2024年04月12日更新
平屋のメリット・デメリットや費用相場・お得に建築するコツを解説
「平屋」と聞くと、昔の建物というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、平屋には多くの魅力的なポイントがあり、現在でも2階建てより平屋を選ぶ方もいらっしゃいます。
そこで今回は、平屋のメリット・デメリットなどもご紹介しますので、平屋の注文住宅を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
目次
平屋住宅の特徴・魅力的なポイントとは?
平屋とは、1階建てのみで建てられた家のことを指します。
全ての空間がワンフロアに収まるのが特徴です。
階段を必要としないため、リビング、キッチン、寝室、水回りなど生活に必要な全てを一
続きの空間にすることも可能です。
平屋の魅力は、暮らしやすさと解放感でしょう。
ワンフロアにまとめられた空間のため、昇降の必要がなく移動がしやすいです。
そのため、どの年齢の方でも暮らしやすくなっています。
また、勾配天井などにして高さ方向の空間もうまく活用した場合、より解放感を感じられ
る空間構成が可能になります。
2階がない分、余裕をもった空間になります。
平屋住宅の小さな家が注目されているのは間取りがいいから?
平屋の小さな家と聞くと一昔前ならネガティブなイメージを抱く人もいたかもしれませんが、近年では平屋住宅が注目を集めています。
平屋住宅の支持層は高齢者だけではなく、若い世代にも目立ちます。
平屋の小さな家が注目されているのは、生活がしやすい間取りという理由だけに留まりません。
ここでは、平屋住宅が注目されている理由を解説します。
小さな家とは
近年は日本を含め、海外でも小さな家が人気を集めています。
小さな家とは英語でtiny houseと言い、日本でも英語の発音のままタイニーハウスとも呼ばれることがあります。
大きな豪邸を好む時代とは異なり、今はミニマリストという言葉の流行からもわかるようにシンプルでありながら心を満たされる生活ができる小さな空間を好む人が増えています。
小さな家の広さは一般的に10坪から20坪前後が多いと言われています。
海外での小さな家は、ログハウスやトレーラーなどレジャーや旅の要素を含んだ形態も見受けられます。
日本においては1階のみ、つまりワンフロアと呼ばれる平屋住宅が理想の小さな家を実現するにはぴったりでしょう。
現在ではお洒落な平屋住宅もあり、昔とは平屋住宅のイメージが異なってきています。
半平屋と平屋の違い
半平屋とは、1.5階建て住宅または平屋にほぼ近い2階建て住宅のことを言います。
十分な土地の広さを確保できず、完全な平屋が建てられない場合に採用されている建築手法です。
例えば、2階部分をコンパクトにして子供部屋のみを配置することによって、それ以外の用途の生活は、1階部分で平屋の場合とほぼ同じように実現することができます。
平屋住宅のメリットとは?
ここからは、平屋住宅のメリットについてご紹介します。
メリット1. 平面プランの自由度が高い
平屋には階段がないので、2階建てなどに比べて平面的な制約があまりありません。
このため、平面プランを思いのままに組み立てることができます。
メリット2. 生活動線・家事動線が効率的になる
上下の移動がない分、生活動線がシンプルになります。
移動が楽にできることから、毎日の生活においては非常に便利です。
また同様に、家事動線もシンプルで機能的にプランしやすくなります。
掃除機を持って2階まで上がったり、2階に洗濯物を干しに行くこともないため、効率的な家事ができるでしょう。
メリット3. 家族とコミュニケーションを取りやすい
2階がなくワンフロアに生活スペースが収まるため、家族と顔を合わせる機会が増えます。
そのため、自然とコミュニケーションを取る回数が多くなるでしょう。
また、各個室にいたとしても気配を感じられるため、声もかけやすくなります。
さらに、家族が何をしているのかが分かりやすいため、お子様がいらっしゃるご家庭は安心できます。
メリット4. 育児がしやすい
上階がないので、子どもが階段やバルコニーから落下する心配がありません。
また子どもをいつでも自分の目の届く範囲に置くことができるため、家事と育児を同時に行いやすくなります。
メリット5. 階建てより耐震性が高い
建物の重心は、低ければ低いほど安定し、地震に強いと言われています。
重心が低く土地と接している面積が大きい平屋は耐震性が高いといえます。
揺れの影響も2階建てより少なくなります。
また、平屋は2階がない分、上からの荷重が少ないことや高さ方向が低い安定した形であることなどによって耐震性が高いです。
メリット6. 平屋ならではの広い間取りにできる
平屋は、2階建てに比べると階段や2階ホールなどのスペースが必要ない分、リビングやその他の居室などの間取りを大きく取りやすいといえます。
LDKを広くして家族との団らんを楽しむ場を充実させるのも良いかもしれません。
また、平屋は2階がない分、ある程度自由に天井の高さを決められるため、デザインや設計の自由度が高くなります。
屋根の形状に合わせて外観をデザインしたり、スキップフロアを作ることも可能です。
メリット7. メンテナンス費用を抑えやすい
2階建てに比べ、メンテナンスする必要をともなう外壁面積がやや少ないため、メンテナンス費用を抑えられます。
逆に、屋根面積については2階建てより大きくなります。
建物の寿命を伸ばすためには、定期的なメンテナンスが必要です。
例えば、外壁の塗装は約10年〜約15年に一度必要と言われていますが、その都度、メンテナンス費用を抑えられます。
また、平屋ではメンテナンスの際に足場を組む必要がないため、その分も費用を安くできます。
メリット8. 階段がなくバリアフリー化しやすい
平屋は階段がなく上下の移動が必要ないため、老後の生活がしやすい構造です。
段差をなくすといったバリアフリー化もしやすく、改築費用を抑えられます。
また、車いす生活になったとしても、比較的簡単に部屋の移動ができます。
さらに階段がない分、転倒や転落などのケガの心配をすることも少なくなるでしょう。
メリット9. 光熱費を抑えやすい
平屋は、2階などの上階がないことにより、熱の空間移動が少ないため、冷暖房の効きが良くなります。
暖かい空気や冷たい空気が満遍なく行き渡るため、冷暖房を強く設定しなくてもよく、光熱費を抑えられるでしょう。
また、平屋は2階建てよりも屋根が広くなる場合が多いです。
広い面積の太陽光発電を設置することができれば、通常よりも発電量を増やせます。
それにより家庭内の電気として、あるいは売電するなどして有効利用できれば、光熱費を大きく抑えられます。
すべての部屋がトップライトを取り付けられる対象になる
建築基準法において、トップライト(天窓)の採光面積は、窓からの採光面積の3倍に値すると認められています。
それほどまでに明るい自然光を部屋に取り込めるトップライトが、希望するどの部屋にも取り付けられるのです。
メリット10. 各部屋ごとに外との連続性を作ることができる
平屋は部屋が1階にあるため、外の地面との距離が近く、外と繋がりのある部屋を作れます。
また、それにより自然を感じやすい生活をつくれそうです。
テラスを設けてお茶を楽しんだり、芝生を植えてお子様やペットが走り回れるようにしたりすると、より外と部屋との連続性を感じやすくなるでしょう。
平屋住宅のデメリットとは?
