2024年12月19日更新

監修記事

古家付き土地の解体費用はいくら?購入するメリット・デメリットも紹介!

古家付き土地の解体費用は、木造で「4~6万円/坪」が目安になります。建物の構造や規模、アスベストの有無などによって費用は変わります。
本記事では、解体費用の相場や古家付き土地を購入するメリット・デメリット、建て替えの流れを紹介します。

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古家付き土地とは?

古家付き土地とは、古い建物が建っている状態の土地のことです。

築年数の古い建物が建っているため、価値のない建物が付いた土地として販売されることがほとんどです。

古家付き土地は買主が解体して新たに建築を行ったり、リフォームやリノベーションをして再利用したり自由に活用できます。

建物の耐用年数は?

建物の法定耐用年数は木造住宅の場合、22年となっています。

構造別耐用年数
木造住宅22年
鉄筋コンクリート造住宅47年
鉄骨住宅34年
国税庁:「耐用年数(建物/建物附属設備)

法定耐用年数は過ぎていても住める状態の物件もありますが、資産価値はないものとして取引されやすいです。

古家解体にかかる解体費用の相場

建物構造費用相場(坪単価)
木造約4~6万円
鉄骨造約5~7万円
鉄筋コンクリート造約6万円~
古家解体にかかる解体費用の目安

30坪程度の建物であれば、木造で120万~180万円程度、鉄骨造で150万~210万円程度、RC造で180万程度が相場になります。

建物の解体費用の目安は「建て替えのための解体費用!節税に繋がる勘定科目は?」の記事で紹介しています。

解体費用が変動する要因は?

解体費用が変動する要因は、以下の通りです。

  • 建物の立地
  • 解体業者の依頼先
  • アスベスト建材の量
  • 浄化槽・外構の撤去
  • 建物の構造(木造、鉄骨造、RC造)
  • 建物の大きさ
  • 廃材の廃棄コスト
  • 建物内に家具や家財を残すかどうか

解体費用はさまざまな要因により、数十万円~数百万円の費用差が発生することもあります。

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古家付き土地を購入するメリット

古家付き土地を購入するメリットは、以下の通りです。

  • 土地購入費用を抑えやすい
  • 住宅ローンを利用して購入できる
  • 住宅に必要なインフラが整っている
  • 建て替え後のイメージが湧きやすい
  • 購入後に柔軟に土地や建物を活用できる

