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2025年01月16日更新
家が建っていた土地に地盤改良は必要?地盤調査を解説!
地盤調査は法律で義務付けられているため、新築・建て替え問わずすべての土地に必要です。地盤調査の結果、地盤が軟弱なものだと判断されれば地盤改良も行う必要があるでしょう。
当記事では、建て替えにおける地盤調査と地盤改良や工法について詳しく解説しています。
目次
地盤調査とは
地盤調査とは、地盤を調べ安全に建物を建てられるか測定する調査です。
具体的には、地盤自体の支える力や地盤沈下を起こさないための抵抗力を測定・数値化します。
地盤が弱い土地の場合、数値が基準値よりも低く測定され、程度に応じた地盤改良の必要があります。
地盤調査は2000年に起きた阪神淡路大震災をきっかけに、建築基準法で家を建てる際の義務とされました。
地盤調査は瑕疵担保責任にも関係する
地盤調査は住宅における「瑕疵担保責任」とも深く関わっています。
万が一売却した土地や建物に問題があった場合でも責任を果たせるように、買主は必ず保険へ加入するようになっています。
しかし原則として、地盤調査を行っていない土地や建物は保険への加入ができません。
このため、地盤調査と瑕疵担保責任には大きな関係があると言えるでしょう。
瑕疵担保責任とは、住宅瑕疵担保履行法の施行とともに義務化された制度です。
建物や土地の欠陥が見つかった場合には、売り主が10年間責任を持つ必要があります。
家が建っていた土地でも地盤改良は必要?
家が建っていた土地でも地盤調査の結果によって、地盤改良が必要となります。
なぜなら、地盤調査は阪神淡路大震災後に義務化された比較的新しい調査であり、それ以前は調査不要で家が建てられたからです。
30年間家が傾かなかった土地も、強固な地盤でなければ、地震などのきっかけにより液状化や地盤沈下する恐れがあるかもしれません。
このため、家が建っていた土地であることに関わず地盤調査の結果に準じた地盤改良が必要となります。
家を建て替える土地の地盤が弱いとどうなる?
家を建て替える土地の地盤は弱いと、地盤沈下や液状化のリスクが生じます。
地盤が建物本体の重さに耐えきれなくなった際には、家が沈下したり傾くことも考えられるでしょう。
地盤沈下した建物は安全面の確保ができないだけではなく、家の傾きにより生じた建付けの悪さによりドアが開かない、外壁に亀裂が入る、傾斜により気分が悪くなるなどの弊害もあります。
上記の理由から売却を検討しても、地盤の弱い土地に建つ家は価値が下がり思うように売れない可能性も考えられるでしょう。
地盤の弱い土地に家を建てると、建物自体や建物の資産価値にまで影響を及ぼします。
建物自体や建物の資産価値を守るためにも、地盤が弱い土地は地盤改良を行いましょう。
地盤調査から地盤改良までの流れ
地盤調査から改良までの一般的な流れは下記のとおりです。
地盤調査を行う際、まずは依頼先の選定を行います。
通常、地盤調査は建て替えを行うハウスメーカーや施工業者が提携の業者に依頼しますが、そうでない場合は自分で探す必要があります。
自分で業者を探す際には、費用のみではなく調査実績や保証制度などを総合的に加味して選定しましょう。
業者の選定が完了したら、調査方法と項目を決定します。
この際、地形図や災害記録などを確認しながら土地の状態を探るため、土地に関わる書面があれば用意しておきましょう。
安易な調査方法の決定は再調査につながるリスクがあるため「なぜその調査方法にしたのか」納得いくまで業者と相談する必要があります。
調査方法が決定したら、見積もり・調査計画書が提出されます。
費用や調査内容に問題がなければ契約を行いましょう。
調査の準備が完了したら、地盤調査の実施となります。
選定した調査方法で地盤の強度を測定します。
地盤調査で得た結果を、地質調査士などの専門家が解析してデータを作成します。
解析結果をもとに地盤改良の要不要を判断しましょう。
地盤調査の結果、地盤改良の必要があると判断された場合には改良工事を実施します。
工事期間は改良工事工法にもよりますが、一般的な戸建住宅の場合、2〜3日で完了となります。
建て替えにおける地盤調査のタイミングは、解体工事が終わり建て替えを行う前です。
地盤調査の種類と費用相場