メリットをご紹介しましたので、ここからはデメリットについて解説していきます。
デメリット1. 広めの敷地が必要
平屋を建てるには、広い土地が必要です。
例えば60坪の土地に60坪の家は建てられません。
それは、建ぺい率によって建てられる家の大きさに制限が設けられているためです。
建ぺい率とは、その敷地面積に対して建築することが可能な建築面積の限度を割合で示したものです。
平家を建ぺい率50%の敷地に建てようとする場合、60坪の土地には30坪以内の家しか建てられません。
しかし2階建ての場合は、容積率によっては、60坪の土地に60坪以上の家でも建てることが可能です。
よって、平屋を建てる場合は、2階建ての場合よりも広い土地が必要です。
デメリット2. 限られた敷地では部屋数を増やすのが難しい
平屋建て住宅は土地の面積よりも建物の床面積が大きくなることはありません。
間取りや部屋の大きさは敷地の広さに左右されるため、限られた敷地では自由に部屋数を増やすことは難しいでしょう。
デメリット3. 中心部の部屋の日当たりや風通しに注意が必要
平屋の中心部の部屋は、どうしても暗くなったり風通しが悪くなりがちです。
また、平屋は高さが低いこともあり、周囲の建物の影響を受けやすく周囲が2階建て以上の家ばかりの場合、日当たりや風通しが悪くなります。
デメリットの解消方法は、家の形をコの字型やロの字型にして中庭を設けることです。
コの字型やロの字型にすることにより、部屋の中心部にも光があたり、風通しも良くすることも可能となります。
また、中庭を作ることで、解放感のある家にもなるでしょう。
デメリット4. プライバシーの確保が難しい
平屋では家族のコミュニケーションがとりやすくなる半面、プライバシーを確保することが難しくなります。
このため、設計段階からプライバシーの確保するための工夫が必要になります。
デメリット5. セキュリティが不安
平屋は不審者が侵入しやすい位置にある窓が多いために、防犯面でさまざまな対策が必要になります。
防犯カメラ、防犯センサー、防犯砂利などを設置するなどの配慮が必要です。
デメリット6. 坪数当たりの建築費用が高くなりやすい
平屋は、2階建ての家と比べて基礎部分と屋根が最大で2倍近く大きくなる場合があるため、その分基礎工事と屋根工事の費用が高くなります。
2階建ての家と比べて基礎工事をする面積が多いため、費用が高くなってしまいます。
また、平屋は上から見た場合、屋根面積が大きくなります。
よって坪数当たりの建築費用が2階建ての家と比べて高くなりやすいです。
デメリット7. 河川の氾濫時など垂直避難ができない
平屋は2階がないため、河川が氾濫した時などに2階に避難できず、逃げ場所の確保が難しくなる点もデメリットだと言えます。
床上浸水が起こった場合も、家全体が水浸しになってしまいます。
もちろん水浸しになるのは平屋だけに限ったことではありませんが、浸水する床面積は大きくなります。
解消方法は、水害の起こる可能性のあるエリアを避けて建築することです。
ハザードマップなどを参考にして、水害が起こりにくい場所を選ぶと良いでしょう。
平屋住宅の費用相場はどのくらい?
平屋の坪単価の費用相場は、木造の場合約65万円〜約110万円です。
ファミリー向けの3LDKの平屋では延床面積が約25坪〜約30坪のため、費用は約1,600万円〜約3,300万円かかります。
平屋の建物価格は、基本的には床面積が小さい家の方が安価に建てられる場合が多いです。
ただし、同じ仕様の家の場合、延床面積が小さい方が坪単価は高くなりがちです。
理由としては、小さい家の工事は作業効率が上がりにくいこともありますが、面積の大小にかかわらずキッチンやお風呂などの設備の数はほぼ同じケースが多いためです。
広さ以外にも、費用の変動に影響を与えるものがいくつかあります。
例えば複雑なデザインの設計プランを発注した場合、工事費だけでなく設計費や建材費も上がります。
また、ハウスメーカー独自のプランを採用する場合も価格変動が起こります。
ハウスメーカーではリーズナブルなプランからハイグレードなプランまで様々なものがあります。
間取りを自由にプランできたり、建材を自由に選べるようなフリープラン、フリースタイルなどの場合、基本設定価格より大幅にアップするケースも珍しくありません。
ハウスメーカーによっても違うため、面積の広さだけが建物価格に影響を与える訳ではないということを覚えておきましょう。
平屋住宅の工期は、約3カ月〜約6カ月です。
建設の期間なので、打ち合わせ期間を入れるとさらに時間はかかります。
なお、こちらの記事に記載の金額や工期はあくまでも一例です。詳しくは業者による現地調査が必要となります。
また、業者によっても金額や工期は変わるため、複数社に見積もりを依頼し、比較・検討するようにしましょう。
平屋は1000万円以下の激安価格で建てられる?
