明します。

限られた土地を有効活用できる

木造3階建ては、土地が狭くても部屋数や床面積を確保しやすいのが特徴です。

同じ土地面積でも、木造3階建ては2階建てよりも多くの部屋数を作りやすくなります。

建ぺい率・容積率の制限内であれば、空間を最大限に活用した家づくりが可能です。

他の工法よりも建築費用を抑えられる

木造住宅は鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも、費用を抑えられるメリットがあります。

3階建ての住まいを低コストで建てたい場合は、木造住宅を検討するのがおすすめです。

間取りのバリエーションが豊富

3階建ての立体的な間取りを活かして、さまざまな空間の使い方ができます。

フロアごとに部屋の用途を分けられるため、1階に店舗や事務所を作り、2階と3階を居住スペースにすることも可能です。

完全分離二世帯住宅を建てる場合は、プライバシーに配慮した間取り設計ができます。

1階に親世帯が住み、2階と3階に子世帯が住む間取りを選ぶと、親が高齢になっても暮らしやすい住まいを建てられます。

眺望・日当たり・風通しが良い

木造3階建ては、3階からの眺望・日当たり・風通しが良いのもメリットです。

建物が密集している地域でも、木造3階建てであれば日当たりを確保しやすくなります。

風通しの良い住まいは空気や湿気がこもりにくく、年中快適に暮らせるのも嬉しいポイントです。

建物の強度に安心感を持てる

木造3階建ては建築基準法により構造計算が義務化されています。

耐震性や建物の強度が数値ではっきりと示されるため、安心して住める家づくりができます。

共同住宅を建てる場合も安全性をアピールすることで、入居者が集まりやすくなるでしょう。

>>木造3階建てにおける構造計算の重要性はこの記事で紹介

木造3階建てを選ぶデメリット

木造3階建てのデメリットを紹介します。

デメリットも把握して、後悔のない家づくりをしましょう。

生活動線が長くなる

木造3階建てはフロアが多いため、生活動線が長くなりやすいです。

間取りを工夫しないと、階段の上り下りが想像以上に多くなってしまうので気を付けましょう。

小さい子供やお年寄りがいる家庭では、生活動線が長いと住みにくく感じる場合もあります。

建築基準法の規制が増える

木造3階建ては2階建てや平屋の住まいよりも、建築基準法の規制が多くなります。

構造計算や防火避難規定といった規制に則って、住まいを建てなければなりません。

規制が増えることで間取りが制限され、設計や施工の難易度が高くなるのもデメリットです。

地盤改良が必要なケースもある

建物の重量が重くなると、地盤にも一定の強度が求められます。

土地の地盤調査を行い、地盤が弱いと判断された場合は地盤改良を行います。

地盤改良の費用相場は工法にもよりますが、30坪で90~210万円が相場です。

2階建てよりも割高になる

工法が同じ木造住宅の場合、3階建ては2階建てよりも割高になる傾向があります。

階数が増えることで必要な資材や工事の手間が増え、費用が上がるためです。

構造計算や地盤調査といった、2階建てにはかからない費用がかかるのも割高になる要因の1つです。

室内の温度差が生まれやすい

1階から3階までの室温差が生まれやすいのも、木造3階建てのデメリットといえます。

暖かい空気は上昇する性質があるため、夏は3階が暑く、冬は1階が寒くなりやすいです。

冷暖房などの空調設備を取り入れて、部屋の温度差を減らす工夫が求められます。

施工実績豊富な建築会社が少ない

木造3階建ては施工実績の豊富な施工会社が多くありません。

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木造3階建てを建てる際のポイント

木造3階建てを建てる際に、知っておきたいポイントを紹介します。

3階建てにする必要性を考える

3階建ては2階建てや平屋よりも費用が高くなりやすく、建築基準法のさまざまな制約も生まれます。

そのため、なんとなくで3階建てを選ぶのではなく、3階建てにする必要性を考えた上で建てるのがおすすめです。

具体的にどういった暮らしがしたいかを考え、ハウスメーカーや工務店で相談するとよいでしょう。

場合によっては、2階建てや平屋の住まいで理想の暮らしを実現できる場合もあります。