1つずつ紹介していきます。

土地購入費用を抑えやすい

古家付き土地は資産価値の低い古家が付いているため、解体費用を見越して更地の土地よりも安く取引されています。

古家付き土地を購入した場合、建て替えを行うには解体費用がかかります。

どれくらいの解体費用がかかるのかを確認したうえで、購入を検討しましょう。

住宅ローンを利用して購入できる

建物がすでにある場合、古家をベースに住宅ローンを組むことができます。

更地の場合、建物を新たに建てることを前提とした住宅ローンしか組めないため、審査の難易度や審査の時間がかかります。

住宅ローンの活用を検討している場合は、住宅ローンが組めるかどうかを事前に確認しておきましょう。

住宅に必要なインフラが整っている

古家付き土地の場合、上下水道やガス、電気などのインフラが整っている場合がほとんどです。

新たにインフラを引く必要がないため、リノベーションやリフォーム時の工事費用が抑えられます。

周辺の住環境が整っている古家付き土地は、道路幅が確保されていたり、接道していたりなど宅地として利用がしやすいです。

建て替え後のイメージが湧きやすい

古家付き土地には、すでに建物が建っています。そのため、建て替え後のイメージをしやすいです。

更地の場合は建物がないため、実際の日当たりや室内にいるときの騒音の有無や、2階からの眺めなどが確認できません。

古家であれば、ある程度のイメージが掴めるため、「購入後も思ったようなイメージではなかった」と後悔することも少なくなるでしょう。

購入後に柔軟に土地や建物を活用できる

古家付き土地の場合、購入後に建て替えたり、更地にして駐車場や資材置き場にしたりなど、活用の選択肢が増えます。

また、古家をリフォーム・リノベーションして、貸し出すことも可能です。

古家付き土地は、更地よりも購入後の選択肢が広がります。

古家付き土地を購入するデメリット

ここからは、古家付き土地を購入するデメリットを紹介します。

  • 建物の解体費用がかかる
  • 建築制限の影響を受ける可能性がある
  • 古屋に瑕疵が存在する場合がある

建物の解体費用がかかる

古家付き土地で建て替えや更地にする場合にかかる解体費用は、木造で「4~6万円/坪」が目安です。

またアスベストやシロアリ被害がある場合は、解体費用も変わります。

建物の解体費用だけでなく、庭の樹木や庭石などの撤去や整理、駐車場や池の撤去など復旧作業も必要になる場合があります。

土地購入前に、解体費用がどれくらいかかるのかを確認したうえで、古家付きを購入するのかどうか検討しましょう。

建築制限の影響を受ける可能性がある

古家付き土地が既存不適格建築物に該当している場合、現行の法規制に合わせるために、同じ規模や配置で再建築できない可能性があります。

再建築不可物件の場合、建物を新しく建てられません。

古家を再利用する方法しか無くなるため、事前にどのような法令に該当しているのかをチェックしておく必要があります。

再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは、建て替えなどで新たに建物が建てられない物件のことです。

再建築不可物件の場合でも、既存建物の規模を変えずリフォームやリノベーションをしたり、そのまま物件に居住するなど活用可能です。

詳しくは、「建て替えに測量は必要?再建築不可物件には要注意?」の記事をご覧ください。

古屋に瑕疵が存在する場合がある

安くで古家付き土地を購入しても、実際には古家に瑕疵が存在するケースあります。

瑕疵とは、建物にシロアリ被害や雨漏りなどの欠陥がある状態のことを指します。

瑕疵物件を避けるためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 古屋の瑕疵の有無をしっかり確認する
  • 瑕疵担保責任の範囲が設定されていれば、それをしっかり確認する

瑕疵担保責任とは、建物になんらかの瑕疵(簡単に言うと欠陥)があった場合に、売却後も売主が買主に対して負わなければならない責任のことです。

しかし契約によっては、瑕疵担保責任が免責されている場合もあります。

まずは物件の瑕疵をしっかり確認したうえで、物件を購入する際には瑕疵担保責任の有無もしっかりチェックしましょう。

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古家を解体してから建て替えるまでの流れ

古家を解体してから建て替えるまでの流れをご紹介します。

  • 【ステップ1】 物件の選定・調査
  • 【ステップ2】境界線を確定させる
  • 【ステップ3】物件の購入(契約)
  • 【ステップ4】解体業者を選定・解体を実施
  • 【ステップ5】地盤調査と改良工事
  • 【ステップ6】建物の建築業者(ハウスメーカー)を選定・契約する

【ステップ1】 物件の選定・調査

まずは、古家付き土地の選定と調査を行います。

土地の選定と調査では、以下の点を意識しましょう。

  • 用途地域や斜線制限に付随する建築制限を確認する
  • 古家の価値の確認
  • 土地の面積・形状の確認
  • 周辺環境の確認
  • 上下水道、ガスなどインフラの種類の確認

土地購入の専門家と一緒に、土地を確認するのがおすすめです。

どのように土地を活用していくのかによって、購入するべき古家付き土地も変わってくるため、土地の状態を確認して将来のイメージを定めましょう。

【ステップ2】境界線を確定させる

古家付き土地を購入する際、境界線を確定させておくことが重要です。

一般的に、売買契約書に面積を記載するために、契約前に測量を行います。

隣地との境界線が明確になっていないことで、建て替え時に揉めたり、工事の中止や延期になったりします。

境界線が曖昧な古家付き土地を購入する場合、不動産会社が購入前に境界線を確定してくれるのか、費用負担はどうなるのかを事前に確認しておきましょう。

>>家の境界線はこの記事で解説!

【ステップ3】物件の購入(契約)

