2025年01月10日更新

監修記事

ホームエレベーター付き3階建て住宅の価格は?導入費用やメンテナンス費用を解説!

建て替えの際にホームエレベーターを設置する場合、建築費用に350万~700万円ほど費用を見込みましょう。
ホームエレベーターは、階段の代わりに上り下りができたり、荷物の移動が楽にできたりなど3階建てで重宝されています。ホームエレベーターはバリアフリー面でも効果があるため、足腰に負担をかけたくないお家に最適な設備です。本記事では、ホームエレベーターの費用や3階建てで使用する際のメリット・デメリットを紹介します。

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ホームエレベーターとは?

ホームエレベーターとは家に設置できるエレベーターのことでです。

ホームエレベーターは、昇降する最下階の床面から最上階の床面の高さが最大10メートル、定員3名以下、積載荷重200キロ、エレベーター内床面積1.3平方メートル以下(※告示第1415号第1第3号)と定められています。

階段の代わりになるため、足腰が悪い方や車椅子移動の家に設置されています。

ホームエレベーターのサイズはどのくらい?

ホームエレベーターのサイズを1~3人乗り別に紹介していきます。

1人乗りのサイズ

Panasonic「ホームエレベーター 〈 家庭用エレベーター 〉 商品ラインアップ
ルーム内寸法約W600mm×D650mm
停止数2~3か所
電気代約680円/月
1人乗りホームエレベーターの基本情報

1人乗りのホームエレベーターは安価なため、低単価で導入したい方におすすめです。

また床面積が小さいためスペースを取らず、簡単な荷物の移動に最適です。

積載重量の制限は2人乗りサイズよりも小さくなり、目安は130kg程度となります。

2人乗りのサイズ

Panasonic「ホームエレベーター 〈 家庭用エレベーター 〉 商品ラインアップ
ルーム内寸法約W750mm×D1100mm
停止数5か所
電気代約490円~690円/月
2人乗りホームエレベーターの基本情報

2人乗りのホームエレベーターは、子どもと一緒にエレベーターを使いたいと考えている方におすすめです。

乗車時に縦で2人、横で2人になるかはホームエレベーターによって異なります。

3人乗りのサイズ

Panasonic「ホームエレベーター 〈 家庭用エレベーター 〉 商品ラインアップ
ルーム内寸法約W1000mm×D1500mm
停止数5か所
電気代約490円~700円/月
3人乗りホームエレベーターの基本情報

3人乗りのホームエレベーターは、室内がゆったりと確保されています。

車椅子の方と介助者の方で利用できるため、車椅子移動をする場合にもおすすめです。

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ホームエレベーターの導入コストは?

ホームエレベーターの乗り人数別の導入コストは、以下の通りです。

乗り人数導入コスト
1人乗り約300万~350万円
2人乗り約350万~550万円
3人乗り約350万~600万円
ホームエレベーターの乗り人数別導入コスト

停止階数が多くなったり、移動距離が長くなったりすることで、導入コストが100万~200万円ほど変動します。

ホームエレベーターには、設置するために必要な工事費用もかかります。

ホームエレベーターを導入する場合には、「本体価格+設置工事費用」が必要なことを把握しておきましょう。

ホームエレベーター付き3階建て住宅にかかる建築費用

建て替えの場合、建築費用以外に約340万~650万円ほどの追加費用が必要になります。

下の表はホームエレベーター付き3階建て住宅に建て替える際の、建築費用のモデルケースです。

建築費用の内訳費用目安
建物本体(木造)2,000万~3,200万円
エレベーター本体300万~600万円
エレベーター設置費用40万~50万円
申請費用10万~15万円
合計2,350万~3,875万円
ホームエレベーター付き3階建て住宅にかかる建築費用

リフォームでホームエレベーターは設置できる?

ホームエレベーターは、リフォーム・リノベーションでも設置できます。

しかし、ホームエレベーターの設置はスペースを取るため、既存の間取りを大幅に変える必要があります。

既存の間取りを変えたくない方は、ホームエレベーターを既存建物の横に増築する方法もおすすめです。

またリフォームの際の注意点として、リフォーム・リノベーション時にはメーカーより、検査済証の有無を確認されます。

検査済証がない建物へのホームエレベーターの取り付けは、対応しているリフォーム業者が少なくなるため、事前に取得済みか確認しておきましょう。

検査済証とは?