新築で2階建て以上の安全な家屋を1000万円以下の価格で建てるのはほぼ不可能でしょう。
しかし平屋ならこの価格でも建てられる可能性が十分に存在します。
なぜなら、平屋は2階以上の部分を作らないからです。
耐震の面でも安定しており、その分の費用を抑えることができます。
しかし、平屋なら確実にコストを抑えられるというわけでもありません。平屋でも費用が高くなってしまうポイントはいくつかあるので、安く抑えるための工夫が要ります。
たとえば2階建てと同じ床面積の平屋を建てようとすると、それだけより広い土地が必要になりますよね。つまり平屋だとその分の土地代が余計にかかることになります。
したがって土地代を抑えるためには、どのような間取りにするのかがポイントとなるでしょう。
最近の平屋は1LDKや2DKが主流となっています。
そしてやはりまだまだ2階建て住宅が一般的であるため、ハウスメーカーによっては平屋住宅の規格を取り扱っていないということも。
こうなると平屋でもオーダーメイドの住宅となってしまうため、建築費用が高くなりがちです。また、建築費用を抑えるのなら高コストの設備や材料を導入しないといったことも重要です。
これらの点を考慮すれば、1000万円以下で平屋を建てることも十分可能になります。
激安価格で平屋を建てたいという方は事前にしっかり検討を行ってください。
平屋住宅に建て替える場合の費用について
既存の二階建て住宅を取り壊して新たに平屋の建物を新築する場合、建築する費用はどの程度必要なのでしょうか。
その点についてご説明します。
平屋住宅へ建て替える費用の算出方法
平屋住宅へ建て替える場合の費用の算出方法ですが、居住空間の広さが同じ平屋住宅と2階建て住宅を比較して考えてみましょう。
面積については、2階建てにすると階段や2階部分のホール、また2階のトイレなどが必要なので、平屋住宅よりも延床面積がどうしても4坪ほどは多くなります。
坪単価で見た場合、屋根や基礎の部分また床の構造の違いなどによって延床面積の割合からすると平屋建ての方が高くなることもあります。
例えば2階建ての住宅の建築費用は、平屋建てと同様の設計で30坪の間取りとした場合、階段や2階ホールと2階トイレで4坪が余分に必要となりますので延床面積は34坪となります。
坪単価が65万円であった場合には、65万円×34坪で建築費用は2,210万円となります。
いっぽう平屋建ての住宅で延床面積が30坪の住宅を建てようとする場合、坪単価としては2階建てよりも一般的に15%割高になると想定されます。
割高になる理由は、屋根や基礎工事の面積が倍になることや床構造なども割増になるためです。
2,210万円の15%割高で建築費用は約2,542万円です。
2,542万円を30坪で割ると坪単価が約85万円となります。
このように、平屋建ての住宅の建築費用を間取りや延床面積だけで比較するのは、メリットやデメリットを検討するにあたっては困難になります。
平屋の工事費が高くなる要因
平屋は1階部分の面積が2階建てに比べて大きくなるため、それに伴い基礎の容量や屋根の面積が大きくなってしまいます。同様の理由で断熱工事の対象面積も大きくなります。
また平屋が注目され始めたとはいえ、世の中の住宅の主流は2階建て。
そのため平屋専用の部材が量産されていないので、割高になってしまいます。
平屋の工事費が安くなる要因
反対に平屋にすると安くなる要因もあります。たとえばバスやトイレ、洗面は、2階建ての場合複数設けることが多くなりましたが、平屋の場合は1カ所にされる方が多くなります。
また構造的な負担が軽減されることから、壁の構造合板の使用量が少なくなります。
さらには階段の設置費用の負担がありません。
平屋住宅の新築費用を抑えるコツ
平屋住宅を新築する場合に、どのような費用を抑えることができるでしょうか。
そのポイントについてご紹介します。
コツ1. 間取りはシンプルに
平屋の建物の場合には、直方体や立方体のような形態の全体にシンプルな間取りのものであると壁や柱が少なくなり、費用を抑えることが可能です。
そのうえ、外壁材や屋根などの材料費や壁紙、ドアなどの建具もシンプルな構造、間取りの建物のほうが加工しやすいという面があります。
したがって、部屋や廊下を作って間取りを複雑にしたり、中庭を作って囲んだりするような間取りの建物にすると、どうしても費用が高くなってしまいます。
費用を出来るだけ抑えるには、部屋数を少なくしリビングを広く取るといった、シンプルな間取りがおすすめです。
コツ2. コストパフォーマンスを考えた住宅設備を選ぶ
コストパフォーマンスを考えた住宅設備という面では、消費エネルギーよりも作り出すエネルギーの方が多い住宅を考えてみましょう。
たとえば太陽光発電などを設置し、さらに省エネ性能にも優れた建物です。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を取り入れることで、より快適な室内環境にしたり、年間の消費エネルギー量をほぼゼロ以下にしたりするということが可能です。
また、提示されている条件を満たすと補助金なども受けることができます。
たとえば2018年度であれば、補助される金額は70万円でした。また蓄電システムを建物などに設置した場合には、最大で30万円が上乗せされるという利点があります。
さらにZEH+(ゼッチ・プラス)という建物もおすすめです。
一般的なZEHよりもさらに条件としては厳しくなるのですが、この建物などの場合には補助額として、115万円まで増えることがあります。
ZEH+においても蓄電システムを設置した時には、上乗せされます。ただし、補助額や制度詳細が毎年変わりますので注意してください。
ちなみにZEHとは、環境にやさしく住み心地のよい建物のことで、高断熱窓や高性能空調などを設置し、冬は暖かく夏は涼しい環境をもたらします。
コツ3. 補助金・減税措置を利用する
上述したゼロエネの住宅を新築すると、補助金だけでなく住宅ローンなどにおける減税措置も利用することができます。
たとえば固定資産税では、新築住宅に対する減税措置があります。それは新築住宅の場合、ある要件を満たしていると建物の固定資産税額の2分の1が減額されるというものです。
減税期間は一般的に3年間ですが、認定長期優良住宅に関しては7年間まで適用されます。
また認定長期優良住宅では、登録免許税の税率としても0.15%が0.1%へ引き下げとなります。
さらに不動産における取得税の控除額が、1,200万円から1,300万円に増額されますので、住宅ローンの金額も抑えられます。
また、認定低炭素住宅でも登録免許税の減税を受けることが可能です。
このように、より質の高い建物に関しては減税措置が適用できる可能性が高くなりますので、検討してみてください。
コツ4. ハウスメーカー・工務店選びも大切
建築費用は材料費やデザインなどの違いの他に、建築会社にどれだけ利益が必要かによっても多少変化します。
例えば、営業担当や事務担当、広告費等が多くかかる傾向のある大手企業なら必要な利益は多くなりますし、大工さんと少数の事務の方だけで成り立っている中小企業なら大手に比べて必要な利益を抑えることができるでしょう。
もちろん、大手企業なら大量仕入れによるスケールメリットによって中小企業より安価に建築できる可能性もあるため、一概に中小企業に建築を依頼した方が費用を抑えられるとは言えません。
平屋建てなどを新築する場合には、複数のハウスメーカー、工務店に見積りを依頼し、プランや価格などを比較して納得できる会社に工事を依頼すると良いでしょう。
最近では、ローコスト住宅に特化して営業展開している会社もあります。初期費用を抑えたい場合は検討すべきでしょう。
費用を抑えたい場合については、地元自治体が行っている助成制度について詳しい地元工務店に依頼するという方法もあります。
地域の工務店など
地域密着型の地域の工務店は、大工や職人たちなどで構成されています。
メリットとしては、施主としっかりと対話することで希望を捉え、一棟をオーダーメイドで作り上げられる点でしょう。
多くの工務店は伝統的な木造の在来工法を中心とした工法を得意としています。