土地の選定や調査、境界線の問題が解決できれば、土地の売買契約を行います。

売買契約書や重要事項説明書などの説明があるため、不明点を残さないように確認することが大切です。

費用の支払い方法については、売買契約書に記載されています。

【ステップ4】解体業者を選定・解体を実施

建て替えや更地での利用を考えている場合は、解体業者を選定します。

解体業者を選ぶときは、適正な価格提示を行ってくれるかどうかが重要です。

業者によって解体費用が異なるため、相見積もりするのがおすすめです。

安いだけで業者を選ぶ場合もありますが、コミュニケーションや金額提示時の対応などを見ながら、信頼できる業者を選べると安心して解体を任せられます。

【ステップ5】地盤調査と改良工事

建物の解体後は地盤調査を行いましょう。

地盤調査とは、安全に建物が建てられるかどうかを検討する調査のことです。

地盤調査で軟弱地盤と調査結果が出た場合、地盤改良を行います。

詳しくは、「住宅建て替えで地盤調査が必要な訳と費用について」でご確認ください。

【ステップ6】建物の建築業者(ハウスメーカー)を選定・契約する

建物の建築業者は、ハウスメーカー以外にも設計事務所や工務店など種類があります。

進め方は変わらないものの、デザインやプランの自由度、施工技術などは建築業者によって異なります。

また、期間や費用なども建築業者によって大幅に違うため、納得のいく家を建ててもらえるような業者を慎重に選定することが大切です。

>>建て替えの流れや期間はこの記事で紹介しています!

【どう活用する?】古家付き土地を所有している場合の選択肢

古家付き土地を所有している場合、その後の活用方法の選択肢をご紹介します。

  • 建て替えて土地を利用する
  • 更地にしてから手放す
  • 古家付き土地で手放す

建て替えて土地を利用する

建て替えて土地を利用する方が向いているケースは以下の通りです。

  • 土地の立地が非常に良い場合
  • 建物が老朽化し、再利用が現実的でない場合
  • 土地の形状や広さが再建築に適している場合

古家の利用が難しい場合は、建て替えを行って自身の住宅としたり、賃貸にして活用する方法があります。

事業用物件の管理・運営は、事業者に依頼することも可能です。管理・維持が難しい方でも、事業用収入として期待できます。

更地にしてから手放す

更地にしてから手放した方が適しているケースは以下の通りです。

  • 古家の維持管理ができない
  • 耐震性に問題がある

古家の維持管理ができない場合、空き家になるリスクがあるため、解体する方が適しているケースもあります。

また更地にしてから手放すことで、解体費用分を除く土地費用が利益として残るため、プラスとして働くことも考えられるでしょう。

古家の耐震性に問題がある場合は解体することも選択肢に入れましょう。

古家付き土地で手放す

古家付きの土地のまま手放すことが適しているケースは以下の通りです。

  • 維持費や管理費が高額な場合
    (解体費用をかけたくない場合)
  • 再建築不可物件の場合
  • 税金や費用負担が大きい場合
  • 使用予定がない場合

費用負担が多く、維持管理が難しい場合は古家付き土地のまま手放す方が適しているケースもあります。

そのまま古屋付きの土地を所有していても、土地にかかる固定資産税だけがかかることになるため、後々の活用方法に悩む方は手放すのも1つの選択肢です。

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Q&A 古家付き土地でよくある質問

最後に、古家付き土地でよくある質問について触れていきます。

古屋を解体したら建て替えできない土地はある?

古家を解体してから建て替えができない土地を「再建築不可物件」と言います。

再建築不可物件とは、解体後、新しい建物を建てられない土地のことです。

道路に接していなかったり、幅員が2m未満であったりすると、再建築不可物件になります。

古家付き土地を更地にしたら税金は上がる?

固定資産税には、建物が建っている土地に使用できる「住宅用地の特例」が適用できます。

住宅用地の特例は、最大1/6の固定資産税控除が受けられる制度です。

更地の場合、固定資産税が50万円の土地であっても、古家があることで3万円に抑えられます。

古家と更地では、固定資産税にかかる費用が大きく変わります。

古家付き土地の解体費用は誰が払うの?

古家付き土地の解体費用は、買主負担がほとんどです。

契約条件によっては、建物撤去は売主という風に定められているケースもあります。

契約条件によって異なるため、解体費用の負担者を誰にするのかは話し合いで決めることになります。

建物の解体には何日かかる?

一般的な木造住宅を解体する場合、解体日数は「10~20日間」ほどです。

解体日数は土地の形状や建物の規模、建物の構造によって変動します。

トラックが入れなかったり、手作業が必要になったりすると、1~2週間追加で日数が必要になることもあります。

アスベストが見つかった場合はどうなる?

古家への使用も多いため、解体時にアスベストが検出されるケースもあります。

アスベストが見つかった場合は、アスベスト除去に関する特殊な講習を受けた解体業者への撤去を依頼が必要です。

必要な手順に従って対処をする必要があるため、その分撤去期間も長くなります。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

こここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

正確な建て替え金額を知るためには、建て替え前に「見積もり査定」を受ける必要があります。

そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!

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一生のうちに建て替えをする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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