暮らしやすい間取りにする

木造3階建ては階段の上り下りが多くなる間取りだと、暮らしにくくなってしまいます。

上下階の移動を減らすためには、生活動線を意識した間取り設計が大切です。

ワンフロアで家事ができるようにするなど、実際の生活をイメージして設計しましょう。

老後の生活も視野に入れる場合は、ホームエレベーターを設置するのも1つの選択肢です。

冷暖房効率を高める

木造3階建ては室内の温度差が生まれやすいため、冷暖房効率を上げることも大事です。

室温を均一に保ちたいときは、全館空調を導入すると寒暖差が少なくなります。

全館空調があると住まい全体に冷暖房が行き届き、ヒートショックの予防もできます。

また、冷暖房効率を上げるためには住まいの断熱性を高めることも大切です。

具体的には、高性能の断熱材を使用したり、断熱性の高い窓やサッシを使用したりする方法があります。

木造3階建てを建てる際の注意点

木造3階建てを建てる際の注意点を紹介します。

建築基準法や耐震等級を確認して、安全で暮らしやすい住まいを建てましょう。

建築基準法の規制を確認する

木造3階建てが受ける建築基準法の規制は、以下の3種類があります。

  • 形態規定
  • 構造規定
  • 防火避難規定

これらの規制はすべて、建物の住環境や安全性を確保するために設けられているものです。

木造3階建てを建てる場合は、上記の規制をすべてクリアしている必要があります。

>>木造3階建てが受ける建築基準法の制限はこの記事で紹介

また、建築基準法の制約がある土地では、木造3階建ての住まいを建てられないケースもあります。

後々のトラブルを防ぐために、あらかじめ土地の制約を確認しておきましょう。

  • 用途地域による制限
  • 斜線制限
  • 建蔽率・容積率

用途地域とは、都市計画法により定められている土地の利用区分を指します。

用途地域の制限により、建物の高さに制限がある地域は、木造3階建てを建てられません。

斜線制限は、日当たりや通風を妨げないようにするための規制です。

周囲の土地に対して日当たりや通風の妨げがある場合は、建物の高さや面積、デザインなどが制限されます。

建蔽率・容積率は、敷地面積に対する建築面積と延床面積の割合を表したものです。

木造3階建ては延床面積が大きくなりやすいため、容積率に気を付けましょう。

階段の転落防止対策をする

木造3階建ては階段の移動が多いため、高齢者や小さい子供が暮らす場合は転落防止対策をしましょう。

具体的には、手すりを設置したり滑り止めマットを敷いたりする方法があります。

耐震等級3を標準としているか確認する

木造3階建ての耐震性が心配な方は、耐震等級3を標準仕様としているハウスメーカーで建てるのがおすすめです。

耐震等級とは、建物の耐震性を示す指標です。

耐震等級3は最も高いレベルの等級であり、耐震等級1の1.5倍もの耐震性を持つといわれています。

3階建ての施工実績が多いハウスメーカーで建てる

設計や施工をスムーズに進めるためには、3階建ての施工実績が豊富なハウスメーカーで建てるのがおすすめです。

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Q&A 木造3階建てについてよくある質問

木造3階建ての住まいを建てる際によくある質問を紹介します。

木造3階建ての耐震性や耐久性は大丈夫?

木造3階建ては2階建てや平屋と違い、構造計算が義務化されています。

そのため、耐震性や耐久性はしっかりと確保されているのが特徴です。

木造3階建ては耐火建築物にする必要がある?

原則、木造3階建ては耐火建築物として建てなければなりません。

木造住宅が3階建てになったのはいつから?

木造3階建てが建てられるようになったのは、1987年からです。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!

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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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