ハウスメーカーなどに依頼した場合でも、実際に施工を請け負うのは工務店です。
そういった点からも、工務店は施工の分野の実績と知識を持っている専門家であることがわかるでしょう。
しかしデメリットとして建築以外の土地探しやローンの組み方などについてはあまり得意ではない場合があります。
依頼主自らが不動産会社や金融機関などと交渉しなければならないケースもあるでしょう。
ハウスメーカー
全国に拠点を置いていることの多いハウスメーカーは、その知名度からまず候補の一つとしてあげられることの多い施工業者でしょう。
各地に住宅展示場があるため希望に合う建物や内装、間取りを把握しやすい点がメリットです。
会社によって木質系や鉄骨系、ツーバイフォーなど、異なる工法の家屋を扱っている場合もあり、広い選択肢の中から選ぶことができます。
自社工場がある会社も多く、比較的材料費などを安くすることも可能でしょう。
ただデメリットは、規格外の設計などにおいては特注となり、施工費が割高になる場合がある点でしょう。
施工を下請けの業者に任せることが多いため、その分マージンがかかってしまったり、地域の工務店よりも宣伝等にかける費用も多いため、その分が建設費用に乗せられるケースもある点もデメリットだと言えます。
ハウスビルダー
ハウスビルダーは、ハウスメーカーほど大規模ではない会社です。
各都道府県の中でも一部の地域に特化していることがほとんどです。
そのため、その地域の中ではトップシェアを持っている会社も多く、地域に根ざしているからこそ信頼の厚い会社が多いのも特徴です。
またハウスビルダーの中でも、規模が比較的大きい会社ではハウスメーカーのような形態で独自の商品などを扱っている会社もあります。
しかしデメリットは、自社工場などは持っていないことが多く、その分材料費が高めになることもある点などでしょう。
設計事務所
設計事務所は、主に建築家が運営している会社で、建物の設計や監理などを主業務としています。
メリットとしては、施主の意向を反映して個性的なデザインの家を設計をしてもらえる点です。
施工にあたっては、入札等で決まった工務店に委託することになりますが、工事の進行管理や工事費用、品質のチェックなども行ってもらえるため、完成まで安心感があるでしょう。
しかし、一般的な新築工事では設計施工は工務店等に委託する場合が多いため、設計事務所による設計監理の例はあまり多くなく、完成までの工程が予測できにくい点はデメリットです。
また、オーダーメイドで設計を依頼することになるため、費用は高くなる傾向にあります。
半平屋の建築費用相場や工期の目安
半平屋の場合、延床面積が同じであれば建築費用はやや低くなります。
基礎や屋根の面積が平屋に比べてやや小さくなるためです。
2〜3LDKの半平屋建て住宅を新築する場合、約1,400万円〜約3,200万円が建築費用の相場です。
工期に関しては、一部2階の建築の手間が増すことにより平屋建てより若干長くなります。
既存住宅の解体費用の内訳と相場
既存の住宅を解体して、その土地を整備してから平屋の住宅を建てる必要があります。
それに関連する建物の解体費用についてです。
建物を解体する場合の費用は、建物の構造によって異なります。
例えば木造の建物の場合には、坪単価としてはおよそ4万円から5万円程度ですが、鉄骨の建物では、坪単価が上がり5万円から6万円程度となります。
坪数あたりでは、5万円程度が相場となりますが地域によってかなり解体費の相場は異なります。
主に解体費用の相場としての単価は、床面積で変化します。
一般的に延床面積が広いと解体費用は単価としては下がり、延床面積が狭いと単価としては上がっていきます。
おおよその費用は解体する建物の種類の坪単価に延床面積をかけると算出できます。
さらに解体の相場単価は、住宅の築年数でも多少変わることがあります。
新しい住宅ほど高く、古くなると安くなるという傾向です。
足場や養生にかかる費用相場
解体する場合に足場を組む必要がある場合には、1回の足場の設置に対してもかなり費用がかかります。
それは、広範囲であっても狭い範囲でもかなり高額となります。
また足場を組む際の単価は、業者によっても異なることがありますが一般的には、1㎡あたりでは800円ほどです。
2階建てでは、およそ20万円ほどとなり、解体に関連して養生するための費用は、1㎡あたりおよそ500円程度です。
重機のレンタルにかかる費用相場
建物を解体する場合には、重機を使用することが一般的です。
重機を運搬する費用は、1台あたり3万円程度で、重機で解体する作業をする場合には1坪あたりはおよそ5千円ほどです。
ただ問題となるのは、重機が解体する現場にスム-ズに入れるかどうかでかなり費用も異なります。
道路などの問題で重機が入りにくい場合には、手作業となりますのでかなり費用もかさむこととなります。
警備員費用の相場は
都会などの交通量の多い地域では、トラックの出入りなどで警備員が必要となることもあります。
1日あたりでは、一人につき1万2千円ほどの費用がかかります。
既存住宅の処分費用について
既存の住宅を解体したものを処分する費用も必要となります。
解体工事の際の料金表には、産業廃棄物の処理費用として計上されます。
建物の広さや構造だけでなく外構に使用されていたブロック塀などがあるものは、その撤去したものの処分費用も考慮しておくことが重要です。
同じような工事内容の場合でも業者によって、また地域によって50万円以上の金額差が出ることがあります。
できれば複数の解体業者から見積もりを取ることをおすすめします。
仮住まいへの引越し費用や家賃の目安
引っ越し費用
平屋の住宅に建て替えをする場合には、ある一定の期間は仮住まいをする必要があります。
そして仮住まいの場所から新居へ引っ越しをすることになります。
合計2回引っ越しをしないといけませんので、引っ越し費用もかなりかかります。
仮住まいの費用
仮住まいをするためには、それに伴う家賃などが必要となります。
さらに仮住まいの家賃以外にも、部屋を借りることに関連して敷金や礼金、住宅保険料や鍵の交換代、さらに共益費なども要求されます。
平屋住宅の新築費用の内訳と相場
平屋住宅の40坪の新築を建てる場合には、建築材料や間取りなどにもよりますが、価格の相場としてはおよそ3,000万円ほど必要となります。
建物の設備や部屋数などにより価格は異なりますが、2,000万円よりも安く費用を抑えるのは難しい状況です。
施工業者がハウスメーカーなどの場合には、坪単価の相場としては約70万円程度となります。
業者によっては、費用の計算を延べ床面積でなく施工面積で算出する場合がありますので注意をしてください。
このほかの費用としても1,000万円前後は、必要となりますので心積もりをしておいてください。
ローンを組む場合の月々の返済額の目安
全国の平均である費用として建築費3,300万円のローンを組む場合には、ボーナス払いなしで35年のローンにすると次のような返済額となります。
金利の種類を固定金利にするとおよそ1.5%ですので、総支払額は約42,437,000円となり月々の返済額は約101,000円となります。
また変動金利にするとおよそ0.6%で、総支払額は約36,594,000円となり月々の返済額は約87,100円となります。
固定金利の場合には、金利が変化しませんので金利としては高い傾向となります。
それに対して変動金利は、金利が変わるというリスクがありますから利子としては安くなっています。
この数字は、おおよその目安にすぎませんが費用面での参考にしてください。
地域別の坪単価の目安
建物の坪単価は、地域によって差があります。
建物を新築する場合には、建設費用としての坪単価は北海道や東北では50万円前後、関東では52万円程度です。
しかし東京になると安い場合で60万円前後で高い場合には90万円以上となる場合もあります。
北陸では、51万円、東海では53万円、近畿では55万円、大阪の高い場合は75万円程度になる場合もあります。
また中国や四国などは50万円前後、九州、沖縄でも同様です。
ただ平屋の場合には、この坪単価よりもやや高くなる傾向ですので、検討してください。
平屋か2階建てかどちらの方が良い?
