2024年11月28日更新

監修記事

ローコスト住宅の価格はいくら?費用相場と費用を抑える方法を解説

ローコスト住宅を建てる場合、下限価格として1500万円は用意しておく必要があります。
その名の通り低価格でマイホームを手に入れられますが、コミコミ価格に含まれない費用もあるので注意してください。
当記事ではローコスト住宅のコミコミ価格の内訳や、コミコミ価格以外に発生する費用、価格を抑えるポイントについて解説します。

まずは
無料のプラン比較から

ローコスト住宅とは?

低コストで注文住宅のマイホームが手に入るローコスト住宅に具体的な定義はありません。

コストを抑え一般的な住宅よりも安く建てた住宅の総称がローコスト住宅です。

ローコスト住宅は、デザインや間取りの規格化により設計コストを抑え、設備の仕様を工夫します。その結果、費用を削減できます。

建材を大量に仕入れることでコストダウンを図ることも。

フルオーダーの住宅と比較すると設計の自由度は低くなりますが、低価格でマイホームを建てられるのは大きなメリットでしょう。

ローコスト住宅は建物本体価格のみ

ローコスト住宅の価格は住宅に関する材料費と標準工事費のみであり、付帯工事費やガス水道の引き込み工事代金は含まれていません。

詳しくは「ローコスト住宅でコミコミ価格に含まれている費用」にてご紹介しています。

>>ローコスト住宅のメリット・デメリットについてはこちら

ローコスト住宅の坪単価・相場

ローコスト住宅で注文した場合、下限価格として1,500万円は用意しておく必要があります。

価格は建物の構造により以下のように異なります。

構造ごとの価格
構造平均的な価格
2階建て1,800万円~
3階建て2,000万円~
平屋2,000万円~

坪単価は一般的に30~50万円で程度で、坪単価40万円で床延面積40坪の住宅を建てた場合、本体工事費は1,600万円となります。

この本体工事費に付帯工事費500万円や諸費用200万円程度を加味すると、総工費用は2,300万円程度となるでしょう。

なお、住宅金融支援機構が発表している2022年度「フラット35利用者調査」によると土地付き注文住宅の平均坪単価は約95万円となっています。

上記の平均値と比較すると、ローコスト住宅は非常に割安であることがわかるでしょう。

>>土地代込みでローコスト住宅を建てることは可能?

坪単価で総工費用は算出できない

坪単価で算出できる費用は本体工事費のみで、総工費用の約75%を指しています。

ローコスト住宅でコミコミ価格に含まれている費用

ハウスメーカーが提示しているローコスト住宅のコミコミ価格は総工費用ではありません。

前途したとおり、ローコスト住宅の価格は住宅に関する材料費と標準工事費のみであり、付帯工事費やガス水道の引き込み工事代金は含まれていないため注意しましょう。

この項では、ローコスト住宅のコミコミ価格に含まれる費用について解説します。

費用1 建物本体の材料費

ローコスト住宅のコミコミ価格に含まれる費用は、建物本体の材料費です。

基礎や材木をはじめ、ドアや壁、床材、キッチンや浴室などの建物自体を作る費用が材料費に含まれます。

費用2 標準工事費

建物自体に必要な以下の標準工事費用もコミコミ価格に含まれています。

標準工事
  • 仮設工事
  • 木工事
  • 基礎工事
  • 外壁工事
  • 屋根工事
  • タイル工事
  • 内装工事
  • 左官工事
  • 設備工事

標準工事の内訳はハウスメーカーによって異なりますが、一般的には上記の工事がコミコミ価格として含まれています。

まずは
無料のプラン比較から

ローコスト住宅でコミコミ価格に含まれていない費用

ローコスト住宅のコミコミ価格に含まれていない費用は以下のとおりです。

コミコミ価格に含まれていない費用
  • 付帯工事費
  • 諸経費
  • オプション費用
  • その他の費用

建築する土地の条件や住宅ローンの有無によって発生する費用が異なるため、それぞれ詳しく確認します。

費用1 付帯工事費

付帯工事費とは、建物本体の工事以外にかかる工事費用です。

建物本体工事以外に発生する工事は以下が上げられます。

建物本体以外の工事
工事名内容
給排水工事住宅へ水を供給するための工事
基礎補強工事建物の土台や基礎を強化する工事
換気工事住宅に給気や排気設備を設置する工事
外構工事庭や門扉、駐車場などの外回りの工事
地盤補強工事地盤を改良し耐震性を高める工事
深基礎(ふかぎそ)工事通常よりも深く掘った基礎を建てる工事
解体工事費元々ある建物を解体する工事

