2024年12月06日更新

監修記事

800万円の家はどんな間取り?予算がなくても家は建つ?

近年では建材費用や人件費の高騰により、コミコミ800万円で家は建てられなくなりました。
当記事では、建築資金が足りない時の対処法やローコスト住宅を建てるポイントについて詳しく触れて行きます。
できるだけコストを抑えた住宅を建てたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

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コミコミ800万円で家は建てられない

近年、建築資材や人件費の高騰によりコミコミ800万円で家を建てられなくなりました。

国土交通省が発表している「建築工事費デフレーター」によると、2020年に平均3,000万円程度であった建築費は3年間で平均3,540万円にまで上昇しています。

2024年現在の建築費用相場の下限価格は、以下の通りです。

構造別の下限価格の目安
構造下限価格の目安
2階建て1,800万円~
3階建て2,000万円~
平屋2,000万円~

建築資材や人件費における高騰の理由をみていきましょう。

コミコミ800万円で家の建て替えが難しい理由

前途したとおり、近年では低価格で家を建てることが難しくなりました。

この項では、建て替えが難しくなってしまった理由をそれぞれ詳しく解説します。

理由1 建築資材の高騰

建築費が高騰した最大の理由はウッドショックです。

新型コロナウイルスをきっかけとした在宅勤務の増加により、アメリカでは2020年5月ロックダウン解除後から住宅建築の需要が高まりました。(出典:経済産業省|新型コロナがもたらす供給制約

もともと問題視されていた山火事や虫の被害による原料不足に加え、コロナウイルスによる製剤所の休業により木材の価格高騰が引き起こされたのです。

ウッドショックとは

木材の供給不足により価格が高騰することをウッドショックと呼びます。

理由2 歴史的な円安

建築費の上昇は、歴史的な円安にも大きな影響を受けています。

2022年3月以降から始まった円安は2024年の3月には、1ドル151円97銭まで下落し34年ぶりの歴史的な円安となりました。(出典:林野庁|「令和4年木材需給表」の公表について

円が安くなると、これまで1ドル100円で用意できた建材も、1ドル150円で用意する必要があります。

日本では建材費の多くを輸入しているため、輸入品の高騰は建材費用の高騰と直結するのです。

建材用木材の自給率は低い

林野庁が発表している「令和4年木材需給表」の公表についてによると、建材用木材の自給率は49.5%と全体の半分以下となっています。

理由3 半導体不足

建築費用高騰の理由として、半導体不足も少なからず影響しています。

世界的な半導体不足の原因は、2019年に起きたアメリカによる中国への経済制裁によるものです。

中国製の半導体における輸入量が減少し、国内での半導体流通量が減少しました。

半導体は多くの製品に使われている

建材と関わりがなく思われる半導体ですが、エアコンや給湯器などの住宅設備に広く用いられています。

理由4 人件費の高騰

人件費の高騰も建築費の上昇に大きく影響しています。

建築業界は長年にわたる人手不足により職人の需要が高くなり、その結果として人件費が高騰しています。

人手不足による工期の延長が起こるケースもあり、人件費の高騰のみではなく全体的な工事コストの上昇につながるでしょう。

理由5 ガソリン代の高騰

原油価格の上昇によるガソリン代の高騰も、建築費用が上がる一因です。

建築現場では、資材の輸送や重機の利用などさまざまな場面でガソリンが必要となります。

わずかなガソリン代の違いであっても、すべて資材単価として計算され、その結果建築費用が上がる要因となるのです。

光熱費の高騰は企業にもダメージ

私たちの生活と同じように、ガソリン代をはじめとした光熱費の高騰は、企業にも大きな影響を与えます。

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建築予算が少ない時の対処法

建築費用の上昇は世界情勢をはじめとした、さまざまな要因により起こっています。

2024年現在、建築費用が落ち着く兆しはみられないため、住宅を手にしたい人は何らかの対処が必要でしょう。

ここでは建築予算が少ない時の対処法について解説します。

対処法1 中古住宅をリフォームする

建築予算が少ない場合、中古住宅をリフォームする方法があります。

国土交通省が発表している「令和3年度住宅市場動向調査」によると、中古住宅の購入費用は平均2,959万円となっています。

新築の注文住宅における平均費用は5,112万円であるため、中古住宅は手が届きやすいと言えるでしょう。

実施する内容によりますがリフォームは1,000万円程度で収まることもあるため、費用を総合して考えると、少ない予算で住み心地の良い住宅を手に入れられる可能性があります。

補強工事の可能性も視野に入れよう

中古住宅の場合、想定外の補強工事が必要なケースもあります。

見た目は綺麗でも躯体の損傷や不具合が見つかり、別途費用が必要となるケースも視野に入れておきましょう。

>>リフォーム費用の目安はこのページで確認

>>リノベーションの費用相場はこの記事で紹介

対処法2 住宅ローンを利用する

住宅ローンを活用すれば、予算が少ない中でも新築住宅が手に入る可能性があります。

ローコスト住宅を建てる場合でも、注文住宅などの場合と同じく住宅ローンや住宅金融支援機構の財形住宅融資、フラット35などを利用できます。

下記に年収300万円で35年ローンを組んだ場合、どの程度借り入れができるかシミュレーションしたので確認してみましょう。

年収300万円で35年ローンを組んだ場合のシミュレーション
金利タイプフラット35
借入可能額2,313万円
返済期間35年
返済方法元利均等返済
参考:楽天銀行|返済シミュレーション