平屋か2階建てかどちらの方が良いのでしょうか。
4つのポイントごとにご紹介します。
予算から判断する
平屋は、2階建ての家よりも基礎部分や屋根の面積が大きくなるため、坪単価が高くなります。
基礎や屋根は材料費がかかり、費用が高くなる工事箇所です。
そのため、予算によって判断する必要があります。
建てる際は平屋の方が費用は高くなりますが、メンテナンス費用は2階建てと比べて安くなります。
一方の面だけを見るのではなく、総合的かつ長期的に考えましょう。
必要な間取りから判断する
必要な間取りを考えて、うまく実現できそうなのは平屋の方か2階建ての方かを考えてみましょう。
例えば、個室をリビング・ダイニングなどの公の空間と隔てて完全にプライバシーを確保したい場合は、2階建てが適しています。
リビング・ダイニングにゆとりを持たせて、どの部屋とも繋がりのある間取りが良い場合は平屋が適しているでしょう。
必要な間取りによって異なってきます。
家族構成から判断する
平屋は階段がないため、つまづきなど不意のケガをすることが少なくなります。
そのため、高齢者や小さなお子様がいる場合は、平屋が適しています。
また、現在は高齢者や小さなお子様がいなくても、将来を考えて平屋を選択する場合もあるでしょう。
平屋はバリアフリー化がしやすいため、その点も考慮した上で判断が必要です。
家族構成によって重視する点が異なりますので、判断のポイントになります。
確保できる土地の広さから判断する
平屋を建てる場合は、2階建てよりも広い土地が必要になります。
確保できる土地が狭い場合は、2階建てにして床面積をやや増やすことも良いでしょう。
理想の間取りを考えて、自分の暮らし方に適する方を選びましょう。
また、建ぺい率を考慮した上での広さを決める必要があります。
確保できる土地に、実際建てられる大きさを確認しておきましょう。
平屋か2階建てかの基本的な判断ポイントになります。
平屋住宅がおすすめな方の特徴
平屋住宅がおすすめの方の特徴をご紹介していきます。
家事動線をコンパクトにしたい方におすすめ
平屋は2階がなく、一続きのワンフロアです。
そのため、掃除機を2階までかけたり、洗濯物を2階まで干しにいく必要がなく、効率の良い家事ができます。
また、家事動線がコンパクトになるため、家事がしやすくなります。
家事動線をコンパクトにして、効率的な家事をしたい方におすすめです。
バリアフリー化を重視する方におすすめ
平屋は2階がないため階段がなく、つまずいて転倒やケガをする可能性が少なくなります。
よって高齢者や小さなお子様がいて、過ごしやすい部屋を作ることを重視する方におすすめです。
また、平屋は2階がない分バリアフリー化がしやすくなっています。
将来的に家をバリアフリー化をしたい方や、家族構成が変わり高齢者や小さなお子様が増える可能性のある方にもおすすめです。
一緒に暮らす方の人数が2.3名の方におすすめ
平屋は2階建てと比べて、少なくとも約2倍程度の土地が必要になります。
そのため、一人あたりに十分な広さを確保しようと思えば、広い土地が必要です。
4人以上で暮らすとなるとかなり広い土地が必要ですが、一緒に暮らす人数が2、3名までだと、そこまで広い土地でなくても対応可能になると考えられます。
よって、一緒に暮らす方の人数が1〜3名までの場合におすすめです。
老後に向けて建て替えを検討している方におすすめ
平屋は、2階建てと比べて階段がなく段差が少なくなっているため、階段や段差につまずいて転倒やケガをする可能性が低いです。
老後に向けて建て替えを検討している方には、平屋へ建て替えをすることをおすすめします。
また、平屋はバリアフリー化をしやすいため、車いすを使用することになった場合でも過ごしやすい家に簡単にリフォームできます。
郊外や田舎などで建築を予定している方におすすめ
平屋を建てる場合は、2階建てよりも広い土地が必要です。
そのため、広い土地を確保しやすい郊外や田舎で建築を予定されている方におすすめします。
また、平屋は2階建てよりも坪単価が高くなります。
坪単価が都会よりも安い郊外や田舎の場合、費用を安く抑えられるでしょう。
光熱費やメンテナンス費用を抑えたい方におすすめ
平屋はワンフロアで一続きになっているため、冷暖房が効きやすいです。
2階がないため、暖かい空気と冷たい空気が上下のどちらかに偏ることなく満遍なく行き渡ります。
また、外壁塗装などメンテナンス工事をする際に足場を組む必要がないため、その分費用を安く抑えられます。
光熱費やメンテナンス費用を抑えたい方におすすめです。
平屋建て住宅の外観をおしゃれにするポイント
次のポイントに注意することによって、平屋建て住宅をよりおしゃれな住宅に仕立てることができるでしょう。
外壁の色選びのポイント
外壁の色は多くとも2色までにした方が全体の統一感が取れておしゃれに見えます。
どの色にするか決められないからと言って多種類の色を使用するのは避けた方が良いでしょう。
窯業系サイディングは色やデザインが豊富
窯業系サイディングはサイディングの中でも最も色やデザインが豊富なため、お気に入りの外壁に仕上げることができるでしょう。
金属系サイディングはスタイリッシュ
最近では金属系サイディングを使用する住宅も増えてきているようです。
金属系サイディングはうまく活用すればスタイリッシュでモダンな雰囲気に仕上げることができます。
口の字やコの字の外観にするとプライバシーが保たれる
建物の形状をロの字型やコの字型にすることによって住人のプライバシーを確保することができます。
また、外観に凹凸があることによって陰影が生まれるなど、全体の美しさが増すでしょう。
片流れ屋根はロフトを設けることができる
屋根を片流れ屋根とすることによってロフトを設けることができる等、天井付近のスペースを有効活用することができます。
陸屋根はシンプル
屋根勾配が無いフラットな屋根の事を陸屋根と呼びます。
陸屋根はシンプルですが、屋根部分のスペースを活用できるため実用性が増します。
ウッドデッキやテラスを設ける場合は周辺の自然環境を観察しておく
ウッドデッキやテラスを設けることができるのも平屋建て住宅の魅力の一つです。
設置する場合は周囲の景観と上手く馴染むよう、周辺の自然環境を観察しておきましょう。
平屋に中庭を作る
平屋に中庭を作り植栽などを植えると、四季折々の風景を部屋から眺めることができ、風情があってとてもおしゃれな印象を与えます。
平屋で中庭を作る場合はコの字型やロの字型に家を作ります。
中庭の部分には家の象徴となる木や植物を植えて眺めることができるのと同時に、プライベートが確保され近隣の視界を遮りつつ広々とした空間を作ることが可能です。
また、中央部分が庭だと、どの部屋に滞在しても明るく自然の光を堪能できるでしょう。
ただ、ロの字型の場合は、中央の庭が建物に囲まれてしまうため雨量が多いと庭の排水が追いつかなくなることがあります。設計時には、庭の排水に配慮した設計が必要です。
平屋建て住宅の内観をおしゃれにするポイント
次のポイントに気を付けて平屋建て住宅の内観もおしゃれな空間に仕立てましょう。
天井を高く設定すると開放的な空間に
平屋建て住宅は上階が無いので、天井を高く設定することが可能です。
高い天井とすることによって室内を広く開放的な空間にすることができます。
また、天井が高いということはそれだけ壁の面積も大きくなります。
広い壁に大きな窓や複数の窓を設けることによって室内を明るく開放的な雰囲気にすることもできるでしょう。
ロフトを取り入れる