地盤補強工事や深基礎工事は、地盤調査の結果必要となるケースがある付帯工事費です。

古屋のある土地にローコスト住宅を建てる場合には、さらに解体工事費も必要となります。

上記の費用は建物本体の工事費に含まれていないため、別途予算を見込んでおきましょう。

費用2 諸経費

住宅を取得すると、各種税金をはじめとした物件価格の5~8%程度の諸経費がかかります。

住宅取得にかかる諸経費
項目内容
印紙税売買契約書に貼る印紙代
不動産取得税「固定資産税評価額×標準税率」で算出される地方税
登録免許税不動産を自身の所有物であると登記する際に発生する国税
司法書士費用登記を司法書士に依頼する際に発生する報酬
融資事務手数料住宅ローンを組む際に金融機関に支払う手数料
火災保険料住宅ローンに付帯する火災保険料

諸費用は税金や手数料が主であるため現金で用意する必要があります。

住宅ローンに組み込めない費用であるため、諸費用を加味した資金計画を立てましょう。

>>住宅取得の諸経費について詳しくはこちら

費用3 オプション費用

ローコスト住宅はシンプルな設備が特徴ですが、物足りなさを感じた場合にはオプション費用を払うことで設備をグレードアップできます。

代表的なのは、キッチンや浴室などの設備のグレードアップや、断熱性を上げるために外壁の素材を変えるケースです。

ハウスメーカーによっては豊富なオプションを用意しているケースがあるので、デザインや種類を確認し、どの程度のオプション費用がかかるか算出しておきましょう。

付け替えが難しいケースがある

ハウスメーカーによってはオプション費用を支払っても設備や外壁の付け替えが難しいケースがあります。希望の設備がある場合には見積もり時に相談をしておきましょう。

費用4 その他の費用

その他の費用としては、引越し費用や地鎮祭(じちんさい)があげられます。

引越し費用は家族構成や時期によって異なりますが、繁忙期とよばれる3~4月に4人族で引越す場合、15~20万円程度の費用が必要です。

地鎮祭はハウスメーカーによってコミコミ価格に含まれているケースもありますが、そうでない場合神社への依頼費用などで10万円程度の費用がかかります。

建て替えの際には仮住まい費用も必要

建て替えでローコスト住宅を建てる場合、仮住まい費用も必要です。仮住まいの費用や期間の目安はこちらの記事で解説しています。

>>建て替えの仮住まい探しは大変!探し方や費用を解説

ローコスト住宅の間取りの例

ローコスト住宅であっても理想のマイホームを建てることは可能です。

ハウスメーカーのプランを参考に、理想の家のイメージを膨らませてみましょう。

16帖のLDKを中心とした2階建の家

出典:アイダ設計2階建てPLAN

アイダ設計の2階建ての家は、16帖のリビングを家の中心とし、リビングイン階段を設けることにより家族が自然と顔を合わせる間取りにしました。

出典:アイダ設計2階建てPLAN

すべての居室にはゆとりのある収納を設けており、床延面積79.48平米ながら、4人家族でもゆったりと暮らせる家になりました。

1F39.74㎡
2F39.74㎡
延床面積79.48㎡
参考建物価格999万円(税込)

子育てに最適なリビング横に畳がある家

出典:一条工務店HUGme

一条工務店HUGmeでは、高性能の住宅を1,490万円から提案しています。

出典:一条工務店HUGme

リビング横に和室があるプランでは、子供が小さい時期にはお昼寝スペース、それ以降は学習スペース、来客スペースと多岐に渡って利用できます。

1F55.48㎡
2F48.02㎡
延床面積103.50㎡
参考建物価格1,490万円〜(税抜)

老後でも安心して暮らせる平屋

出典:アイダ設計平屋PLAN

アイダ設計の平屋PLANでは、ワンフロアでも快適な生活動線を意識した間取りを提案しています。

出典:アイダ設計平屋PLAN

階段の上り下りの負担がないため老後でも安心して暮らせる平屋となっています。

1F66.24㎡
延床面積66.24㎡
参考建物価格999万円(税込)
まずは
無料のプラン比較から

ローコスト住宅で費用を抑えるポイント

ローコスト住宅で費用を抑えたい場合、以下のポイントを押さえましょう。

ローコスト住宅の費用を抑えるポイント
  • 建物の形をシンプルにする
  • 平屋よりも2階建にする
  • 水回りをまとめる
  • 木造在来工法を選択する
  • オープンな間取りにする