検査済証とは、建物完成時に建築基準法に適した建物であることを検査で確認したことを証明する書類のことです。

検査済証を受けている建物は、建築基準法に適している建物になります。

昔の建物には検査済証が交付されていない場合もあるため、ホームエレベーター購入前に確認しておく必要があります。

ホームエレベーターの設置費用が変動する要素

ホームエレベーターの設置費用が変動する要素は、以下の通りです。

  • エレベーターのサイズによる変動
  • エレベーターの移動距離による変動
  • エレベーターの停止階数による変動
  • エレベーターの駆動方式による変動
  • エレベーターの建物構造による変動

1つずつ順番に確認していきましょう。

エレベーターのサイズによる変動

ホームエレベーターは、人数によって数十万円~数百万円の費用差があります。

また広さやグレードによって、導入コストが異なります。

導入コストと広さはコストとのバランスを踏まえて検討しましょう。

エレベーターの移動距離による変動

ホームエレベーターの場合、エレベーターの移動距離によって導入コストが変動します。

移動距離は2階建てよりも3階建ての方が長くなり、階数のほかにも階高によっても距離が変わります。

エレベーターの停止階数による変動

停止階数はエレベーターが停止する回数の数によっても変動します。

停止階ごとにホームエレベーターが静止するための機械の設置が必要で、この機械を導入するほどコストが高くなります。

エレベーターの駆動方式による変動

駆動方式には、ロープ式と油圧式の2種類に分類されます。

油圧式はロープ式よりも、導入コストは安く設定されています。

というのも、油圧式はオイル交換などが5年ごとに発生するためです。

導入コストを抑えたい方は油圧式、メンテナンスの頻度を抑えたい方はロープ式を選ぶのがおすすめです。

建物構造による変動

ホームエレベーターの導入コストは、鉄骨・RCよりも木造住宅の方が高くなります

木造住宅は設置時に、ホームエレベーターの荷重に耐えられる構造補強や自立鉄塔の設置が必要になる可能性が高いためです。

また木造住宅への設置は施工的にも難しいため、費用が高めに設定されています。

エレベーターの設置を予定されている方は、木造住宅の方が設置費用も高くなることを把握しておきましょう。

エレベーターの自立鉄塔とは

自立鉄塔とは、ホームエレベーターの強度を高めるために設けられる器具のことです。

鉄骨やRCなどの住宅に採用されることが多く、自立鉄塔の有無で50万~100万円の費用差が生じます。

自立鉄塔の設置を行わない場合は、躯体を構造補強することになります。

自立鉄塔の設置か構造補強のどちらが適しているかは、建築業者と相談を行いましょう。

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ホームエレベーターの設置費用を抑える方法

ホームエレベーターの設置費用を抑えるなら、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 油圧式を選ぶ
  • 必要最低限の停止階数を選ぶ
  • 必要なサイズの小さいエレベーターを選ぶ
  • 鉄骨・RCの住宅に設置する

建築時には必要な回数分のみエレベーターを設置したり、導入費用が安い油圧式のエレベーターを検討しましょう。

またサイズの小さいエレベーターの方が導入コストも小さくなります。

建築業者と相談を行いつつ、設置費用を抑える工夫を行いましょう。

ホームエレベーター導入後にかかるランニングコスト

ホームエレベーター設置後、以下のランニングコストが発生します。

  • メンテナンス・点検費
  • 電気代

1つずつ順番に紹介していきます。

メンテナンス・点検費用

ホームエレベーターは設置後、年1,2回のメンテナンス・点検を行う必要があります。

なぜなら、建築基準法8条によりホームエレベーターの維持保全をする義務があるためです。

メンテナンス費用は点検回数によって異なり、約5~8万円の費用がかかります。

頻繁にホームエレベーターを使用する方は、年2回の定期点検が受けられるプランもメーカーによって提供されているため、利用を検討してみましょう。

電気代

ホームエレベーターには、電気代がかかります。電気代の目安は、「500円~600円/月」ほどです。

電気代はエレベーターのサイズや使用頻度、駆動方式によって異なります。

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ホームエレベーター設置時の注意点

ホームエレベーター設置時には、以下の注意点があります。順番に紹介していきます。

  • 昇降機確認申請が必要になる
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 動作音が気になる場合がある
  • 補助金の利用が可能か確認する