ロフトは「屋根裏部屋」と訳されるように、屋根の小屋組の空間を利用して設ける部屋です。
このため二階建ての住宅においては、2階の部屋にロフトを設けます。
しかし一般的に2階には寝室や個室などのプライベートな部屋が配置されることが多いために、使用法は限定されます。
平屋建ての住宅においては、リビングなどの家族が憩う部屋にもロフトを設けることができるために、趣味のスペースとして使用するなどの自由な発想の使用が可能になります。
猫を飼っている家では、小屋裏を利用したキャットウォークとして活用することもできます。
またすべての部屋にロフトが設置できるということは、同時にすべての部屋にトップライトを付けられる条件が整っているということになります。
配置上どうしても採光が不足する部屋があるのであれば、トップライトを設けることで部屋の暗さを解消することができます。
ダウンフロアリビングはメリハリが生まれ機能的
ダウンフロアリビングとはリビング部分が他のフロアより数十cm程度低くなっているリビングの事をいいます。
ダウンフロアとすることによって段差部分を椅子として活用することができるなど、大人数でも余裕を持って寛ぐことができるでしょう。
また、床に段差があることによって室内空間にメリハリを持たせることもできます。
見せる収納と隠す収納
小さな家は収納が悩みになりがちです。平屋住宅の小さな家の場合、収納は工夫する余地があります。
収納といえば隠すものと思われがちですが、現在では収納もインテリアとして家の雰囲気を演出するものと捉えられています。
見せる収納と隠す収納を使い分けると良いでしょう。
見せる収納では、外から見えるように物を収納します。デザインが良い物や頻繁に使う物の収納がおすすめです。
隠す収納では引き出しなど外から見えない場所に物を収納します。
見せる収納と隠す収納の使い分けで、家は格段にお洒落に見えるでしょう。
あらわしは吹き抜けのようなイメージに仕上げられる
通常は天井の梁などといった構造体部分は仕上材によって隠してしまいますが、あらわしといって梁や柱を敢えて隠さずに見せる仕上げ方法があります。
あらわとすることによって吹き抜けのようなイメージに仕上げることができ、開放的な気分を味わえます。
平屋でおすすめな間取り
それでは、平屋を建てる際にはどのような間取りにすれば良いのでしょうか。
設計の自由度が高い平屋だからこそ、おしゃれな住まいにするためのおすすめな間取りを紹介します。
平屋の中央に広いリビングがある間取り
平屋の中央に広いリビングがある間取りは、風通しや日当たりが良く快適な空間を演出します。
30坪の平屋を建てた場合、約20畳をリビングスペースに充てるとゆとりのある広さを確保できます。
ロの字型の間取り
平屋の間取りをロの字型にして、中庭を設けるのもおすすめです。
中庭から風や光を取り込みやすくなり、また家の外からは見えない構造なので防犯対策にもつながります。
平屋の広さ別でおすすめの間取りについて
次に平屋の広さ別でおすすめの間取りをご紹介します。
20坪でおすすめの間取り
20坪の平屋の場合、子供が成長して進学や就職などで家を出た後など、夫婦2人で暮らしていくのにおすすめの広さです。
20坪だと2LDKまたは3LDKとなり、2人で暮らすのに十分な平屋だといえますが、広さも限られてくるため、無駄のない間取りにする必要があります。
また、この広さで3LDKにすると部屋数は多くなりますが、1つの部屋の広さは2LDKよりも若干狭くなるでしょう。
しかし、リビングの隣にテラスを設置するなど、リビングを開放的することで狭さを感じさせない空間作りが可能です。
テラスではお茶を飲んだり、子供や孫の遊び場になったりと使い勝手の良い場所になるでしょう。
25坪でおすすめの間取り
25坪の平屋の場合も20坪と同じく2LDK〜3LDKの間取りが一般的です。
20坪の平屋との違いは、25坪あれば夫婦+子供1人でも狭く感じることは少ないでしょう。
たとえば、3LDKの部屋を設けたとしても、主寝室を8畳、子供部屋6畳が確保でき、リビングを中心とした家族のスペースとプライベートルームとを分けることが可能です。
また、屋根を利用してロフトにすることができます。ロフトは収納スペ―スになる他、書斎や趣味のスペースとしてもよいでしょう。
子供が成長した後は子供部屋を別の用途に利用するなど、ライフスタイルの変化にも対応でき平屋の間取りのメリットを存分に活用できるでしょう。
50坪でおすすめの間取り
50坪あれば平屋でも十分すぎる広さとなりますが、逆に50坪を活かせるような間取りを考えなければなりません。
まず、寝室などの部屋は十分な広さが確保され、お風呂やトイレも2か所ずつ設置できるでしょう。
また、リビングも20畳以上の広さが可能でモデルルームのような贅沢な空間づくりができます。
さらに書斎や趣味の部屋などを作っても十分な広さがあるため、かなり贅沢な平屋となるでしょう。
ただ広さのあまり、暖房効率や生活動線に気をつけた間取りにしなければなりません。なぜなら広さが仇となり、生活しづらい空間になってしまう可能性があるからです。
どのような空間づくりをしたいか、家族の希望の優先順位はどうするかなどを話し合い、設計者とよく相談した上で間取りを考えていきましょう。
家族構成ごとに快適な平屋の広さ(面積)
家族構成によって快適な平屋の広さはどれくらいになるのでしょうか。
世帯数と平屋の面積について快適に過ごせる広さを紹介します。
【世帯数:平屋の面積(坪)】
単身者:約18坪~約20坪
夫婦:約22坪~約30坪
夫婦と子供1人:約25坪~約32坪
夫婦と子供2人:約30坪~約35坪
夫婦2人暮らしに人気がある平屋住宅の間取り
夫婦2人暮らしの場合はそれほど多くの部屋を必要としないため、特定の空間を大きく取って使い勝手の向上を図ることができます。
ここでは夫婦2人暮らしに人気がある平屋住宅の間取りについて紹介します。
書斎や屋根裏空間を設けた1LDK
平屋建て住宅であれば天井が高いため、屋根裏空間を設けることができます。
屋根裏空間はプライベートな空間として利用できる他、収納スペースとしても活用できるでしょう。
屋根裏空間にも出窓等を設けることによって採光が可能です。
大きなシューズクロークや洗面所を設けた1LDK
夫婦2人暮らしの場合は大部屋や多くの部屋が必要ないため、特定の設備に空間を割くことができます。
たとえば、大きなシューズクロークや洗面所を設けることができるでしょう。
1LDKの場合は部屋数が少ないためどうしても収納スペースが限られてしまいます。
しかし玄関先に大きなシューズクロークを設けることで収納場所の不足に悩むことがなくなるでしょう。
間仕切りが可変式の洋間を2つを設けた3LDK
こちらは洋間同士が可変式の間仕切りで仕切られている3LDKです。
2つの洋間の間仕切りを取り外すことによって1つの大部屋とすることができるため、大勢の来客にも対応することが可能です。
間仕切りで仕切った状態でも採光できるよう、それぞれの部屋に十分な大きさの窓を設けると良いでしょう。
2~3人家族世帯に人気がある平屋住宅の間取り
2〜3人家族世帯の場合はもう少し多くの部屋が必要となります。
ここでは2〜3人家族世帯に人気がある平屋住宅の間取りについて紹介します。
東側に玄関を設けた2LDK
東側に玄関があることによって朝の出勤や通学時に朝の光を浴びながら気持ち良く外出することができます。
夏の日差しが強い時期であっても庇を付けることによってストレスなく過ごすことができるでしょう。