希望のポイントを叶えながらも費用を抑えたい人は参考にしてください。

ポイント1 建物の形をシンプルにする

ローコスト住宅の費用を抑えるためには建物の形をシンプルにしましょう。

一般的に住宅の形状は複雑であればあるほど工事に時間がかかり、必要な資材の量も増えていきます

このため、ローコスト住宅の費用をさらに抑えたい場合には、できるだけシンプルな形状の建物にすると良いでしょう。

複数の角が存在する住宅形状ではなく、正方形や長方形のようなシンプルな形状の方が費用を抑えられます。

三角形や円筒形の家は建築の手間がかかる

三角形や円筒形の家は角が少ないですが、通常の住宅形状より価格が上昇します。

ポイント2 平屋よりも2階建にする

条件次第となりますが、平屋よりも2階建ての方が費用を抑えられるケースがあります。

延床面積の少ない平屋は建築の手間や資材の量などの問題で建築費用を抑えやすい傾向がありますが、延べ床面積を一定数確保したい場合は話が別です。

平屋で延床面積を確保しようとすると、建物の建築面積の広さ分の基礎工事が必要になり、結果的に費用が嵩みます。

一方で、2階建てであっても少ない建築面積に抑えられれば基礎工事の範囲を減らし、建築費用を圧縮できるのです。

ポイント3 水回りをまとめる

水回りを一箇所にまとめると、配管工事にかかるコストを抑えられます。

家の地中や床下には、設備を利用するための上下水道の配管が埋設されています。

複数の箇所に水回り設備を設置すると、上下水道配管の形状や量が増えてしまい、工事費用がそれだけ高くなってしまうのです。

建物の1箇所にトイレや浴室、キッチンなどの水回り設備を集約すれば、配管の長さや形状をシンプルにでき、工事にかかる費用を抑えられます。

メンテナンス費用圧縮のメリットも

水回りを1箇所に集約しておけば、将来的に配管部分のメンテナンスが必要となっても、工事を行う範囲が少ないため費用を圧縮できます。

ポイント4 木造在来工法を選択する

木造在来工法を選択するのもコストを抑える上で大きなポイントです。

住宅の建築費用は、どのような工法で建てられているかも影響します。

鉄筋を組んだあとにコンクリートを流して固める鉄筋コンクリート住宅と比較すると、木造在来工法の工事コストは安めとなっています。

プレハブ工法による規格住宅もおすすめ

価格や保証の面においては、ハウスメーカーのプレハブ工法もおすすめです。

ポイント5 オープンな間取りにする

オープンな間取りにすることで、建築にかかるコストを削減できます。

同じ面積の住宅であっても部屋数が多い場合、それだけ内装工事が必要となります。

このため、リビングダイニングキッチンを同じ空間にまとめたり、部屋数を少なくすれば建築にかかる費用を抑えられるでしょう。

開放的な構造は広く感じるメリットも

建坪を抑えたローコスト住宅でも間取りを開放的にすることで狭さを感じにくいメリットもあります。

ローコスト住宅の見積もりポイント

ローコスト住宅について見積もりを依頼する際には、いくつかの注意点があります。

見積もり後に後悔しないよう、ポイントをしっかりと押さえておきましょう。

ポイント1 建物本体価格に含まれる費用の確認

ローコスト住宅の見積もり重要なのは、見積もり内容がわかりやすいかどうかです。

事前に希望していた内容がしっかり反映されているか、反映されていないなら理由をしっかり説明してくれるかも重要なポイントと言えるでしょう。

納得のいく回答がある業者が信頼できる

疑問点にしっかり答えてもらえるか、納得のいく説明ができるかも判断のポイントです。

土地やプラン上の都合以外の理由、業者の都合によって希望に添えないという場合には、値引きが可能かどうかも相談してみると良いでしょう。

ポイント2 オプション費用や工事費用の確認

オプションを追加する場合には、資材の購入費や工事費がどれくらいかかるのかも確認しておきましょう。

業者にもよりますが、オプションの追加にかかる費用が相場に比べて割高という場合があります。

まずは
無料のプラン比較から

【Q&A】ローコスト住宅におけるよくある質問

ローコスト住宅で注文した場合、費用はいくらになりますか?

ローコスト住宅で注文した場合、下限価格として1,500万円は用意しておく必要があります。

構造により費用は異なり、木造2階建ての場合は1,800万円、平屋や3階建ての場合は2,000万円程度の予算を見込む必要があるでしょう。

ローコスト住宅には何年住めますか?

ローコスト住宅であっても、適切な施工とメンテナンスにより一般住宅と同様に住み続けられます。

下記に、住宅における構造ごとの耐用年数をまとめました。

構造耐用年数
木造約30年
鉄筋コンクリート約50年

ローコスト住宅だからといって欠陥住宅でない限り、上記の耐用年数と同等の期間を住み続けられます。

いくらまでの住宅をローコスト住宅と呼びますか?

ローコスト住宅とは、コストを抑えて建てた住宅の総称であり明確な定義はありません。

しかし、一般的には坪単価30〜50万円で施工できる住宅を指し、フルオーダーやセミオーダーの住宅よりも総工費用を抑えられます。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

無料の一括見積もりはこちら>>

一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

まずは
無料のプラン比較から

この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

まずは
無料のプラン比較から
無料建て替え
一括見積もりをする