戸建住宅に用いられる地盤調査には、大きく分けて「スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)」「ボーリング調査(標準貫入試験)」があります。
それぞれの調査における費用の目安は下記のとおりです。
調査方法 | 費用の目安 |
---|---|
スクリューウェイト貫入試験 (SWS試験) | 5万〜25万円 |
ボーリング調査 (標準貫入試験) | 25万〜30万円 |
それぞれの調査内容を詳しく確認しましょう。
種類1 スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)
スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)は、SS試験、スウェーデン式サウンディング試験と過去に呼ばれていた地盤調査です。
一般的な戸建住宅の大半がスクリューウェイト貫入試験(SWS試験)を利用しています。
コストを抑えて地盤調査できることが魅力で、1回あたりの調査費用は5〜25万円です。
調査方法は、スクリューポイントをつけた鉄の棒を地面に貫通させ、棒が停止してからハンドルを回転させ25cmに到達するまでに何半回転したかを計測します。
計測結果から地盤の硬さや締まりが調べられる調査方法です。
種類2 ボーリング調査(標準貫入試験)
3階建や鉄骨造など、構造計算書の添付が必要な際には、調査方法としてボーリング調査(標準貫入試験)が採用されます。
ボーリング調査(標準貫入試験)では、地盤の安定性を示す値であるN値を求めることにより、地盤の硬さや地層における構成の把握が可能です。
N値は高ければ高いほど地盤は強固で重いものに耐えられることを意味します。
なお、ボーリング調査(標準貫入試験)の費用の目安は25〜30万円です。
地盤改良工事の種類と費用相場
地盤改良の費用相場は、3万~7万円です。
地盤改良工事には主に次の3種類の工法が用いられています。
工法 | 1坪あたりの費用の目安 |
---|---|
表層改良工法 | 約3万円 |
柱状改良工法 | 4万〜5万円 |
鋼管杭工法 | 5万〜7万円 |
それぞれの工法による特徴と工事内容を確認しましょう。
種類1 表層改良工法(ひょうそうかいりょうこうほう)
表層改良工法とは、2m以内の軟弱な地盤で有効な地盤改良工法です。
基礎の下にある地表を掘り起こし、土とセメントをミックスしたもので地盤を強化します。
主に粘土質な地盤に用いられる工法で、地下水が流れている地盤には適していません。
工期は1〜2日と短期間で、費用を抑えられる利点があります。
表層改良工法の費用相場は、土地の広さにより異なり、1坪あたり約3万円です。
種類2 柱状改良工法(ちゅうじょうかいりょうこうほう)
柱状改良工法は、戸建住宅で最も多く採用されている地盤改良工法です。
2m〜8mまでの軟弱地盤に対して、円柱状の改良釘を打設し地盤改良します。
施工後は地盤を元の状態に戻しにくいですが、現場の状況に合わせた施工を短期間で行える利点があります。
柱状改良工法の費用相場は土地の広さにより異なり、1坪あたり4〜5万となります。
種類3 鋼管杭工法(こうかんぐいほうほう)
鋼管杭工法は、一般的な戸建住宅での採用は珍しい地盤改良方法です。
主に軟弱地盤が30m以内の場合に採用され、マンションなどの重量のある建物にも対応できます。
現状復帰も可能とされる優れた工法ですが、工事中の騒音や大型重機も必要になる点から一般的な戸建住宅には不向きな工法と言えます。
費用は1坪あたり約5〜7万円と高額で、30坪だと約150〜210万円が相場でしょう。
地盤調査報告書の見方
地盤調査報告書は専門的な用語が多く、素人が見ても状態の判断が難しい書類です。
しかし、地盤改良が必要であるか否かは見方を覚えれば素人でも確認できます。
地盤改良の要不要には「自沈層」の有無が大きく関係し、自沈層のある地盤には地盤調査報告書に「ストン」と記載されます。
もちろん地盤改良を決定する要素はそれだけではありません。
盛り土や地下水の有無によっても地盤改良は必要となりますが、1つの見方の目安として覚えておきましょう。
自沈層とは、地盤の軟弱さによりスクリューが重さだけで回転なしでも「ストン」と落ちてしまう地層を言います。
【坪数別】地盤調査・地盤改良費用の例
ここでは坪数別ごとの地盤調査費用、地盤改良費用の目安をご紹介します!