リビングを南側に設置すれば日当たりが良くなるため室内が明るくなり、洗濯物の室内干しも可能です。
西側に玄関を設けた2LDK
西側に玄関がある場合、西日によって玄関の損傷が激しくなってしまう可能性があります。
西側に玄関を設ける場合は対候性の高い素材を選ぶようにしましょう。
玄関以外の部屋は南向きに設置することができるため、室内全体の日当たりは良くなるでしょう。
対面キッチンを設けた2LDK
キッチンで料理をしながらリビングにいる家族と会話をしたいと感じることもあるでしょう。
リビングと隣接する対面キッチンとすることで、家事を行いながらも家族間のコミュニケーションをとることができます。
パントリーを設けた2LDK
パントリーとは食糧や調理器具などを保管する貯蔵庫のことをいいます。
常温で保存可能な食糧をよく利用する場合等はパントリーがあると便利です。
パントリーは単に貯蔵庫として利用できるだけでなく、ディスプレイを工夫すればおしゃれな空間を演出でき、家事が楽しくなるかもしれません。
4人家族世帯に人気がある平屋住宅の間取り
4人家族世帯の場合は家族それぞれのプライバシーを確保するために多くの部屋が必要となります。
また、それぞれの私物も増えてくるため多くの収納スペースが必要となるでしょう。
ここでは4人家族世帯に人気がある平屋住宅の間取りについて紹介します。
ファミリーコンテナを設けた3LDK
ファミリーコンテナとは家族全員が共用で利用できる収納スペースのことを言います。
家族全員が使用するため、ファミリーコンテナは誰かの部屋ではなくリビング等の共有スペースから出入りできるのが望ましいでしょう。
吹き抜けとロフトを設けた3LDK
平屋建て住宅では、天井を高く設定することで吹き抜けやロフトを設けることができます。
ロフトがあれば子供たちの遊び場になるだけでなく、収納スペースとしても利用することが可能です。
また室内が広く感じられるので開放感が増すでしょう。
寝室や子供部屋への動線がリビングを経由する形になっている3LDK
玄関から家族の各部屋へ移動する際に必ずリビングを経由する形になっている間取りも人気があります。
外出時や帰宅時に家族が顔を合わせる機会が増えるため、家族間のコミュニケーションの機会を増やすことができるでしょう。
家事動線が良いダイニングキッチンを設けた3LDK
洗濯や料理等で家の端から端まで移動する必要の無いよう、家事動線を短くしたダイニングキッチンも人気です。
家事動線をよくするためにはキッチンの出入り口を2か所設ける等、行き止まり部分を作らないことも重要です。
ゆったりとした広さの洗面所やホールを設けた3LDK
家族が多いと朝に洗面所付近が混雑することがあります。
ゆったりとした広さの洗面所とすることによって混雑を回避し、住人がストレスを感じることなく利用できるでしょう。
ウッドデッキを設けた4LDK
敷地に余裕のある場合はウッドデッキを設けることもおすすめです。
ウッドデッキがあることによって室内と屋外の空間が繋がり、居住空間を広く感じることができるでしょう。
リビングに畳スペースを設けた4LDK
リビングに畳スペースを設ければちょっと休憩したい時などに便利です。
畳スペースを設ける場合は他のフロアよりも1段高さを出すと良いでしょう。
子供が多い世帯に人気がある平屋住宅の間取り
子どもが多い世帯は多くの部屋数が必要となります。
住人の数に対して十分な部屋を用意できなければ窮屈な思いをしてしまうでしょう。
ここでは子供が多い世帯に人気がある平屋住宅の間取りについて紹介します。
洋間を3つ、和室を2つ設けた5LDK
部屋数が多くなってくると各部屋への移動は建物の中心部にある廊下を利用します。
敷地面積のうちいくらかを廊下に充てる必要が出てくるため、5LDKとするなら各部屋の広さは少し狭くなってしまうでしょう。
各部屋やリビングをやや狭く設定することで、30〜40坪の敷地でもこの間取りは実現できるようです。
洋室を5つ、和室を1つ設けた6LDK
洋室が5つあれば夫婦の寝室の他、子ども部屋として割り当てる部屋も用意できるでしょう。
洋室同士は隣接した間取りでも構いませんが、和室は廊下で他の部屋とは分断した間取りとするのが良いでしょう。
他の部屋と少し距離を置くことで応接室としても利用でき、来訪者が宿泊する場合のプライバシーも確保できます。
各部屋に備え付け収納を設けた6LDK
各部屋に備え付けの収納を設けた6LDKの場合は住人それぞれが私物を自分の部屋に収納できます。
そのため、リビング等の共用スペースが私物で溢れることを避けることができるでしょう。
大きなリビングと2部屋を繋げられる和室を設けた5LDK
元々のリビングも十分なスペースが確保されていますが、こちらは他の部屋と繋げることができるタイプの間取りです。
間仕切りを取り外してより大きな部屋とすることができるため、大勢の来客にも対応可能です。
4LDKの平屋で人気の間取りをご紹介
4LDKの場合、4人以上で住むことが多くなります。部屋数も多くなるため、平屋にする場合は間取りを工夫する必要があります。
ここでは4LDKの平屋で人気の間取りについて紹介します。
東玄関の間取り
4LDKの平屋では、東玄関の間取りが人気です。玄関が東向きにあると、朝早いうちから玄関に日差しが入ってくるため、気分良く一日のスタートを切ることができるでしょう。
また、東玄関にすると、間取りのプランが組みやすくなります。東に玄関をおくことで、南側により多くのスペースを確保することができるのです。
家族がくつろぐリビングダイニングを広いスペースのある南側につくると、日当たりが良い明るい空間になります。
家事動線や生活動線が良い間取り
4LDKの平屋にすると家事動線が長くなりがちです。しかし、廊下をできるだけなくして、水まわりを一箇所にまとめると、家事動線が短くなり、間取りの良い家にすることができます。
家事動線がコンパクトになると非常に便利なため、4LDKの平屋で人気の高い間取りです。
特に、LDKを家の中心において、廊下を設けず、すべての部屋に移動できるようにすると、生活動線がよりスムーズになります。家族が集まるスペースを家の中心におくことで、一日一度は家族と顔を合わすことができるのも人気の理由です。
平屋で人気な最新の間取りをご紹介
最近は平屋の家が増えていることもあり、平屋の間取りのタイプもたくさん出ています。
ここでは平屋で人気がある最新の間取りについて紹介します。
大人の夫婦に人気の1LDK
子供が独立して夫婦2人の生活を始める場合に、夫婦の主寝室とちょうど良い大きさのLDKといった、コンパクトな大きさの1LDKの平屋が人気です。家事動線も短くなり、とても生活しやすいのが特徴です。
1LDKで物足りなさを感じる方には、屋根裏空間を活用することをおすすめします。LDKに直結させて小部屋を作ることで、子供夫婦やお客様の寝室として利用したり、収納スペースとして使うことも可能となります。
子育て中家族向けに人気の3LDK
子育て中の家族には、少しゆったりめのLDKと夫婦の主寝室、子供部屋を備えた3LDKの平屋が人気です。子供が2人いれば、それぞれ部屋を与えることができますし、子供が1人でも、1室を子供部屋、もう1室をゲストルームとして使うこともできます。
広めのリビングの一角に畳スペースを置くことで、洗濯物を畳む家事スペースやごろ寝スペース、子供の遊び場などにも使うことが可能です。
家事動線や生活動線もコンパクトにすることができるため、非常に生活しやすい間取りと言えるでしょう。
平屋でママに人気のおしゃれな間取りとは?