昇降機確認申請が必要になる

ホームエレベーター設置時には行政または審査機関にて、確認申請が必要になります。

確認申請とは、建物が建築基準法や行政の規律に遵守しているか、確認を受けるための申請です。

新築でホームエレベーターを設置する場合は、建物の確認申請と同時に行います。

定期的なメンテナンスが必要

ホームエレベーターの設置後、所有者または管理者には管理義務が発生します。

エレベーターが問題なく作動するか、故障していないかなどを定期的にメンテナンスする必要があります。

使用していない場合でもメンテナンスは必要になるため、注意しましょう。

動作音が気になる場合がある

ホームエレベーターは、使用時に動作音が発生します。

寝室の近くに設置すると、動作音が気になることがあるため、間取りを考える際に注意が必要です。

新築であれば柔軟にプランを調整できますが、リフォームやリノベーションの場合は、構造や設置スペースの問題により、設置位置を自由に指定できない場合もあります。

補助金の利用が可能か確認する

ホームエレベーター設置の際には、各自治体によって補助金が設けられている場合もあります。

ホームエレベーター設置前には、現在住んでいる自治体の住宅支援制度も確認しておきましょう。

またリフォームの場合には以下の補助金を活用できます。

バリアフリー改修工事・高齢期に備えた住居の改修工事など、補助対象となる工事にホームエレベーターの設置が含まれる際に適用できます。

最大80万円/戸の補助金が受けられます。

ホームエレベーター設置に伴う、リフォーム工事が対象です。

5万~60万円の補助金が受けられます。

3階建てにホームエレベーターを導入するメリット

3階建てにホームエレベーターを導入する際、以下のメリットを感じられます。

  • 1階から3階までの移動が楽に行える
  • 車椅子の移動が楽にできる

1つずつ順番に紹介していきます。

移動や荷物運搬を楽に行える

ホームエレベーターは、階段の代わりになります。

1階から3階まで簡単に移動できるため、足腰が悪い高齢者や車椅子の方でも負担はかかりません。

家具や大きな荷物の運搬も楽になるため、荷物の持ち運びによる負担が軽減されます。

バリアフリー性が高まる

ホームエレベーターを設置していることで、車椅子の移動も楽にできます。

階段の場合、車椅子の移動が難しいため、3階建ての住宅に住むことは難しいです。

車椅子を補助する方にとっても、ホームエレベーターは負担が少ない乗り物になります。

家族に車椅子の使用者がいる場合は、ホームエレベーターの設置を検討しましょう。

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3階建てにホームエレベーターを導入するデメリット

メリットだけではなく、3階建てにホームエレベーターを導入する際には、以下のデメリットもあります。

  • 設置スペースが必要になる
  • メンテナンス費用がかかる

順番に解説していきます。

設置スペースが必要になる

ホームエレベーターは、設置スペースを取ります。

各階の面積によっては、他の部屋のスペースが狭く感じる場合もあります。

狭い敷地に3階建て住宅を建てる場合には、注意が必要です。

また、リフォームやリノベーション時には、ホームエレベーターの設置に伴い、既存の間取りを大きく移動させなくてはいけない場合があります。

メンテナンス費用がかかる

ホームエレベーター設置後、メンテナンス費用や電気代がかかります。

また長期的に使用していると、メンテナンスを行っていても老朽化が進み、エレベーターの入れ替えや撤去が必要になる場合があります。

エレベーターの入れ替えや撤去には大きな費用がかかるため、費用の積み立てが大切です。

Q&A ホームエレベーターについてよくある質問

最後に、ホームエレベーターのよくある質問を紹介していきます。

ホームエレベーターと業務用エレベーターの違いは?

業務用エレベーターとホームエレベーターの違いは、定員人数です。

業務用エレベーターは6人以上、ホームエレベーターは3人までの定員人数になります。

業務用エレベーターはオフィスビルや診療所、ホームエレベーターは住宅への設置になるため、使用用途も異なります。

ホームエレベーターのオプションはどんなのがある?

ホームエレベーターを取り扱うPanasonicでは、以下のオプションがあります。

  • けむりシャット(防火区画に向いている遮煙性能の強化)
  • マルチビームドアセンサー(出入口にものがあるときは扉が閉じない)
  • 二方向出入口
  • 通過階マイナス(1階と3階のみに停止させる機能)
  • 換気扇
  • 地震時管制運転装置
  • 火災時管制運転装置
  • 音声アナウンス

オプションは、メーカーによって異なります。

オプションが増えると、費用も積み重なるため、必要なオプションのみを取り付けましょう。

ホームエレベーターと階段昇降機の違いは?

階段昇降機とは、階段にレールを付け、レール上を椅子が昇り降りする機械のことです。

椅子への乗り換えが必要になるため、ホームエレベーターよりも使用時の手間がかかります。

>>階段昇降機はこの記事で紹介!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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