なお、この項では一般的な戸建住宅で最も多く採用されている地盤調査であるスクリューウェイト貫入試験(SWS試験)を実施し、柱状改良工法で地盤改良を行ったと想定しています。
20坪の土地の費用目安
20坪の土地の地盤調査・地盤改良における費用目安は下記のとおりです。
費用 | 計算・補足 | |
---|---|---|
地盤調査費用 | 25万円 | スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)の上限で算出 |
地盤改良費用 | 100万円 | 1坪あたり5万円で算出 |
合計 | 125万円 |
30坪の土地の費用目安
30坪の土地の地盤調査・地盤改良における費用目安は下記のとおりです。
費用 | 計算・補足 | |
---|---|---|
地盤調査費用 | 25万円 | スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)の上限で算出 |
地盤改良費用 | 150万円 | 1坪あたり5万円で算出 |
合計 | 175万円 |
地盤調査・地盤改良の注意点
地盤調査や地盤改良は専門的な知識や技術が必要であるため、業者の言われるがままに工事に入ってしまうケースも少なくありません。
地盤調査を依頼する前に注意点をしっかりと押さえておきましょう。
注意点1 調査方法により改良工事要不要の判定が変わる
地盤調査の方法によって改良工事要不要の判定は変わります。
戸建の建つ土地に用いられるスウェーデン式サウンディング試験は簡易的であるため、10m以上の深い部分や盛り土などにおいてエラーが出やすいと言われています。
一方で、ボーリング調査(標準貫入試験)では軟弱な地盤では測定の精度が落ちやすいです。
このように、正しいデータを得るためには調査方法の適正や使い方を考慮した上での実施が重要となります。
注意点2 過剰な地盤改良工事でないか見極める
過去に地盤改良が行われた土地を再び改良する場合、過剰な工事でないか見極める必要があります。
過去に地盤改良工事が行われた土地の場合、地中に杭などが残っている可能性もあります。
再び地盤改良を行う際には、過去の杭をすべて撤去する必要があり、複雑な工事が必要になるのが懸念点です。
過剰な地盤改良工事の見極めは素人では難しいため、過去に改良を行ったことのある土地の場合には地盤調査のセカンドオピニオンを実施してみても良いでしょう。
注意点3 地盤調査報告書の発行の有無を確認する
一般的に地盤調査が完了すると、地盤調査報告書が発行されます。
地盤調査報告書は地盤の状態が詳細に明記された書類であるため、地盤調査を実施した証明書であるとともに、安全性の高さを示す書類でもあるのです。
しかし、地盤調査報告書の発行は義務化されていないため、業者によっては調査をしても発行してもらえない可能性も考えられます。
このため、地盤調査を依頼する際には地盤調査報告書発行が発行されるか事前に確認してみましょう。
注意点4 資金に余裕を持っておく
地盤調査や地盤改良を行う際には、資金に余裕を持っておきましょう。
前途したように、地盤改良は改良方法により費用が大きく異なり、最も高額になりやすい鋼管杭工法では数百万円の費用がかかります。
地盤改良の方法は調査結果がでるまでわからず、自分で選択できるものでもないため、資金に余裕を持っておきましょう。
【Q&A】建て替えの地盤調査に関するよくある質問
- 地盤調査の依頼はどこに行えば良いですか?
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地盤調査の依頼は一般的に個人で行いません。
地盤調査業者へ直接依頼も可能ですが、ハウスメーカーや工務店では提携している地盤調査業者があるため、紹介してもらうのがスムーズです。
- 地盤調査費用の支払いは施工会社ですか?
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地盤調査費用の支払いは、土地や建物の買主負担になりやすいです。
新築住宅の場合にはハウスメーカーが事前に実施していますが、土地の購入時や中古住宅建て替え時などは買主が行います。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
実際に建て替えをするべきなのか、リフォームをするべきなのかを検討するためには、プロに現状を相談し、「プランと費用を見比べる」必要があります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は次のステップへ行きましょう!
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