若い世代にも人気の平屋ですが、家事がしやすくなるなど主婦に人気の平屋の間取りもたくさんあります。
ここではママに人気があるおしゃれな平屋の間取りについて紹介します。
子供の様子が見える間取り
子育て中のママには、家事をしながら子供の様子がよく見える間取りが人気です。
家の中で、家族が長時間過ごす場所はリビングで、夫婦で過ごしたり子供の世話をしたりとリビングにいることがほとんどではないでしょうか。
一方で、子育て中のママが長時間いる場所はキッチンの場合が多いようです。キッチンに立つと、子供から目を離してしまうこともあるでしょう。
まだ子供が小さい場合は、子供をできるだけ目の届く場所においておきたいところです。そのため、ママにはI型やL型のキッチンで、リビングの様子が見渡せるような間取りが人気となっています。
家事動線がコンパクトな間取り
平屋の良さを活かすために、キッチンやお風呂、洗面所などの水まわりを一箇所にまとめると、すべての家事動線をコンパクトにすることが可能となります。
物干しスペースも洗濯機の近くにおけば、洗濯に費やす時間を短縮。子育て中のママなら、物干しスペースをリビングから見えるところにおくと、子供の様子を見ながら洗濯物を干すことができるでしょう。
テラスで室内と外空間を一体にした間取り
平屋を建てた場合、リビングの外側にテラスを設ける人も多いでしょう。リビングの窓を開ければ、LDKとテラスとが一体化して、より広い家に感じることができます。
テラスを活用することで、家の敷地内に子供の遊び場を設けることも可能となるため、ママがキッチンにいても、子供に目が行き届くようになります。
平屋を建てる際の注意点を確認しよう
快適な平屋建て住宅にするために、注意点を4つ挙げていきます。
ハザードマップを確認する
平屋には2階などの上階がないため、床上浸水になった場合の避難上のリスクが非常に高いといえます。
一旦外部へ出て屋根に上がるしか垂直避難の方法がありません。
日本では頻繁に水害が起きるので、事前に、家を建てようとしている土地のハザードマップや浸水履歴をしっかり確認することが大切です。
近隣の住民に聞いてみるのも良いでしょう。
また、平屋を建てる際には、地盤や基礎を高くしておくことも有効です。
収納スペースの確保を意識した設計にする
平屋建ての場合、どうしても収納スペースが足りなくなる傾向があります。
設計段階で収納スペースを確保することを意識しましょう。
新しくロフトを設けて屋根裏収納にすることも有効です。
デッドスペースが収納スペースに変わるだけで、かなりのメリットになります。
家事動線を考慮した間取りにする
平屋を建てる時に優先順位が高いのは、家事の動線を考慮した間取りにすることです。
家事をされる方にとって家事動線は重大なポイントになります。
限られた面積で効率良く移動ができるように、家事におけるストレスの少ない動線づくりを考えていきましょう。
断熱性能を考慮した設計にする
平屋は、屋根からの熱を遮る2階部分がないため、外気の影響を受けやすくなります。
特に夏場は室内温度が上昇しやすくなるので、断熱性能を考慮した設計にしましょう。
断熱には、外断熱と内断熱があり、外断熱の方が断熱効果は得られやすい工法です。
断熱性能の高い窓を設置するのも有効です。
外から室内に入ってくる熱の約4割〜約6割は窓からといわれています。
そのため、断熱性能の高いサッシや内窓などを設置して外から侵入してくる熱を遮断しましょう。
断熱材はしっかり入れておく
一昔前の平屋の日本家屋のように冬は隙間風で寒いということはまずありませんが、断熱材はしっかりと入れておきます。
断熱材が正しく入れてあれば、暖めた空気や冷やした空気を逃がすことなく家の中にためておくことができます。
つまり、空調の効率がよくなり光熱費をおさえることができます。
特に平屋の場合は屋根の面積が大きくなりますので、屋根が受ける太陽の熱の影響が大きくなります。
天井裏の断熱についても確認するようにしてください。
断熱材を入れるのに多少費用がアップしたとしても、そのあとの光熱費が何十年も下げられるのであれば結果的に安くなります。
同様に、広い屋根を利用した太陽光発電の設置も長期的には経済効果が期待できます。
ただし初期費用は安価なものではありませんから、補助金なども考慮した生涯設計で検討するべきでしょう。
価格の面だけでなく、居住空間の快適性をアップできますので断熱はしっかり対策しておきましょう。
お得に平屋の建築・建て替えを行う方法
お得に平屋の建築・建て替えを行う方法をご紹介します。
固定資産税を抑えて建築する
固定資産税とは、土地や住宅といった固定資産にかかる税金のことです。
所有者に対してその土地の市町村が課税します。
一般的に2階建ての家よりも平屋の方が材料を多く使用するため、固定資産税が高くなります。
そのため、固定資産税を抑える方法についてご紹介します。
- 木造建築にする
木造建築はコンクリート造の住宅に比べて耐久性が低く評価されるため、固定資産税が安くなります。
平屋は重心が低く安定しているため、木造でも耐久性がある頑丈な家を作れます。
- シンプルな構造にする
材料を少なくしてシンプルな構造の平屋にすると、材料費が抑えられて建物にかかる固定資産税が安くなります。
- 土地が安い地域に建てる
固定資産税は土地と建物に対して課税されます。
土地が安い地域に建てると土地の評価額が下がり、固定資産税が安くなります。
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この記事の監修者プロフィール
IEMUS
岩納 年成
大手ゼネコン会社にて、官公庁工事やスタジアム、免震ビル等の工事管理業務を約4年経験。
その後、大手ハウスメーカーにて注文住宅の商談・プランニング・資金計画などの経験を経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。
土地の目利きや打ち合わせ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、多数のオーダー住宅を手掛け、住まいづくりの経験は20年以上。
法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、これまでの経験を生かし個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。
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