十分な資金を確保するため、自己資金がある人にも住宅ローンがおすすめです。

総借入額を抑えたローコスト住宅であれば、月々の負担を減らしながらもマイホームを手に入れられるでしょう。

返済期間の考え方

住宅ローンを組む際、利息の少なさで選ぶなら短期返済、1回あたりの返済額の少なさで選ぶなら長期返済がおすすめです。

住宅ローン控除なども加味して、どちらが総合的に得か考えてみましょう。

>>住宅ローン控除についてはこちらの記事で紹介

ローコスト住宅における費用内訳

広告などで目にするコミコミ800万円のローコスト住宅は、本体価格のみの表記となっています。

ローコスト住宅のコミコミ800万円に含まれる内訳は以下のとおりです。

ローコスト住宅のコミコミ価格の内訳
  • 建物本体の材料費
  • 標準工事費

上記のとおり、ローコスト住宅の価格は住宅に関する材料費と標準工事費のみであり、付帯工事費やガス水道の引き込み工事代金、その他の諸経費は含まれていません。

施工業者によって異なりますが、付帯工事費は本体価格の約2割、その他の諸経費は約1割程度の費用を見込んでおく必要があります。

土地も含まれた費用でないため、別途探して購入する必要があります。

>>ローコスト住宅の費用はこちらの記事で詳しく紹介

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ローコスト住宅のメリット・デメリット

ローコスト住宅はその安さが特徴ですが、他にもさまざまなメリットとデメリットがあります。

ローコスト住宅のメリットとデメリット
メリットデメリット
引き渡しまで時間が短いデザインや間取りをこだわれない
住宅ローンに通りやすい住宅性能が劣る可能性がある
打ち合わせの回数が少ないメンテナンスの頻度が高い

ローコスト住宅は引き渡しの短さや、打ち合わせ回数の少なさなど手軽さがある一方で、見逃せないデメリットもあります。

メリットのみに目を向けるのではなく、デメリットをよく理解してからローコスト住宅を検討してみましょう。

>>ローコスト住宅のメリットとデメリットについて詳しくはこちら

800万円前後で建つローコスト住宅の間取りの例

ローコスト住宅を建てる場合、どのような間取りが用いられるのでしょうか。

いくつかの間取りの事例から、建築コストを抑えた間取りの考え方を確認しましょう。

ローコスト住宅における間取り作りのポイント

建築予算を抑えるための重要なポイントは、シンプルな構造にすることです。

16帖のゆとりのリビングがある2階建て

出典:はなまるハウス|はなまるプラン2LDK(間取り)
出典:はなまるハウス|はなまるプラン2LDK(建物の外観)
費用870万円
延床面積-(25坪)
間取り2LDK

上記のプランでは、小さい建坪ながらも16.5畳の広々としたリビングを実現しています。

2階部分は2つの居室を備えており、子どもの成長とともに3LDKへの変更も可能です。

水回りを1箇所にまとめることで、建築コストを抑えています。

2LDKモダンスタイルの2階建て

出典:JIMDO|シングル・キュービック<2LDK>(間取り)
出典:JIMDO|シングル・キュービック<2LDK>(建物の外観)
費用784万円
延床面積66.24㎡(10.01坪)
間取り2LDK

小さな敷地や変形地にも建築可能な2LDKの家は、モダンな外観で都会的なデザインです。

廊下や階段ポーチの無駄をなくし、最大限居住スペースにあてています。

2階には大きな7畳の洋室が2部屋設けられており、夫婦の寝室や子供部屋に最適です。

シンプルな1LDKの平屋

出典:楽ちん住宅|R-02(間取り)
出典:楽ちん住宅|R-02(建物の外観)
費用815万円
延床面積40.5㎡(12.25坪)
間取り1LDK

シンプルな1LDKの平屋は、本体価格815万円です。

1人暮らしや2人暮らしに最適な間取りで、大容量のクローゼットが備え付けてあります。

廊下部分をなくし、LDK部分を広く設けた間取りです。

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ローコスト住宅における注意点

ローコスト住宅における注意点は以下のとおりです。

ローコスト住宅における注意点
  • アフターサービスが充実していないケースがある
  • オプション費用が別途かかる場合もある

ローコスト住宅の中には、費用を抑える代わりに必要な設備が標準仕様に含まれていないケースや、アフターサービスや保証が充実していないものもあります。

後になってかかるオプション費用や点検費用はないか、しっかりと確認しておきましょう。

>>ローコスト住宅の注意点についてはこの記事で紹介

【Q&A】800万円の家に関するよくある質問

年収800万円の場合どのような家を建てられますか?

住宅ローンの借入額の目安は年収の5〜8倍と言われているため、年収800万円の場合には4,000〜6,400万円の家を検討できます。

上記はあくまで目安であり、借入可能額は金融機関や申込人の属性によって異なるため注意が必要です。

住宅ローンに加え自己資金を用意できる場合には、さらに建築コストをかけた家が建てられます。

800万円の平屋はどのような間取りになりますか?

平屋を建てるためには最低約2,000万円の予算を見込む必要があり、800万円では建てられません。

しかし、下記のポイントで建築コストを抑えることは可能です。

建築コストを抑えるポイント
  • シンプルな間取りにする
  • 規格の間取りを選ぶ
  • 設備のグレードを抑える

正方形や長方形などのシンプルな間取りは建築コストを抑えられます。

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建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。

そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!

実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

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一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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